南海電鉄高野線の終着駅である極楽橋から、急峻な山肌をケーブルカーで登ること約5分。標高800mの山上盆地に広がる高野山は、平安時代に、弘法大師空海が修行の道場として開いた真言密教の聖地。まるで空中に浮かぶ宗教都市のようなエキゾチックな雰囲気に、近年は、海外からの観光客に大人気の旅先となっている。
真言密教の聖地。進化を遂げた美しい宿坊で、最上級のリセットを
一乗院(和歌山・高野山)
まるで空中都市。スモールラグジュアリーな宿で安らぐ
南海電鉄高野線の終着駅である極楽橋から、急峻な山肌をケーブルカーで登ること約5分。標高800mの山上盆地に広がる高野山は、平安時代に、弘法大師空海が修行の道場として開いた真言密教の聖地。まるで空中に浮かぶ宗教都市のようなエキゾチックな雰囲気に、近年は、海外からの観光客に大人気の旅先となっている。
高野山には、参拝客の宿泊や勤行(ごんぎょう)、食事のために宿坊を営む塔頭(たっちゅう)寺院が50軒ほどもある。なかでも、手厚いもてなしとおいしい精進料理が味わえることで知られるのが別格本山『一乗院』。
今年1月、これまでの本館10室が大胆に改築され、広くて最新スタイルの4室に生まれ変わった。国産の上質な木材をふんだんに用いた、清廉で心地よい空間づくりは、高野山で11代も続く社寺建築の会社「大彦組」が手がけたもの。伝統的な建築手法とモダンな感覚が巧みに融合した、ラグジュアリーな宿坊に進化した。
宿坊では、早朝の勤行や写経・写仏などの体験にもトライしてみたい。雑念を取り払って、心を静める時間は、自分を見つめ直すよい機会になるはず。真言密教の教えは、現実を肯定し、今を生きることが大切!という気持ちから始まる。文化体験とおいしい精進料理で、すっきりとととのったら、ポジティブな気持ちで山を下りよう!
険しい山々の向こうに、はるか大阪方面を望む。高野山は、20世紀初頭まで女人禁制だった厳しい修行の地。今年は、弘法大師空海生誕1250年という記念すべき年でもある
一乗院は、数多くの塔頭の中でも格の高い別格本山。庭園には、錦鯉がゆったりと泳ぎ、心を和ませてくれる。改築された宿坊4室があるのは、廊下の奥側。従来の部屋も、ゆとりがありプライバシーを保てる造りだ。
上段の間には、仏や菩薩が描かれた曼荼羅画がありじっくりと見ると興味深い。宿坊は、宗教、宗派は関係なく誰でも泊まれる
2階へと上がる階段は、間接照明を巧みに用いた美しいしつらえ。
改築された「藤」の間。庭を眺める6帖の前室、10帖の書院造りの和室と広縁に、さらにベッドルームを備える広さ。以前からあった藤の意匠の欄間を生かしたデザインだ。改築した4室には、贅沢な造りの浴室にヒノキ風呂があり快適
輪島塗の御膳と器で提供される精進料理「特別御膳」の夕食。高野山名物のごま豆腐をはじめとする料理の数々は、素材に肉や魚がなくても大満足。「ミシュランガイド和歌山2022」でミシュランプレートを獲得している
本堂は、凝った彩色の欄間や美しい灯篭が見事。朝は、勤行に参加したい。椅子が用意されているので勤行もラク。
心を落ち着けて臨む写経や写仏は、客室で静かに体験できる。ほかにも、院内では、真言密教ならではの瞑想法である阿字観(あじかん)などを体験することができる
DATA
和歌山県伊都郡高野町高野山606
☎0736・56・2214
料金/¥22,000〜、「藤」は¥74,000〜(2名1室利用の1泊1名料金、夕朝食つき)。全室が1名から利用可能
客室/11室
施設/大浴場
アクセス/南海電鉄難波駅から特急で極楽橋まで約1時間25分、極楽橋からケーブルカーで高野山まで約5分、路線バスで約5分