人生100年時代といわれるようになり、私たちが現時点で思う以上に、残りの人生は長くなりそう。50代で住まいを見直す場合、フルリノベーションを検討しているなら、まずは全体の流れを簡単にインプットしておくことも大切だ。インテリアデザイナーの行正り香さんが手がけたO邸のリノベーション例を参考に解説する。
予算配分を考える
限りある予算の中でどこにお金をかけるか? リノベーションでは予算配分が重要な課題。行正さんは大きな面積を占め、部屋の印象を左右し、あとから替えるのが大変な壁や床にお金をかけることをおすすめしているそう。O邸の場合は壁や家具に予算をかけ、そのぶん、天井高はそのまま、建具や洗面台、下足入れは既存のものに色や加工を施して再利用。ユニットバスはリーズナブルなものを選び色でセンスよく見せるなどして、メリハリをつけた。
リサーチ(アイデアの収集)
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コンセプトの明確化(変えたいことと予算)
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デザイナー・施工会社選定(設計事務所、工務店など)
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プラン相談(見積もりと契約)
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プラン確定(設計と許可申請)
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解体
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電気(配線)工事
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大工仕事(天井・壁・床の施工、塗装、造作家具設置等)
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照明器具の設置
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(完成と引き渡し)
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絨毯/ラグ、家具などを設置
絵画などでデコレーション
施工会社・業者を選ぶ
自分の好みが明確になったら、それを再現してくれそうなデザイナー、設計事務所などを3社くらいに絞ってみる。Oさんは、行正さんの自宅を理想とし、依頼したいと決まっていたため最初から1社に絞っていたそう。HPなどで設計事例をよく見て徹底的にリサーチし、可能なら実際に事例を見にいくことも。理想とするイメージは、必ず言葉とビジュアルで伝えること。自分の好みが定まらない場合は、ハウスメーカーなどに依頼しても。
行正さんが手がけたO邸は、3LDKから1LDK+ウォークインクロゼットの間取りにリノベーション。LDKが広く収納も多い空間になった
間取りとレイアウト
どんな暮らしをしたいか?は、間取りに大きく関係してくる。Oさんの場合は、皆で料理ができるアイランドキッチンが希望だったので、キッチンをオープンに。LDKをワンルームにして広さを確保した。行正さんはマンションなどの限られた空間の場合、より広く、明るくするにはどうしたら?と考え、暗くなりがちな玄関にも光を入れる工夫をするそう。年齢を重ねたらホテルのように、寝室も含めた大きなワンルームが使いやすいのでは?とも。
照明・家具の配置を考える
間取りを決めながら、照明や家電を置く位置、配線を決めていくことも大切と行正さん。ある程度家具が決まり、置く位置が決まるとおのずと照明の位置も決まり、配線が定まる。そうすると電気のコード類が表に出ることのない、美しい仕上がりになる。最後に家具や照明の位置を決めるから、配線が露出しがちになるのだ。O邸はまずダイニングテーブルを置く位置を決め、それを基準にダイニングの照明、キッチンの照明の位置を決めていった。
撮影/川上輝明