リノベーションでは短期間に決めることが多い。とりあえず間取りを決めて、あとは完成後に……なんて思っていると残念な仕上がりに。間取りと並行して決めておくと、より美しい仕上がりになるのでぜひチェックして。
教えてくれたのは
照明
行正さんがデザインするうえでこだわるのが照明。せっかく高価な家具を買っても照明で台なしになってしまうことも。照明で大切なのは設置する位置と器具選び。どこに配置し、ダウンライトにするかペンダントにするか、それをあらかじめ決めると仕上がりが美しい。また器具と電球との相性、LEDでもどのタイプを選ぶのかも大切。日ごろからホテルやレストランで心地いいと思う照明を観察してみて。
アートの位置も事前に決め、上にはピンホールライトを選び、照明が当たるように。(上)行正さんのスタジオのキッチン。アイランド上にペンダントランプ、奥のコーナーにテーブルランプを。ペンダントは低めに吊るすのもポイント。
撮影/川上輝明
行正さんのスタジオのキッチン。アイランド上にペンダントランプ、奥のコーナーにテーブルランプを。
撮影/川上輝明
テーブルの位置が決まると照明の位置が決まる
家具
空間に統一感をもたせ、より美しい仕上がりを求めるなら家具も事前に決めておくべき。まずは目ざすインテリアスタイルを定め、それに沿って家具選びを。素材・色・質感をキーカラー、サブカラーと照合しながら決めていく。同時に家具をどこに配置するかも考えると家具が大きすぎるなどの失敗もなく、照明の位置もおのずと決まる。50代からはソファよりも上質なアームチェアがおすすめとも。
家電
せっかく美しい空間が完成したのに家電が見えていたり、配線が露出していたら興ざめ、と行正さん。家電を置く場所も事前に考え、なるべく隠し、配線もむき出しにならないようにしているそう。行正さんは電子レンジなどのキッチン家電は扉の中に隠し、中にコンセントを設置。冷蔵庫も収納扉と同じ扉にする、業者に色を塗ってもらうなど徹底することで、より完成度の高い美しい仕上がりになる。
冷蔵庫の扉を収納扉と同じ材にして仕上げた例。
濯乾燥機を洗面カウンター下に美しく収めた例。
壁
行正さんが大切にしているのが壁の素材感。おすすめは調湿効果などもある自然素材の塗り壁。なかでもエレガントに仕上がる漆喰、スタッコ、土壁がおすすめだとか。自然素材は空気感が違い、光や照明が当たったときの表情や質感もいい。もちろん壁紙や水性ペンキも今は選択肢がとても多く、特に壁紙は施工費を抑えられるメリットも。できるだけ大きなサンプル、もしくは施工例でチェックすべき。
行正さんが好んで用いる塗り壁のうち写真はスタッコで、大理石のようになめらかで、少し光沢感があり、ニュアンスのある美しい表面に仕上がる
床
床は壁と並んで面積が大きく、空間の印象も施工費にも大きく影響する。フローリング、タイル、カーペットと選択肢はあるが、50代以降におすすめはカーペット。足ざわりが柔らかく、腰への負担が少ない。よりふかふか感を出すためには補助材を入れるといい。フローリングなら床暖房にも対応しやすい複合フローリングがおすすめ。床は張り替えず、良質なラグを敷くのも印象を変える手段だ。
行正さん宅LDKの床はカーペット敷き。「畳のような色とデザイン、ふかふかの足ざわりが気に入って」選んだ。玄関はタイル張りに。カーペットのシミや汚れの掃除も、慣れてしまえば簡単だとか