モチベーションを上げ、いつもの料理をおいしく見せてくれる器。一緒に個展を訪れるというモデルのゆうきさん、ヘア&メイクアップアーティストの野田智子さんに、あふれる器愛を語ってもらった。
選ぶ器も買い方も違うけど器についての話はつきず
ゆうきさん(以下Y敬称略) 器に興味をもったきっかけは野田さん。器の師匠なんです。ある日「今からお茶できる?」と電話があって。出かけていったら、個展帰りの野田さんが器をテーブルに並べながら、その日出会った作家さんのことや、個展での感動を一気に語ってくれたんです。そのときに「器ってこんなにきれいで魅力的なんだ」と思って。
野田さん(以下N敬称略) それから個展に一緒に行くように。私たち、買い方も選ぶ基準、器も全然違うんです。私は「出会った」と思ったらすぐ買います。ゆうきちゃんは使うかなど、とても吟味して選んでいる。
Y ギャラリーに行っても目に入るものが違うらしく、お互いに「そんなのあった?」と。欲しいものがかぶることはまずないし、野田さんはあっという間に買っちゃうんです。
N そう、欲しいものはパッと決まります。ひととおり見たら「これ、これ」と気になるものをお店の隅にあるテーブルに並べはじめる。お店の人も「また始まった」って(笑)。そして、必ず自然光や照明による見え方をチェックし、作家さんにお話をじっくりうかがいます。
Y だからとても詳しいよね。私はじっくり時間をかけて選ぶので、野田さんが会計を終えて、作家さんとお話ししている間も、まだどれにしようか悩んでいる感じ。野田さんと作家さんの話を横で「ふむふむ」と聞きながら、手で持ってみたり。
N いつもじっくり選んでいるよね。迷ったときはお互いに「これどう思う?」って聞き合うことも。
Y 「それ、ゆうきちゃんぽいね」っていわれて背中を押してもらったり。逆に私が野田さんに「それは今回買わなくてもいいんじゃない?」と冷静にアドバイスすることも。
N お互いの好みも、持っている器もわかっているからアドバイスしあえる。ギャラリーに行った帰りには、一緒に食事に行き、感動を共有しています。ごはんを食べながら「今日買った器に、こんな料理を盛ったら映えそうだよね」と妄想して盛り上がって。そんな時間が楽しいよね。
Y そう、ギャラリーに行った日は、感動して気持ちが高揚しているから、クールダウンも兼ねておしゃべりしながら家まで歩いちゃうことも。
N 実は最近、私たちふたりと友人のスタイリストさんの3人で、畑を借りて野菜づくりも始めたんです。
Y 収穫する野菜が不ぞろいなんですよ(笑)。でも好きな作家さんの素敵な器に盛るとそれだけで映える。
N 「あの器に盛ってみたらすごくよかったよ」って報告したりね。今はギャラリーにもなかなか行けなくなってしまい、改めて好きな器を集めておいてよかったなと。簡単な料理でも器が助けてくれるし、器によって豊かな気持ちになれる、としみじみ実感しています。
ふたりが好きな沖縄の木工作家、藤本健さんの器。野田さんの私物。「赤木の器が好き。サラダを盛ったりキャンドルを置くことも」。
ゆうきさんの私物。「工房で制作風景を拝見し、いいなと思いました。木の特性に委ねた眺めていたい器」。
艸田(くさだ)正樹さんのガラス器も、ふたりそろって大好きだとか。上は野田さんの私物。「作家さんの手を感じられるところが好きです」。
ゆうきさんの私物。「おかずを盛ったり、グラスもふだん使いで愛用しています。艸田さんのガラスはクリアで美しく料理もおいしそうに見えます」。