around 60からの働き方について考えていますか?豊富な人生経験を生かし、生きるためだけではなく、やりがいを求めて新たな世界に足を踏み入れたaround 60女性たちのお仕事を拝見。60歳を前に副業を始めた笈川房子さんに話を聞いた。
婚活支援サービス運営
笈川房子さん(60歳)
平日の本業で生活を支えライフワークを副業に
「もともと楽天的で好奇心が強く考える前に飛びつくタイプです」
とにかくアクティブな笈川房子さん。約10年間、客室乗務員を務めて結婚。30歳で出産し、子育てのかたわら、簿記やFP、秘書検定、ビジネス実務法務などの資格を取得する。時間を有効に使う達人だ。
「好奇心が強いんですよね。娘の幼稚園では父母会会長を務め、その後も約20年、役員を続けました」
父母会会長時代は、忙しくて何度かシッターを頼み、信頼関係が生まれるとストレスが軽減した。ここまではよくある話だが、驚くのは笈川さんの行動力。
「同じような悩みをもつ女性の力になれるのではと、家事をサポートする会社を立ち上げました。といっても社員は私ひとりで、業務内容は私ができる範囲ならなんでも。なかには通帳と印鑑をお預かりするほど信頼を得た顧客もいましたが、親の介護で継続を断念」
ひとり娘が留学し手が離れた45歳のときに団体職員として就職。小さな組織なので、経理をメインに総務と庶務を担当。それが生活を支え、今も続けている本業だ。
「実は子供が成人になるのを待って50歳で離婚。しばらくは寂しさと漠然とした将来への不安を感じました。でも自由になったのだから、楽しいことを始めるチャンス!と気持ちを切り替えて」
腰が重くなる60代を前に、57歳で副業の婚活支援サービスを起業した。本業のない週末に集中して、サロンを開いているそう。
「友人から、結婚したいけどチャンスがない、出会い系サイトも利用したけど探すことに疲れた、という悩みを聞いたのがきっかけ。いろいろな経験をされて落ち着かれた40代以上に絞り、おせっかいな性格を生かして、昔のお見合いシステムのように私が仲人になるのもおもしろいと思って。何度マッチングを提案しても、うまくいかなければ単なるお悩み相談。仕事としては効率が悪いかも。でも人生のパートナーを見つけるお手伝いができてお客さまの笑顔を見ると、私も幸せを感じるんです」
友人の悩みをきっかけに、“おせっかいな仲人サロン”を主宰
黒字とはいえない副業を続けられるのは、本業があるから。
「上司は次々に定年退職。同僚との関係もよく、ストレスのない職場です。単純なミスが増える、探しものに追われる、老眼や難聴がすすむなど衰えはありますが、老化は乗り越えようと思わず受け入れる、がモットー。定年は65歳で70歳までは嘱託として働く予定です。最近は退職までにいくら貯金ができ、年金はいくらで、何歳まで生きるかシミュレーションも」
いつか起業をと考えるエクラ世代にぜひ伝えたいことがある。
「動くなら50代のうちに。60代になると体の機能が一気に低下して意欲が萎え、まわりの景色も変わります。あと、がんばればかなえられそうな現実的な目標をもつこと」
笈川さんの今後の働き方は?
「高齢者の就業があたりまえの時代がくると思っています。そのときに備えて頭も体も柔軟でいたい」
日本結婚相談所連盟に加盟する「麻布TFサロン」。男女合わせて8万人の登録会員から条件にマッチする人を探すのが楽しい
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お仕事履歴書 |
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| 20代 |
航空会社に客室乗務員として勤務。 |
| 30歳 |
第1子出産。子育て中に、簿記、ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得。友人の税理士事務所で経理補助をし、経営に興味をもつ。 |
| 40歳 | 家事補助業(働く女性宅での家事全般、高齢女性宅のハウスクリーニング、ペット預かりなど)を起業するが、親の介護がきっかけでのちに会社を閉鎖。 |
| 45歳 |
団体職員として就職。主に経理を担当。 |
| 57歳 |
副業で婚活支援サービスを始める。 |