“本読みのプロ”が、今、読むべき一冊を教えます!エクラ文芸大賞の選考会で話題にあがった“心に刺激を与えてくれる小説”はこちら。
息子以上に「父・正樹はどう直るか」が読みどころ!斬新さがすごい
━━ 代官山 蔦屋書店 間室道子さん
『小説8050』
林真理子 新潮社 ¥1,980
歯科医の正樹の悩みは21歳の息子の引きこもり。娘の結婚話を機に腹をくくった正樹は、引きこもりのきっかけになった息子の中学時代のいじめに真正面から向き合うが……。スリリングな展開に息をのむ社会派小説。
旅ができない今だからこそパリの情景を思い浮かべて味わって
━━ブックファースト阪急西宮ガーデンズ店 佐藤みどりさん
『赤いモレスキンの女』
アントワーヌ・ローラン
吉田洋之/訳
新潮社 ¥1,980
パリの書店主が偶然拾ったバッグに入っていたのは、赤いモレスキンの手帳。それと一冊の本を手がかりに、彼は持ち主を探そうとするが……。見知らぬ女性への恋の芽生えと意外な展開を描いた、大人のおとぎ話。
「ロケバスアリア」の主人公のコロナ禍の決意に勇気をもらった
━━書評ライター 細貝さやか
『田舎のポルシェ』
篠田節子 文藝春秋 ¥1,760
“今どきの人生”を感じさせるロードノベル3編を収録。「ロケバスアリア」の主人公は孫の運転で浜松のホールへ。彼女には秘めた決意があり、ホールで歌うことにしたのだった。生きる尊さを感じさせる中編。
読むのが苦しい描写も。でも自分の人生の結末に思いを馳せられた
━━ジュンク堂書店池袋本店 西山有紀さん
『羊は安らかに草を食(は)み』
宇佐美まこと 祥伝社 ¥1,870
日常生活がおぼつかなくなった86歳の益恵を連れて、80歳のアイと77歳の富士子は益恵の思い出の地をめぐる旅へ。その理由は過去に苦しめられてきた益恵を助けたかったから。重厚だが救いも感じる小説。
親への接し方に悩んだときに読むと少しだけ心が軽くなるかも
━━書評ライター 山本圭子
『家族じまい』
桜木紫乃 集英社 ¥1,760
認知症の母と齢(よわい)を重ねても相変わらず横暴な父。そんな両親の老いがすすみ、とまどう姉妹だったが、一方でそれぞれの夫との関係にも微妙な変化が。老々介護や二世帯同居など現実とその先を見つめた小説。