今、タイの首都バンコクで泊まりたいのは、市内を南北に流れるチャオプラヤー川沿いに立つラグジュアリーホテル。リバーサイドでは、大都会バンコクにありながら、喧騒や渋滞とは縁のない優雅でリラックスした滞在が楽しめる。以前から人気のホテルは魅力を増して、新しく登場したホテルは世界的なトレンドの最前線をいく充実ぶり。川沿いのアーバンリゾートに滞在し、ホテル間をボートでホッピングして楽しむのも大人流のバンコクステイだ。
川沿いにたたずむラグジュアリーな隠れ家ホテルThe Siam
チャオプラヤー川に面した「ザ・サイアム」のプール。白と黒のモダンなデザインが光る。川にかかるのは、クルントン橋。
川沿いの1万2000㎡余りの敷地に広がる。桟橋から発着するボートは、ゲスト専用
中庭に面しているプールヴィラ・コートヤード。130㎡の広さでプライベートプールも備わる
タイ好きに愛されるホテルに新しく魅惑のダイニングが誕生
バンコク市内でも歴史的な建造物が多く残る、タイ王宮ゆかりのエリアがデュシット地区。そのチャオプラヤー川沿いに立つ『ザ・サイアム』は、タイの文化と歴史に思いを寄せる旅行者たちに愛されてきた、隠れ家的なラグジュアリーホテルだ。アール・デコに着想を得た建築は、アジア各地でリゾートのデザインを手がける名匠ビル・ベンスリーによるもの。白壁が美しい館内には、価値あるアンティークが随所に配されていて、まるで美術館のような空気感に満ちている。ホテルのオーナーは、国内で数々のホテルを経営するタイ人ファミリー。ここは、歌手やアーティストなどそれぞれにクリエイティブな仕事をもつ一族による作品ともいえるホテルだ。
『ザ・サイアム』には、昨年、新しい魅力が加わった。評判のタイレストランに加え、新しいダイニングとして「The Story House」が、オープン。美しいしつらえの空間で、モダンテイストの各国料理を味わえる。ビル・ベンスリー作のアートを扱うギャラリーやタイシルクの有名ブランド「ジム・トンプソン」のショップもオープンした。
滞在中は、館内をじっくりと探索するだけでも楽しいし、エキゾチックな雰囲気のスパでリラックスするのも素敵。川沿いのプールでくつろぐのも忘れずに。観光地へは、ホテルの専用シャトルボートを活用して、渋滞に巻き込まれることなく、ゆったりクルーズ気分で、水上の移動そのものも楽しんでみたい。
「The Story House」は、それぞれ内装が異なる4つの大きな部屋がつながる造り
代表的なひと皿はポートベローマッシュルームのパンナコッタ
評判の高いタイ料理「Chon Thai Restaurant」は、川沿いに
モダンデザインとアンティークが美しく同居する空間に抱かれて
プレミア ガーデンビュー スイートのベッドルーム。客室の2階にあり開放感たっぷり
白と黒できりりとデザインされたバスルームが素敵
ロビーエリアにある中庭。到着したらウエルカムドリンクをここでどうぞ
桟橋から眺める川沿いのサンセットは絶景
昨年12月、チークウッドのタイ伝統様式の古民家が「コニーズ コテージ」としてオープン。1階はジム・トンプソンの各種アイテムを販売するショップに、2階はビル・ベンスリーのギャラリーになった。ジム・トンプソンの知人でタイ伝統家屋の保存に尽力した女性、コニー・マングスコーにちなんだネーミング
DATA
ザ・サイアム
3/2 Thanon Khao, Vachirapayabal, Dusit, Bangkok 10300 Thailand
☎+66・2206・6999
全38室 US$500〜
施設/ダイニング3、ラウンジ、ライブラリー、ギャラリー、スパ、フィットネスセンター、屋外プール、ショップなど
https://www.thesiamhotel.com
川と溶け合う景観デザインが魅力のアーバンリゾート Four Seasons Hotel Bangkok at Chao Phraya River
ⒸSeet, ken/FourSeasons
チャオプラヤー川に面し、緑に囲まれたインフィニティスタイルの屋外プール。広々としたプールは、まるで棚田のようにも見える
敷地内に200mほども続く川沿いには、洒落たチェアやソファが置かれ、自由にくつろげるスポットに
レセプションから客室へと向かうエリアにあるのが、自然光が射し込む「The Lounge」。朝食から軽食、アフタヌーンティーを楽しめる
空間も、食も、アートも最新トレンドがここに結集
川沿いの再開発地区チャオプラヤー・エステートに、’20年12月に開業したのが『フォーシーズンズホテル バンコク アット チャオプラヤーリバー』。川に面した屋外プールを中心に、水盤や滝、植生の緑が広がり、建物とシームレスに溶け合うような造りは、まさに大都会のオアシス。館内を歩いていても、まるで庭園を散歩しているような気分になる。建築デザインは『フォーシーズンズホテル東京大手町』をも手がけた建築家ジャン・ミシェル=ギャシーが担当。ホテル内はどこも広々としていて、天井が高く、贅沢な空間使いには驚くほど。客室も、川あるいは街の景色を満喫できる大きなピクチャーウインドーを備え、自然光がたっぷりと射し込む心地よさだ。
食の魅力が充実しているのも大きな特徴。ミシュランの星を獲得した広東料理「Yu Ting Yuan」や快適なテラスが人気のイタリア料理「Riva de I Fiume Ristorante」のほか、庭を眺めるブラッスリーやペストリーショップなどもあり、どこもバンコクの食の印象をぐんと引き上げてくれるレベルの高さ。ぜひ足を運びたいのは、バー「BKK Social Club」。内装もカクテルも南米をテーマにした粋な雰囲気で、夜は若きタイ人エグゼクティブがここに集(つど)い、活気がみなぎるタイの“今”を実感できる。館内には、バンコク現代美術館「MOCA」と協力したアートスペースもあり、話題のタイ人アーティストの作品を、無料でいつでも鑑賞できるのも今どきの贅沢だ。
正面エントランスから入ると、8メートルもの天井高の空間に。象が描かれた布を思わせる壁状の巨大オブジェがお出迎え
「BKK Social Club」のカウンター
バタフライピーの花で紫色に仕上げたジンベースのカクテル「アビエーション」
大きな窓から川と市街を一望にできるプレミア リバービュールーム。バスルームも広々として使い勝手がいい。客室はすべて50㎡以上の広さ
エグゼクティブスイートのリビング。室内はレジデンスのような落ち着いた造り
イタリア料理「Riva del Fiume Ristorante」では、モダンテイストのイタリア料理が楽しめる。朝食をテラス席でいただくのもおすすめ
ロビー内にあるレセプション。緋色の壁はチャオプラヤー川に沈む夕日の色から
DATA
フォーシーズンズホテル バンコク アット チャオプラヤーリバー
3/2 300/1 Charoen Krung Road, Sathorn, Bangkok 10120 Thailand
☎+66・2032・0888
全299室 US$600〜
施設/ダイニング8、バー、スパ、フィットネスセンター、屋外プール3、アートギャラリーなど
https://www.fourseasons.com/bangkok/
邸宅に暮らすようにくつろげる最新ホテル Capella Bangkok
座り心地のよい椅子やソファが備わるロビーエリア。ラウンジがいくつも続くような贅沢な造りで、多目的に使える
リバーフロント プレミアの客室。メイン棟にある客室にもテラスにデイベッドが備わり、川からの風を楽しめる
上質でエレガントな客室でゆったり優雅なステイケーション
ミシュラン一ツ星に輝く「Côte」で楽しめるのは、南仏の本店同様、素材を生かした色鮮やかな料理の数々。タイ産ハーブやスパイスもエッセンスとして活用。ワインペアリングも、秀逸
「Côte」の店内からもチャオプラヤー川を眺めることができる
川に面した屋外テラスに、東屋とジャクジーがついたプランジプールが備わる137㎡のベランダスイート。都会にいながらリゾート感たっぷりの滞在ができる
布の小袋に入った石鹸や、ふかふかのジャパニーズスタイルのスリッパ。客室のアメニティ類が大人っぽい趣味のよさで、思わず気分が上がる。2つの星は、カペラ ホテルズ&リゾーツのシンボルマーク
ツインシンクを備えるバスルームもグッドデザイン。広くて、使い心地がよく、バスルームからも川を眺められる
タイ料理「Phra Nakhon」には川沿いのテーブル席もあり、夜はロマンチックさ満点
すべての客室がリバービュー。タイ式ホスピタリティも最上級
やはりチャオプラヤー・エステート内に’20年10月に開業したのが『カペラ バンコク』。世界各地にラグジュアリーホテルを展開する「カペラ ホテルズ&リゾーツ」を代表するプロパティのひとつだ。建築デザインもサービスも、ゲストの一人ひとりを、ていねいに、自邸でくつろいでいるかのようにもてなすことを目的とした高級レジデンシャル調。グレーやベージュを基調にした上質でシックな内装は、趣味がよく、細部にまで配慮が行き届いている。館内各所に飾られた生花も、ふと目がとまる美しさだ。
スイートやヴィラを含む客室は、どれもゆとりがある優雅な造りで、すべてリバービュー。ダイニングでは、南仏「Mirazur」の創業者で、ミシュラン三ツ星を獲得したマウロ・コラグレコが監修した「Côte」が、すでに世界の美食家の話題の的。タイ料理の「Phra Nakhon」やスイーツ&カクテルバー「Stella」でも、洗練されたクリエイティブな食体験を楽しめる。ハイドロテラピープールなどの施設が充実したスパも、ハイレベル。バトラーの役割もこなすカルチュアリストに頼むと、さまざまな文化体験をアレンジしてもらえる。ホテルは、歴史あるチャロンクルン大通りに面し、近くにはローカルな食堂や店も多い。『カペラ バンコク』に宿泊して食やスパを満喫し、歩いて近くに出かけ、川を眺めてゆったり過ごすと、新旧のバンコクの魅力を満喫できる、至福のステイケーションになるはずだ。
DATA
カペラ バンコク
300/2 Charoenkrung Road, Yannawa, Sathorn, Bangkok 10120 Thailand
☎+66・2098・3888
全101室 US$750〜
施設/ダイニング5、バー、スパ、フィットネスセンター、屋外プールなど
https://capellahotels.com/jp/capella-bangkok