麗しの酒・シャンパーニュを生み出すのは自然と人間。生産者たちは自らの土地で、日々ブドウと向き合っている。注目したい2つのレコルタン・マニュピラン(ブドウ栽培者兼醸造業者)をご紹介。
Pierre Moncuit ピエール・モンキュイ
シャルドネの優美さを表現する“ブラン・ド・ブラン”の名手
テロワールの個性がキラリ。母から娘につなぐ美しき味
“シャルドネの聖地”として名高いのがコート・デ・ブラン地区。白亜石灰質土壌から生まれるシャルドネ100%の“ブラン・ド・ブラン”は力強くもかぎりなくエレガント。
『ピエール・モンキュイ』はこの地区のル・メニル・シュル・オジェ村に1889年に設立された家族経営の生産者で、先代のニコール・モンキュイさんが造るキュヴェは「知性と透明感に満ちた味」と高い評価を受ける。この味を受け継いだのがひとり娘のヴァレリー・シャルパンティエさんだ。
「この村のシャルドネは、酸味がシャープでミネラル豊か。熟成させてもフレッシュ感があります」と語る。栽培には極力化学薬品を使わず、自然にのっとった造りを実践。
「今の栽培はいわば昔ながらのやり方。
健康なブドウができるよう、ていねいに手入れし、育ててきました」とニコールさん。実直な人柄も反映された味は、優しく心にしみ込んでくる。
母のニコール・モンキュイさん(左)とヴァレリー・シャルパンティエさん。樹齢90年以上のブドウが植えられているシャティヨンの畑にて。畑は南向き
“銘醸畑”シャティヨンの畑のシャルドネのみで造られるブラン・ド・ブラン「ピエール・モンキュイ キュヴェ・ニコル ヴィエイユ・ヴィーニュ 2008」は美しい酸味と厚みのあるミネラル感をもつ。「透明感を出したいので、すべてステンレスタンクで熟成しています」とヴァレリーさん
ワイナリービジットではカーヴの見学も可。熟成を重ねてもフレッシュ感に満ちた味はここならでは。
メゾンは現在改装中。9月末には新しいサロンが完成予定
Data
11 rue Persault Maheu 51190 Le Mesnil-sur-Oger
☎+33・(0)3・26・57・52・65
月~金曜9:00~12:00、14:00~16:30 要予約 試飲€10(1名)
http://www.pierre-moncuit.fr
Virginie Bergeronneau ヴィルジニー・ベルジュロノー
ムニエの美しさを語る“隠れた宝石”
絵画のような風景を眺めつつここにしかない至福の一杯を!
モンターニュ・ド・ランスのヴィル・ドマンジュ村に、ベルジュロノー家がブドウ栽培農家として創業したのは1590年のこと。近年は、エレガントなシャンパーニュの生産者として名声を高めている。特に、樹齢80年というヴィエイユ・ヴィーニュ(古木)のクロ(石垣や塀などで囲われた秀逸な畑)のムニエで造られた「クロ・デ・ベルジュロノー 2012」は品種独特のコクとまろやかさが感じられ、“絶品”のひと言。
「これは父が造ったすばらしいキュヴェ。この品質を守りつつ、私らしい味を出したいと思っています」と12代目のヴィルジニー・ベルジュロノーさん。昨年、両親は引退。弟と畑を受け継ぎ、自らのメゾンを立ち上げた。
「このクロは特別なもの。古木は収穫量が少ないですが、凝縮感のある美しい実をつけてくれます」。ツアーではこの畑の見学も可能。ムニエという品種の奥深い魅力を教えてくれる。
「クロ・デ・ベルジュロノー」。手前が樹齢40年、奥が樹齢80年という特別な畑。ビオロジック栽培と馬耕栽培を行い、蜂の巣箱も置いて生物多様性を実現させている。「エコセール」認証も取得
メゾンはランスから車で30分ほどのヴィル・ドマンジュ村に位置。ここはプルミエ・クリュの村でもある。
ヴィルジニーさんは31歳。科学の学士号を取得後、栽培学を学び、コート・デュ・ローヌなどの有名ドメーヌで研修。この畑の土壌についても詳しく調べ、ブドウとの相性を探究中。これからの若手注目株のひとり
クロで栽培された樹齢80年のムニエ100%で造られた「クロ・デ・ベルジュロノー 2012」。深みがあり、優雅な味。コルクは昔ながらに麻ひもで固定している
Data
22 rue de la Prévôté 51390 Ville-Dommange
☎+33・(0)3・26・49・75・26
訪問は土曜日のみ可。€22~(試飲4種、カーヴ見学)
ムニエのクロのテラスでの試飲は€100
https://champagne-bergeronneau-marion.fr
※URLは両親のメゾンのサイトのまま。ここから予約可
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