サスペンスにロマンス、人間ドラマにドロドロ劇。クオリティ高い傑作が目白押しだった2021年の韓国ドラマを、ライターの小田 香さん、山崎敦子さんがプロ目線で熱く総括!
Pなど韓流エンタメについて執筆。仕事以外の時間は寝食削って韓流漬け。
オールジャンルでずど〜んと響く傑作が!
山崎 2021年の韓流ドラマは、やっぱり『イカゲーム』なくしては語れない!
小田 大物イ・ジョンジェ(主人公ギフン役)が出ている時点で、誰が勝つかわかってしまうけど、そうしたゲームのおもしろさというよりも人間性の部分で見応えありますよね。
山崎 6話のビー玉のところで号泣でした。
小田 オー! 『イカ〜』が’21年の後半の代表作なら、前半は『ヴィンチェンツォ』。
山崎 ソン・ジュンギがダークヒーローに挑戦したことでも話題に。ベタなコメディと残虐サスペンスの組み合わせが斬新というか。
小田 『ヴィン〜』は実は女性監督なんですよね。以前は、監督は男で脚本家は女というのが圧倒的に多かったけれど、 最近はそんな構図も変わりつつある。『ヴィン〜』は女が監督で脚本家が男。
山崎 わ、逆パターン!
小田 ほかに『Mine』や『怪物』も女性監督なんです。
山崎 『怪物』は賞も数多くとっていますよね。主演のシン・ハギュンとヨ・ジングの相性がすばらしかったですが、 こういう骨太なサスペンスドラマに女性監督が多くなっているのは、なんとも頼もしい。
小田 映画監督のドラマ進出も目立ってましたね。Netflixの台頭で、映画とドラマの境界がなくなっている。
山崎 そうそう。チョン・ヘイン主演の『D. P.』は、『コインロッカーの女』の監督だし、映画ではないけど、『人間レッスン』のキム・ジンミン監督の『マイネーム』も映像の凝り方から脚本の練り方など映画的。『イカ〜』もそうだけど、地上波ではむずかしい描写も果敢に描かれていてずど〜んと響くものが増えた。
写真/アフロ
’21年、新境地を開いたふたり!
(左)ソン・ジュンギ、(右)チョン・ヘイン
ソン・ジュンギは『ヴィン〜』のダークヒーローで人気拡大。チョン・ヘインは『D.P.』で今までと違う硬派なキャラで魅了。
大人もトキメキ必至のウェブ漫画原作が豊作
山崎 『D. P.』もそうですが、ウェブ漫画原作も『恋するアプリ2』『女神降臨』『わかっていても』『模範タクシー』『九尾の狐とキケンな同居』などなど’21年も豊富でした。
小田 ドラマ制作者たちもウェブ漫画は意図して探していますよね。原作のキャラを誰がやるのかキャスティング時の話題づくりにもなるし。
山崎 チャウヌも『女神〜』の原作主人公スホとのシンクロぶりが話題でしたものね。
小田 私的には『九尾の〜』にどハマり。主演のチャン・ギヨンがかっこよすぎてキケンだぞ、みたいな(笑)。見ながら「私、息止まっているよね、今」な感じが何度も。
山崎 わかります! やっぱりキラキラ系のイケメン俳優は目と心の保養。エクラ世代の大いなるエッセンスです。
小田 最近ではチャウヌ、ソン・ガン、ロウン、リョウンの4人が注目のキラキラ系。
山崎 ロウンくんは初の時代劇『恋慕』も好評。190㎝超えのスタイルと時代劇の韓服姿の組み合わせが垂涎です。
写真/アフロ
“キラキラ王子系”の注目株
(左)ロウン、(右)チャウヌ
漫画との高いシンクロぶりも話題だった顔面天才チャウヌ。初めての韓服姿も凛々しくかっこいいSF9のロウン。
疲れたら癒しドラマ、刺激ならドロドロ系を
小田 ’21年もやっぱりサスペンスものが多かったですが、私は、それに疲れて『ラケット少年団』など、ほのぼの系にもどっぷり。
山崎 田舎が舞台になっていて、それだけでもほのぼの。『海街チャチャチャ』にも癒されました。私的’21年ナンバー1の『賢い医師生活2』は、ソウルが舞台だけど、やっぱりヒーリング系。
小田 通しで一気見するより、毎日ちょっとずつ見ながら、癒されるのがおすすめ。
山崎 真逆のマクチャン(ドロドロ)系もすごかった。
小田 ’20〜’21年は、マクチャンドラマの三大脚本家復活が韓国ですごく話題になっていて、なかでもおすすめは6年ぶりに復帰した脚本家イム・ソンハンの『結婚作詞 離婚作曲』。暴力とかいじめとか王道的な部分がなく、設定自体はありえない物語だけど、すごくリアルに描くんです。
山崎 12話の不毛のダイアローグが圧巻でしたね。
小田 嫌い嫌いといいつつハマる中毒性がある。テーマ的にもエクラ世代に見てほしい。