取材先で「洋梨」というものをひとつわけていただく。ラ・フランスはアボカド、ロマネスコ、セルバチコなどと並んで、かつて我が家の器に載ったことのないおしゃれ青果でしたが、ついにその日が到来。入刀時に少し手が震えました。
折よく『エクラ』1月号に冷水希三子さんの洋梨を使ったレシピが載っていましたので、作ってみることに。しっとり甘いので生ハムとも合うようです。
その名前からして栽培の本場はフランスなんだろうと思っていましたが、この品種は病害に弱く栽培にも手間がかかるので、あちらではほとんど絶滅状態との由。単なる”舶来”とはまた違ったありがたみを感じました。
甘さとほのかなしょっぱさを味わいながらふと思い出したのは、長崎県・生月島の唄オラショのこと。400年以上前に宣教師が伝えたイベリア半島の聖歌『O Gloriosa Domina (おお、栄光の聖母よ)』は長い禁教弾圧を乗り越え、『ぐるりよざ』として今に至るまで受け継がれて来ました。彼の地では忘れられたにもかかわらず、日本には残っている。そのことが、ただただ感動的です。
(編集B)