アラフィー女性にこそ読んで欲しいおすすめの本を、編集部がピックアップ! 明るくパワフルな登場人物に思いきり笑えて元気になれる『老婦人マリアンヌ鈴木の部屋』、残酷な老いの現実を描きながら読後感はあたたかい『いつか あなたを わすれても』など、連休中に読みたい4作をセレクト。
ままならない人生を、どう豊かに生きるか
『ははのれんあい』
窪 美澄
KADOKAWA ¥1,870
物語の前半は由紀子という女性が主人公。夫や義父母との関係がきしんでいく中で感じるとまどいや不安があまりにリアルで、息苦しくなる。後半は、高校生になった長男・智晴を中心に描かれる。離婚し、売店のパートからキャリアを積んでいく母親を支え、弟たちの母がわりも務める姿にジ~ン。平仮名のタイトルの意味がわかるころには、家族にも生き方にも理想形などないのだと気づかされ、苦しみを糧に自分の力で幸せをつかみとるふたりが忘れられない存在になっている。
唯一無二の本が見つかる、こんな書店があったら
『はじまりの24時間書店』
ロビン・スローン 島村浩子/訳
東京創元社 ¥1,760
所有者が1657年に殺されてから行方不明になっている予言書を探して、主人公がたどりついたのはサンフランシスコにある会員制書店。天井が見えないほど高い書架が並ぶ店で、お客は好き勝手にくつろいでいる。読む者の想像力まで羽ばたかせる、風変わりでおしゃれな物語。
枯れない、くじけない女たちからのエール
『老婦人マリアンヌ鈴木の部屋』
荻野アンナ
朝日新聞出版 ¥1,760
熟年離婚後リストラされ介護の資格をとったモエ。下の世話をしてもらっていても優雅で誇り高い90歳のマリアンヌ。シニア向け婚活パーティで儲けるトチ……。この小説の登場人物たちは、煩悩をわんさか抱えているのに明るくパワフル。思いきり笑えて元気モリモリになれる。
今を大切に生きたくなる直木賞作家初の絵本
『いつか あなたを わすれても』
桜木紫乃 オザワミカ/絵
集英社 ¥1,870
認知症になり、いろんなことを少しずつ忘れていくおばあちゃん。愛する娘のことさえも……。悲しく残酷な老いの現実を描きながら、読後感はあたたかく、さわやかだ。たとえすべての記憶が失われても確実に残り、受け継がれていく大切なものがあると気づかせてくれるから。