日本国内では新しいホテルが続々オープン。盛り上がりを見せつつあるディスティネーションから、日本に浸透しつつある 海外ホテルブランドまで。ホテル業界に詳しいスペシャリストと、旅のライターがホテル最新事情について対談。
地方創生やアート。ホテルも多彩な顔に進化
坪田(以下T) 近年、ホテルは泊まるだけではなく、地方の魅力を発信して、ゲストや地元の人とともに地域を盛り上げる場としても機能しています。そういう意味合いからも、行ってみたいのが富山のアートホテル『楽土庵』。北陸が注目されていることもあって、土地の雰囲気に興味がある。最近では、そこにあるアートがホテルを語るといってもいいほど、アートとホテルは切り離せない要素になっています。矢内さんは、HafHを活用してお気に入りの『白井屋ホテル』にリピートしていらっしゃるんですよね?
矢内(以下Y) 白井屋ホテルは、普通に予約するとどのアーティストが手がけた部屋になるかわからないんですよ。この間は、塩田千春さんの部屋だったんですが、真っ赤な糸が張りめぐらされているかと思ったら内部はシックな雰囲気で、「おっ!」と逆にテンションが上がりました。2連泊するのもおすすめです。サウナも本格派だし、杉本博司さんと榊田倫之(さかきだともゆき)さんが手がけた秘密めいたバーもいい。
T 実際に泊まると、客室は北欧っぽい感じもあって、落ち着けますよね。ホテルに関連するアーティストや建築家が、おもしろがりながらいろいろとやっていて、常に進化している印象です。
Y 最近のヒットは『富士スピードウェイホテル』。富士スピードウェイに隣接し富士山ビューも素晴らしいんですが、私の注目は、スパ。日本初上陸のアメリカの高級スパブランド、ISUNが入っていて、なんとこれはヴィーガン対応。プールも広くて快適です。
T 今年も、ホテルは新規開業が続きます。6月開業予定の『ザ・リッツ・カールトン福岡』、夏に開業予定の『紫翠ラグジュアリーコレクションホテル奈良』も注目しています。
Y 9月に開業する『デュシット京都』。日本ではピンとこない人が多いかもしれませんが、これはタイのハイエンドなラグジュアリーホテルブランドなので要チェックです。
T 秋に都内に開業する予定の『ジャヌ東京』も、ホテル好きとしては大注目の新ブランド。アマンの新しい姉妹ブランドです。しばらくは、ホテル旅への興味がつきません。
▼対談で紹介されたホテル
『楽土庵』
農村景観が美しい散居村に’22年秋に開業。築120年の古民家を再生した一日3組限定のアートホテル。館内には、民藝、工芸や現代アートが調和する。茶道の稽古や富山の森の精油を使ったワークショップなど体験プログラムも豊富。
『白井屋ホテル』
創業300年の旅館から再生されたアートホテル。世界有数のクリエイターたちが手がけた客室はそれぞれデザインが異なる。サウナもアート調。レストランは川手寛康シェフ監修、地元出身の片山ひろが腕をふるう「ゴ・エ・ミヨ2023」掲載店。
ⒸShinya Kigure
『富士スピードウェイホテル アンバウンドコレクション by Hyatt』
’22年秋に富士山麓に開業。富士山ビューとサーキットビューの2つの眺望を満喫できる。温泉、プール、ジムの施設も充実。大切な愛車を格納できるヴィラは、大型の愛犬も一緒に宿泊できて、ドッグランも備えている。
『ザ・リッツ・カールトン福岡』
福岡市の中心、天神・大名に新築される高層複合ビル内に、’23年6月開業予定。「博多織」にインスピレーションを得たデザインのロビー、167室の客室やスイート、6つのレストランと2つのバー、スパなどを備える。
『ジャヌ東京』
アマンの姉妹ブランド「Jジャヌanu」の世界初となるホテルが、’23年秋に東京・麻布台ヒルズに誕生予定。122室の客室と7つのレストラン&バーを備え、ウェルネス施設も充実している。