老後資金を増やすには、つみたてNISAとiDeCoの両輪で進めていくのがコツ。その理由や具体的に何をすべきか、ファイナンシャルプランナーの藤川太さんがじっくり解説。
ダブルで投資をして老後資金をお得にアップ
世の中にはたくさんの投資方法があるが「老後資金を積み立てて準備するなら、まずは税制優遇のあるiDeCoとつみたNISA(少額投資非課税制度)を組み合わせるのがおすすめ」と藤川さん。
「つみたてNISAは、iDeCoと同じく『利益が出ても約20%の税金がかからないメリット』があります。つみたてNISAは、金融庁が定めた条件を満たした『長期運用に適した低コストの商品』のみがラインナップされていて選びやすいでしょう。最長20年間、年間40万円を限度にコツコツ積み立てていく仕組みで、月100円などの少額からでも投資可能です」
iDeCoだけでなく、つみたてNISAも活用すべき理由は?
「iDeCoは、下記のように税制優遇制度が大きいですが、会社員は、月1万2000円~2万3000円までが上限額で、多くの金額を回せません。そこでつみたてNISAを追加し、月3万3000円ほどを上限に投資を行えば、さらに資産を増やせるでしょう。また所得がある人は、積み立てた金額を全額所得控除できるiDeCoを優先し、専業主婦など、所得控除の恩恵が受けられない人はつみたてNISAを優先するといいと思います。つみたてNISAとiDeCoをそれぞれ上限額まで投資しても、まだ資金に余裕がある人は、証券会社の普通の口座で投資信託を積み立ててもいいですね」
つみたてNISAの年間上限額がアップ?
より投資がしやすい時代に
8月23日の「金融庁が2023年度税制改正要望にNISAの投資上限額を引き上げる要望」というニュースを見た人もいるのでは? 現在のつみたてNISAは年間上限額が40万円だが、今後60万円への引き上げと、さらに非課税で運用できる期間を現在の最長20年から無期限に変えることを検討中。対象商品も、一定の条件を満たした投資信託・ETFだけでなく、株式も追加されることになるかも。これらが決まれば、より多くのお金を期限を気にせずに長く投資できて使い勝手がアップしそう。岸田政権は「資産所得倍増プラン」を進めており、今後の投資関連ニュースに注目したい。
iDeCoとつみたてNISAの比較
| iDeCo | つみたてNISA |
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| 20歳以上~65歳未満 | 加入条件 |
20歳以上 2023年からは18歳以上 |
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年間14万4000円~81万6000円 月額1万2000円~6万8000円 (働き方などにより異なる) |
拠出・投資枠上限 |
年間40万円 月額3万3333円 |
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受け取り終了まで (最長95歳まで) |
非課税で 運用できる期間 |
最長20年 |
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掛け金:全額所得控除可 運用益:非課税 受取時:税控除あり |
税制優遇 | 運用益:非課税 |
| 投資信託、定期預金、保険商品 | 投資商品 |
一定の条件を満たした投資信託、ETF (ETFは一部金融機関のみ) |
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加入時、運用時、受取時に発生 (口座管理手数料、信託報酬など) |
手数料 |
運用時に発生 (信託報酬など) |
| 積立 | 投資方法 |
積立 |
| 原則60歳まではできない | 出金 |
いつでも可能 |
出典/藤川 太『世界一かんたんなNISAとiDeCoの得する教科書』より
iDeCoのポイント
・ 60歳までお金を引き出せない
・ 加入手続きがやや複雑
・ 税制メリットが大きい
つみたてNISAのポイント
・ 投資初心者向け
・ 自由にお金を引き出せる
・ 口座開設が比較的簡単
・ 運用益が非課税になる