『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』で話題のブレイディみかこ初の小説『両手にトカレフ』、人気作家14人の贅沢なエッセーアンソロジー『とあるひととき』など、アラフィー女性に読んで欲しい4冊をピックアップ。
100年前の日本女性の伝記が英国少女を救う
『両手にトカレフ』
ブレイディみかこ
ポプラ社 ¥1,650
ノンフィクションの賞を総ナメにした『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』以来、大注目のライターが初の小説を上梓した。舞台は、著者自身が保育士として働いてきたイギリスの地方都市。酒とドラッグにおぼれる母と弟の3人で暮らす14歳のミアが、金子文子という大正時代のアナキストの自伝に共感し、励まされる。100年前の日本と21世紀のイギリスで、過酷な運命に抗(あらが)い続けるふたりの少女。読後、「世界は今ここから自分で変えていけるんだ」と力がわいてくる。
銅版画と俳句のおしゃれなコラボレーション
『山猫画句(がっく)帖』
山本容子
文化出版局 ¥2,200
銅版画家の著者が俳句を始めたのは、還暦を迎えた10年前。「山猫」という俳名で詠みためた約600句から100句ほどを選び、季節ごとの風景を描いた銅版画とともに紹介。17文字で表現される世界の豊かさと、見る者のイマジネーションを刺激する繊細&洒脱な画(え)を堪能して。
14人の作家が競作。贅沢なエッセーアンソロジー
『とあるひととき』
三浦しをん 道尾秀介ほか 花王プラザ/編
平凡社 ¥1,540
朝、夕暮れ、午後11時、3つの時間帯を切り口に、人気作家たちがエッセーを執筆。例えば吉本ばななは、不仲だった母が寝たきりになってから毎夜11時に電話をした思い出をつづる。息子と夕焼けを眺めながら、育ててくれた祖母を思う川上未映子の一編も胸にしみ入る。
風変わりだが胸に響くチャーミングな物語
『リリアンと燃える双子の終わらない夏』
ケヴィン・ウィルソン 芹澤 恵/訳
集英社 ¥2,750
人生に絶望しかけていたリリアンが、上院議員の妻になった旧友に頼まれ10歳の双子の世話をすることに。双子は大人への不信感が強いうえ、興奮したり動揺したりすると体が発火してしまう特異体質……。ぶつかりながら固い絆で結ばれていく3人に、笑わされ泣かされる。