アラフィー女性にこそ読んで欲しいおすすめの本を、編集部がピックアップ!中村文則の新作『カード師』をはじめ、時間を忘れて読んでしまいそうな4冊をご紹介。
残酷な世界で光を紡ぐ怒涛のエンタメ
『カード師』
中村文則
朝日新聞出版 ¥1,980
佐藤という冷酷な資産家の顧問占い師になった「僕」。占いに心酔する佐藤だが、当たらなければ殺される。ギリシャ神話、タロット、大金をかけたポーカー、中世の魔女狩り、オウム真理教、阪神と東日本の大震災、新型コロナウイルス……さまざまな要素を盛り込んだスリリングな物語が人間の本質をえぐり出す。“この世界は理不尽さに満ち満ちているけれど、誰も完全に絶望することはできない。だって明日何が起こるかわからないんだから”――そんなメッセージがガツンと胸に響く。
一日一日をていねいに生きたくなる19の物語
『ぐるり』
高橋久美子
筑摩書房 ¥1,540
人気バンド「チャットモンチー」を脱退後、詩やエッセーを手がけてきた著者による初の小説集。どこにでもいそうな老若男女の日常から、その人にしかない輝きや悲哀、年を重ねることの豊かさをしなやかに切り取る感性はさすが。リズミカルな文章も元ドラマーならでは!
原発被災者に寄り添い続ける記者が見た真実
『いないことにされる私たち』
青木美希
朝日新聞出版 ¥1,650
原発事故避難者数は今、政府発表だと4万人だが実は7万人。自主避難者や住宅提供を打ち切られた人々がカウントされないためだ。世間の関心が薄れる中、いないことにされ、より苦境に追い込まれている彼らの間近で長年取材を続けてきた新聞記者の告発に、耳を傾けたい。
ひとりと1匹、自転車旅で世界を変える
『ナラの世界へ』
ディーン・ニコルソン 山名弓子/訳
K&Bパブリッシャーズ ¥1,760
自転車で世界一周を目ざすスコットランド人青年がボスニアの山中で子猫を拾い、ナラと名づけて道連れに。好奇心旺盛なナラによってもたらされる多彩な出会いから、難民や環境問題に目覚め、人として成長していく。コロナ禍のうつうつ気分も吹き飛ばすパワフルな旅行記。