アラフィー女性にこそ読んで欲しいおすすめの本を、編集部がピックアップ! 小学生が世界の理不尽に立ち向かう『僕の神さま』、オバマ前大統領も感動させたシングルマザーの奮闘記『メイドの手帖』など、静かな夜に物語の世界に浸って。
『僕の神さま』
芦沢 央
KADOKAWA ¥1,600
なんでも解決してしまうので、みんなから「神さま」と呼ばれている水谷くんと、気弱な「僕」。日常の謎を解決するほのぼのとした連作ミステリーと思いきや、しだいにハラハラざわざわ。悲しい境遇の同級生を救おうとして、彼らは人生のままならなさを痛感させられる。でも、そのあとがかっこいいのだ。後悔をしっかり背負い、前を向く。自分の弱さやずるさから目を背けない。ふたりの小学5年生から、人として「かくありたい」姿を教えてもらったようで、背すじがのびる。
『メイドの手帖』
ステファニー・ランド 村井理子/訳
双葉社 ¥1,800
妊娠とパートナーのDVをきっかけに、社会の底辺に落ちてしまった著者。アメリカのシングルマザーによる回想録は、日本にも確かに存在する格差や差別の深刻さを突きつけてくる。同時に、幾たびも心折れかけながら踏みとどまり、自身の未来を変えていく姿に勇気づけられる。
『すべて忘れてしまうから』
燃え殻
扶桑社 ¥1,500
日々を生きる中で誰もが感じる悔しさや憤り、ときめきやささやかな幸せを、どうしてこんなにも鮮やかに切り取り、胸にしみいる文章にできるのだろう。風変わりなペンネームをもつサラリーマン兼作家のエッセー集は、心に書きとめておきたくなる印象的なフレーズの宝庫だ。
『砂漠が街に入りこんだ日』
グカ・ハン 原 正人/訳
リトル モア ¥1,800
パリに移住した韓国人女性がフランス語で書いたという短編集は、実に不思議な味わい。街で砂漠を探し求めたり、自分を守るために24時間イヤホンで音楽を聞き続けたり……。周囲に溶け込めず途方に暮れる主人公たちのやるせなさと寂しさが、読む者の心にも降り積もるよう。