見えるのはほんの一瞬だけれど、東急東横線の上り列車は目黒川の桜の特等席。でも、できることなら蝶となって、川の上をひらひら飛んでみたいもの。
そんな気分を託すように、絵付けが半分だけのお皿に干菓子をのせて。
蝶は有平。
などと『枕草子』ばりに勝手に決め込んでおりますが、扱うお店は思いのほか少ない印象。クイッとひとひねりという感じで作られた、透明で軽やかな有平糖の蝶は、いかにも春の気分に似つかわしい。その繊細さゆえ、持ち運ぶ間に割れてしまうこともあるのが惜しいところです。
一頭だけでは淋しいかと、蝶の下に同じく有平の観世水、その右側に州浜の早蕨を並べて遊んでみました。お菓子はすべて、京都『末富』の干菓子の詰め合わせから。
『末富』といえば、日本画家・池田遙邨による"末富ブルー"の包装紙もアイコニック。その鮮やかな水色ときゅっと蝶に結んだ薄紅色の紐の組み合わせはいつ見ても心躍りますが、今時季が最もふさわしいように感じます。
(編集B)