日本の美意識の結晶ともいえる用の美にあふれる作品を生み続ける、須田菁華。華やかなのに、奢りがなく謙虚……そんな可憐な女性のような作品たちが、旅の思い出とともに日常を輝かせてくれるに違いない。
おいしく見せる本物の器。現地でその醍醐味を
九谷焼窯元 須田菁華
人や自然との情緒ある出会い。 この土地は「生きた美術館」
「私ハ先代菁華に教へられた」――魯山人晩年金沢での講演の折に演題としてかかげた書がある。吉野屋の別荘で過ごす間、魯山人はさまざまな人と出会い、人生を変えた地ともいえる。初代・須田菁華に出会い、作陶の手ほどきを受け初めて絵付けをしたのに始まり、焼きものの何たるか、見どころ、勘どころ、味わいどころを教わった。現在の工房には、実際に手にとり購入できる空間もある。
「こだわりすぎず、自由さが大切だと思っています。心に余裕をもたせて、一見むだだと思うこともやってみる。日常の遊び心からなんでも生まれるような気がします」とは当代・須田菁華さん。山中、山代、金沢……と魯山人の足跡をめぐって、私たちもその心とセンスの学びを実感したい。
晩年までたびたび訪れ、旦那衆と交流を深めた魯山人にとって、この地は学びと癒しの故郷
おおらかでのびやかな椿の大鉢。お正月やおもてなしにはもちろんのこと、ただ飾っても絵になる作品
魯山人が初代菁華のもとで制作した器と印。初めて絵付けをした作品が、この鉄線図と赤絵の鉢といわれている
赤絵篆書(てんしょ)『長宜子孫』鉢。福田大観時代の作
色絵鉄仙図鉢
魯山人の柘植印『菁華』、陶印『菁華』、陶印『起遅新』
店内では四代目の作品を実際に手にとって選ぶことができる
魯山人作の看板が今も店の軒先に。雨風にさらされて胡粉がハゲてきたころ、魯山人が「いい色になった」といっていたとか
目利きに人気だという土瓶。 蔓の取っ手の野性味と使い勝手のよさも魅力。
極々小体な香合。お香はもちろんのことピアスなどを入れても。どちらも四代目の作
四代目須田菁華に器の使い方を問うと「なんでもいいんや。自由にその場で自分が思ったものを盛ればいい」
Data
石川県加賀市山代温泉 東山町4
☎︎0761・76・0008
9:00~17:00 不定休