アラフィー女性におすすめの本をピックアップ。殺人を犯した者、匿(かくま)う者…と、視点を切り替えながら日本社会の問題を浮き彫りにしていくミステリー小説『夜の道標(どうひょう)』ほか、人生をテーマにしたエッセー集『そして誰もゆとらなくなった』など、今読みたい一冊をご紹介。
作家生活10年目に爆誕! 心突き刺すミステリー
『夜の道標』
芦沢 央
中央公論新社 ¥1,815
父親に当たり屋をさせられている小学生の波留。学習支援塾の戸川を殺害した犯人を追う刑事。戸川を殺してしまった元教え子の阿久津。自首しようとしていた阿久津を地下室に匿い続ける総菜屋パートの豊子……。視点を切り替えながら進む物語は、日本社会に潜むさまざまな問題を浮き彫りにし、あまりに過酷でせつないが、優しさにあふれてもいる。おなかをすかせ愛に飢えた少年と発達障害のある殺人犯がひそかに育む友情に涙、涙。登場人物たちの幸せを祈らずにいられない。
クヨクヨが吹き飛ぶ爆笑エッセー集
『そして誰もゆとらなくなった』
朝井リョウ
文藝春秋 ¥1,540
〈わんぱくな便意〉に翻弄されトイレを求めて夜の銀座をすり足で高速移動したり、ホールケーキを19日間で5個平らげ脂質異常症になったり。直木賞作家が卓越した表現力を駆使して描くトホホ体験に、おなかの皮がよじれまくり。吹き出すたび、悩みや疲れも飛んでいきそう。
人生を豊かにする「歩き旅」のススメ
『歩き旅の愉しみ』
ダヴィッド・ル・ブルトン 広野和美/訳
草思社 ¥2,200
自然の中を数時間(時には数カ月)歩くことが、どれほど心を癒し、自己との対話に役立ち、日常を豊かにしてくれるか。フランスの社会学者が古今東西の知識人たちの言葉を引用しながら、歩き旅の魅力を深掘りしていく。コロナ禍でもできる「小さな旅」から始めてみない?
おかんvs.ダメ息子のラップバトルが痛快!
『レペゼン母』
宇野 碧
講談社 ¥1,540
失踪中の息子が借金を重ねたあげく、大麻所持で逮捕! 64歳の明子はバカ息子を猛省させようと、彼が出場するMCバトル大会に申し込む。即興のラップでディスり合うことで、ふたりは何に気づくのか……。人間関係の核となる大切なものが見えてくる、期待の新人のデビュー作。