【感性を磨く、金沢旅】魯山人も愛した山代温泉の老舗旅館 「あらや滔々庵(とうとうあん)」

「あらや滔々庵(とうとうあん)」は、前田家歴代の湯番頭として命を受けて以来十八代を数える老舗旅館。湯元ならではの豊富な湯量で、大浴場・露天風呂のほか、客室の半露天風呂でも源泉かけ流しの良質な源泉を味わえる。

800年の歴史とモダンな魅力をあわせもつ、山代温泉屈指の宿

あらや滔々庵(とうとうあん)

刻字看板制作を生業としていた魯山人。 あらやの看板は昔は屋外で使われており、 今はフロントに飾られている

刻字看板制作を生業(なりわい)としていた魯山人。あらやの看板は昔は屋外で使われており、今はフロントに飾られている

暖流と寒流が交わり栄養豊富な加賀沖の中でも、身の入りや質ともに最上とされる橋立漁港で水揚げされたズワイガニ。魯山人作の『志野焼四方皿』に香箱ガニを撮影用に特別に盛っていただいた

暖流と寒流が交わり栄養豊富な加賀沖の中でも、身の入りや質ともに最上とされる橋立漁港で水揚げされたズワイガニ。魯山人作の『志野焼四方皿』に香箱ガニを撮影用に特別に盛っていただいた

1階ロビーに飾られた魯山人作『網代漆額』。「泉質が一番いい」との評判を聞き逗留したという

1階ロビーに飾られた魯山人作『網代漆額(あじろしつがく)』。「泉質が一番いい」との評判を聞き逗留したという

こまやかな気くばりと穏やかな笑顔が素敵な女将の永井朝子さん。ここには格式のあるお宿にふさわしい本物のおもてなしの心がある

こまやかな気くばりと穏やかな笑顔が素敵な女将の永井朝子さん。ここには格式のあるお宿にふさわしい本物のおもてなしの心がある

朝食は永平寺でも使われている山中塗・応量器で。湯豆腐とともに。朝食、夕食ともに食事は個室が用意されている

朝食は永平寺でも使われている山中塗・応量器で。湯豆腐とともに。朝食、夕食ともに食事は個室が用意されている

代々の大聖寺藩主ゆかりの特別室「御陣の間」の二段式の半露天風呂。壁には魯山人好みのタイルを使用

代々の大聖寺藩主ゆかりの特別室「御陣の間」の二段式の半露天風呂。壁には魯山人好みのタイルを使用

伝統を守りながらも進化する魯山人ゆかりの宿で静けさを楽しむ

離れの扉には今注目の現代画家、 眞壁陸二さんの松林図が大胆に描かれている。眞壁さんの作品は露天風呂や個室食事処など、館内に多く飾られている

離れの扉には今注目の現代画家、眞壁陸二さんの松林図が大胆に描かれている。眞壁さんの作品は露天風呂や個室食事処など、館内に多く飾られている

苔むしたスダジイを囲むように建てられた離れ

苔むしたスダジイを囲むように建てられた離れ

離れへと続く渡り廊下。ともる明かりが別世界へと誘ってくれる

離れへと続く渡り廊下。ともる明かりが別世界へと誘ってくれる

寝室はモダンなローベッド。館内には現代アートがさりげなく飾られており、老舗の風格とモダンさのバランスが絶妙

寝室はモダンなローベッド。館内には現代アートがさりげなく飾られており、老舗の風格とモダンさのバランスが絶妙

100年以上たった主室は静かでゆったりとした時間が流れる

100年以上たった主室は静かでゆったりとした時間が流れる

樹齢数百年の杉の木肌を眺めながら入る半露天風呂は唯一無二の存在感

樹齢数百年の杉の木肌を眺めながら入る半露天風呂は唯一無二の存在感

魯山人も愛した静けさと湯が心と体をときほぐしてくれる
三十代の無名芸術家だった魯山人はこの山代の地で旦那衆と山海の珍味を味わいながら、芸術や美食、骨董の話を聞き過ごした。旦那衆が注文して支えた作品が多く残り、そのひとつが『あらや滔々庵』だ。

入口の山代温泉起源にゆかりのある八咫烏(やたがらす)の衝立(ついたて)から始まり、ロビーや廊下には書、器、篆刻(てんこく)などが日常の一部のように自然に置かれている。期間限定にはなるが、実際に魯山人の器でいただける特別なコースもあるという。それ以外にも、九谷焼や山中塗の地元作家の器を中心に、代々伝わる骨董や魯山人の器の写しなど、現代に生きる器をとりそろえ、恵まれた食材を目と舌、両方で楽しませてくれる。

明治天皇御幸行予定の際、釘一本も使わずに数年がかりで造られた離れを2022年に客室にリニューアル。部屋にいながらにして山代温泉の守神・服部神社の裏山の自然を感じることができる。魯山人作の額に「聞楽」(静けさを楽しむ)とあるように、この宿では「静けさ」がなによりの贅沢。心穏やかになると、美しいものもより敏感に響いてくるはず。

Data
石川県加賀市山代温泉18の119
☎0761・77・0010
全17室(露天風呂つき11室、数寄屋風和室・ツインなど)
チェックイン14:00 チェックアウト11:00
JR加賀温泉駅から送迎バス・タクシーで10分

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撮影/長谷川潤 取材・原文/北村美香 本誌編集部 コーディネイト/稲場美和子 ※エクラ2023年2・3月合併号掲載

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