猫好きさんちのかわいい子たちの様子を毎月お届けする連載6回目。2年ほど前にマンションから一軒家に引っ越しした作家の角田光代さん。地面に近い新しい空間にすっかりなじんだ愛猫・トトの様子を取材!
トト アメリカン・ショートヘア 11歳
庭の見える窓側へ動いてくれた貴重な瞬間。角田さんはトトに気づかれないよう用心しつつ、庭に来る猫との交流を続けているそう
(左)丸っこいけれど、意外に筋肉質なトト。「この爪とぎと、キャットタワーの上のハンモックが定位置です」。手前は「我慢し飽きて」購入したというミニベッド(本来は人形用)。今は乗ってくれない。(右)書斎のデスクの上のトト。この部屋の、通りに面した低い位置に小さな窓があり、そこで香箱座りをして外の様子を眺めるのも日課のひとつ
角田さん撮影の写真より、ハムを盗み食いして叱られるの図。怒られているのに目を合わせず、なぜか遠いまなざし。「つらいけど、負けるな私」などと思っていそうでかわいい
「ちょっと暗い性格のトト。私たち夫婦に似ています」
角田光代さんの愛猫トトは、’10年に漫画家の西原理恵子さんから譲り受けたアメリカン・ショートヘア。
爪とぎの上で香箱を組む写真2枚目の通り、いかにも超然とした印象だが、「朝、私が家にいて仕事場に出かけない日曜だとわかると、“おなかにのせて”とベッドに来てくれます。それがかわいいです」と、角田さん。トトは一対一でひそかに甘えるタイプなのだ。
角田さんの現在の住まいは一軒家。マンションからの引っ越しを機に、トトは外の世界を発見した。「窓から道行く人や犬の姿が見えたり。外猫が庭に来たりもします」
ガラス越しの友、もいるらしい。「よく来る茶トラの猫は、トトも嫌いじゃないみたいなんです。人懐っこいから、その子がよく座る場所に膝かけを置いたり、私が少し世話を焼くようになりました。するとそのうち、トトの目の上が禿げはじめて。病院でストレスでは?といわれたので、夫といろいろ話し合った結果、原因はあの膝かけじゃないか、と(笑)。トトは私がほかの猫に優しくするのが気に入らなかった。それをいい出せずに抱え込んじゃう暗いところが、私と夫に似ていますね」
さらに、こんな策士な一面も。「夫は音楽制作が立て込むと仕事場に缶詰めになるのですが、久しぶりに帰宅すると、トトは探してもらおうとベッドの下に隠れます。でも、夫は用だけすませてまたすぐ出ていく。やがて空振りに気づいたトトは、夫の枕の上にじっとり座るんです」
トトの小さな心の内を思いやる角田さんの毎日。その幸福感にキュンとする。
タオルになりきって隠れるのが好きなトト。以前の家での角田さんのナイスショット