さまざまなモノやサービスの値段が上がり、私たちの暮らしはどうなるのか気になるところ。今の日本の経済状況について、経済アナリストの森永康平さんが初歩からレクチャー! 今回は「インフレ」について、改めて学び直し。
そもそも「インフレ」って何?
物価が継続的に上がる状態が「インフレ」。ところが日本は1990年ごろから物価が上がらず、他国よりも平均年収が低い状態で、逆の「デフレ」が30年ほど続いていた。
「100円均一ショップやユニクロ、GUなどのお店がどんどん出てきて、日本はモノを安く買える時代が続きました。本来は経済の成長とともに物価は上がるので、物価が上がらないことは世界的に見ると異常なこと。ところが、日本人は長年物価が安いことに慣れてしまっていました。そのため、ここ最近じわじわと物価が上がりはじめて、驚きを感じるのだと思います」
【最近のインフレの主な理由】
・円安が進み、輸入品の価格がアップ
「海外製品の値段が変わらなくても、円安のときに輸入すると、日本円で支払う金額が高くなります」
・ウクライナ情勢などにより、小麦やエネルギーなどの価格がアップ
「ウクライナ情勢の緊迫化により、小麦や原油の値段が上昇。日本はほぼ輸入に頼っているため影響大です」
・エネルギー価格が上がることで、ほかのさまざまなものにも影響が
「エネルギーは、さまざまな場面で使われるため、一見関係なさそうなものの値段にも反映されます」
最近、物価が上がっていることが気になる人も多いはず。
「モノの値段が継続的に上がる状態を、インフレ(正式にはインフレーション)といいます。逆にモノの値段が継続的に下がる状態はデフレ(正式にはデフレーション)です。最近日本でインフレになっている原因は、円安で輸入品の値段が上がっていることと、エネルギーの価格が上がっていること。原油や天然ガスの値段が上がることで、例えば“イチゴ”の値段も上がります。ビニールハウス栽培のビニールは石油製品で、ビニールハウスの温度を保つボイラーは重油を使い、収穫して市場に運ぶトラックにもガソリンを使います。そうやってさまざまなものの値段に影響が出るのです」
インフレには「いいインフレ」と「悪いインフレ」があるそう。
「いいインフレとは、毎年賃金が上がり、車や洋服など、みんなが欲しいものを買うことで、お店が値下げをしなくてもいい状態。需要が高まり、モノの値段が上がれば、賃金も上がります。一方で、悪いインフレとは、賃金は上がらないのに、戦争や災害など外的な要因で原油や天然ガスの値段が上がり、さらに円安によってモノの値段が上がる状態。日本政府が何か対策を打たないと、悪いインフレはしばらく続きそうです」