『源氏物語』の物語にもたびたび登場し、『枕草子』にも「藤の花は、しなひ長く、色濃く咲きたる、いとめでたし」と古くから愛されている藤の花。奈良・春日大社ではあらゆるところに藤を感じることができる。
春日大社 国宝殿
“平安の正倉院”と称される
宝物(ほうもつ)にも藤モチーフが満載!
春日大社は平安時代に制作された神宝類が数多く残っていることから「平安の正倉院」とも称されている。国宝殿はそれら神宝類をはじめとする国宝354点及び重要文化財1482点やその他多数の文化財を収蔵しており、年3回の特別展のテーマにあわせて随時展示公開している。1階展示室のインスタレーション空間や日本最大級の鼉太鼓(だだいこ)も必見。
春日本(かすがぼん)『春日権現験記』 第二巻
平安から鎌倉時代にいたる春日明神の数々の霊験譚が収録された絵巻物。第二巻には白河上皇が春日御幸されたときの様子が描かれている。場面は藤原氏をはじめとする公卿が東遊(あずまあそび)の舞を奉納するところ。松の樹の枝葉には藤原氏の繁栄を象徴する藤の花が咲いている
重要文化財 『藤花松喰鶴円鏡(とうかまつくいづるえんきょう)』
平安時代から日本人に好まれた松喰鶴文様が施された鏡。松喰鶴に藤の花を合わせた意匠は珍しく、春日社と藤原氏の所縁を感じさせる
藤の開花時季限定(4月初旬から授与予定・初穂料¥1,000)の「藤まもり」が、近年大人気。数量限定で、即在庫切れになるとか。※授与は春日大社本社のみ(国宝殿での授与はない)
国宝 『赤糸威(あかいとおどし)大鎧(竹虎雀飾)』
春日明神へ寄進するために制作・奉納されたと考えられる、きらびやかな飾金物が随所に施された非常に豪華な大鎧。兜の吹返(ふきかえし)部分に藤の花が見られる。日本を代表する鎧の名作で、端午の節句の鎧飾りのモデルともなっている
春日大社 国宝殿
春日大社内
10:00~17:00(入館は16:30まで)
拝観料/一般¥500
春日大社 萬葉植物園
萬葉集に詠まれた草木が歌とともに展示された日本で最も古い萬葉植物園。なかでも必見は「藤の園」。20品種、約200本の藤が植えられ、風光優美な庭園になっている。早咲きの開花から遅咲きが咲き終わるまで約2週間。期間中は混雑するため平日の来園がおすすめ。
むせ返るような花の香りが漂う優雅な“藤の園”でうっとり
一般的な棚造りではなく「立ち木造」というこだわりの形式をとり、藤棚のように見上げずに、目線の位置で花を観賞できる。自然なつくりで、どこか心安らぐ雰囲気に
麝香藤
本紅藤
九尺藤
早咲きのころには、園内に香りを広げる中国の「麝香藤(じゃこうふじ)」や濃いピンク色の「昭和紅藤(しょうわべにふじ)」など、珍しい藤が多く咲く。期間の中旬から長い房の藤や「八重黒龍藤(やえのこくりゅうふじ)」などが咲きはじめる
春日大社 萬葉植物園
春日大社内
9:00~16:30(入園は16:00まで)
拝観料/一般¥500
※開花時期は例年4月中旬から5月初旬まで
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