旅先でしか出会えない上質な空間と美食を求めるなら、特別な時間を過ごせる名宿へ。旬の食材を活かした極上の料理、静寂に包まれたラグジュアリーな空間、五感で楽しむ至高のひとときが過ごせる宿を厳選してご紹介します。
広島県:ベラビスタ スパ&マリーナ 尾道
海外旅のようなリゾート気分が味わえる。連泊したくなる絶景宿
「母の誕生日に訪れた宿です。大好きな生まれ故郷の瀬戸内の海を満喫でき、とりわけトワイライトタイムは最高です。開放的なラウンジや海が見える客室も素敵で、スタッフのかたがとても親切。おかげで、1泊2日をゆっくり過ごせ、チェックアウトまでホテルから一歩も出ませんでした」(推薦者:ヘア&メイクアップアーティスト 山本浩未さん)
旅先の料理を楽しみにする山本さんは、食事を選べるスタイルもお気に入り。夕食は洋食と和食、鮨の3つのレストランから選択できる。メインダイニング「エレテギア」でいただけるのは美食で名高いスペイン・バスク地方に伝わる薪火料理。岡山の黒毛和牛「岩本牛」やリゾートから2〜3㎞圏内にある農家のとれたて野菜の滋味を薪の火力でじっくり引き出している。和会席処「瀬戸内 双忘」では瀬戸内の旬の味覚が存分に味わえる。「鮨 双忘」(席数限定)はカウンターの奥に広がる絶景もごちそうだ。
美食は翌朝も続き、「こちらの朝食の大ファンなんです。生まれ育った土地にこんなにおいしい食材があるとはびっくり」と山本さん。そして、ぜひ体験してほしいのがスパ!「展望風呂につかって夕日を眺め、母娘で中国整体体験。全身のコリをゆっくり痛くない揉みほぐしでとってもらい、完全リフレッシュできました」。
抜けるような空と海の眺望がすばらしい「ザ・デッキ」。中央に水盤、その左右にソファが配され、ここでスイーツやシャンパンを楽しみながら美しい夕景を堪能したい
岡山県西北部の牧場から届く最低でも30カ月飼育した黒毛和牛。じわっとあふれ出す肉のうま味と甘味に感動
温泉卵の卵黄をからめて味わう「フレッシュキャビアのパスタ」。オリジナルキャビアは季節限定
キッチン内の臨場感を楽しめるシェフズテーブルのような大テーブル。ほかにプールに面したガラス張りのダイニングがある
モダンでいて和のテイストも感じられる客室「ザ・ベラビスタ」。客室のベッドリネンや調度品に備後絣(びんごがすり)を取り入れている
「鮨 双忘」のネタにマグロはなく、地産の白身魚と貝類が中心
「鮨 双忘」の海に臨むカウンター席。カエデも景趣を添える
チイチイイカの胴を燻製したごま塩、足は煮詰めで。シャリは赤酢を加えた江戸前
ヴィンテージ家具でそろえた、海のリゾート気分を味わえるラウンジ。椅子はひとつひとつ異なり、海や旅に関する本や景色を眺めながら思い思いの時間が過ごせる
大浴場の展望風呂でも絶景とここでしか味わいえない優雅なバスタイムを堪能。プライベートエステもあり、山本さんは東洋医学の自然療法に基づく中国整体と漢方足裏マッサージを体験
DATA
☎084・987・1122
広島県尾道市浦崎町大平木1344の2
料金/¥45,360~(※宿泊のみ。サ込)
食事/朝食¥4,950 昼食 洋食¥6,600~ 夕食 和食¥16,500~、洋食¥19,800~、鮨¥22,000~(鮨は8席限定の2部制)
客室/45室(バリアフリールーム1)
IN15:00 OUT12:00
施設/スパ(大浴場、岩盤浴)、ジム、エステサロン、爽健苑(整体サロン)
アクセス/広島空港より車で約1時間、JR福山駅より車で30分。空港、駅より送迎あり
栃木県:ふふ 日光
和洋折衷の華麗なる懐かしさ。日光の歴史と文化に触れる宿
木造建築のメイン棟は、木材を活用して凛とした中にもぬくもりを感じる造り。壁面には栃木県産の大谷石も多く使われている。24室ある客室は、和洋折衷の優雅さはそのままに、すべて異なるデザイン。大浴場のほか、全室に自家源泉の温泉浴室があり、最も広い「ふふラグジュアリープレミアムスイート」では、部屋の3分の1くらいが半露天風呂という贅沢ぶり。「日本料理 節中」では、器や食材にこだわった和洋折衷の美食が楽しめる。オリジナルの紅茶やアメニティ、部屋着など、細部まで“華麗”さをコンセプトにしたしつらえを楽しんで。
140㎡もある「ふふラグジュアリープレミアムスイート」。日本の古典的な意匠を配した気品ある造り。
「ふふラグジュアリープレミアムスイート」の半露天風呂は驚きの広さ。自家源泉のお湯は、肌当たりがよく心地いい。
エントランスでは、梅の花をデザインした照明が出迎える。
クラシック音楽が流れるラウンジ。夕方はシャンパンを含む飲み物が振る舞われる。
ランタンのオブジェが印象的な、スパ棟のエントランス。2階に上がると「ザ・スパ by HARNN」、左手が大浴場
鳳凰が描かれた器で提供されるひと皿。和洋折衷の料理には、アワビ、フォアグラ、キャビアをはじめとする高級食材をふんだんに用いている。
神奈川県:石葉(せきよう)
しつらえの妙と温泉、美食。すべてが心地よい至福の宿
庭の石に木の葉が舞い落ちる。そんな情景に、「さりげないおもてなしの積み重ねが心地よさにつながる」と名づけられた『石葉(せきよう)』。女将の小松民枝さんがわずか3部屋の宿を始めたのが1965年。以来、湯河原を代表する旅館となり、通人、美食好きに愛され続けている。
日暮れになれば、いよいよこの宿のハイライトである夕食。相模湾の幸と箱根近辺の山と里の幸。正統派の日本料理の技を駆使しながら、家庭料理のぬくもりを潜ませ、洗練の味に仕上げている。春なら、突き出しはうすい豆豆腐に、女将手作りの果実酒。シンプルに炭火で焼いた和牛に、希少な花山椒をたっぷり添える。定評のある朝食は食材の質にこだわり、炊きたてのごはんから味噌汁や卵焼き、漬け物にいたるまでていねいな作り。しみじみとした味だ。
「夕食は季節のものを、毎回量も質もバランスよくていねいに作っていらっしゃると感じます。家族の食材の好みにもこまやかに対応してくださり、親世代にはおいしいものを少しずついただけるのがありがたいですね。朝食に出る干物は塩かげんが好きで買って帰るほど」
すべての料理は客室でいただく。熱いものは熱いまま、冷たいものは冷たく。作りたてにこだわり、ごはんはお釜ごと運ぶ。何げない食後のコーヒーもベストな70℃を心がける。すべてがお客さま目線のサービスは、女将直伝。長年育まれてきたおもてなしの心が空間に、料理に、サービスに宿っている。
カツオのたたきを、地酒「丹沢山」の純米吟醸と。神奈川から静岡にかけての地酒を多くそろえている。お造りはガラスに盛り、酒器は井戸徳利と染付の捻文杯で涼感を演出
突き出しは「うすい豆豆腐」。うすい豆の青々しいピュアな味わい。南蛮焼き締めの器に映える
和牛の炭火焼き。希少な花山椒をたっぷり添えて
搾りたてのフルーツジュースが供されたあとで運ばれてくる朝食。炊きたてのごはんは茨城産ミルキークイーン。大アサリとねぎの味噌汁。たらこ、わさび漬け、かまぼこ。優しい甘味の関東風厚焼き玉子。希望すれば、関西風のだし巻きにも。ひりょうずと野菜の炊き物。ほうれん草のおひたし、しらすおろし、アジの干物。素材や形の取り合わせが華やかな和の器使い
「待合」では、アートやインテリア、建築関係の蔵書をめくる楽しみも。「名栗(なぐり)の床が心地よく、しかも冬は床暖房あり。つい時間を忘れてしまいます」と鈴木さん。椅子にはアルパカのブランケットが置かれる
開放的な大浴場。入浴は15時から翌10時半まで。上階の小浴場と男女を夜中12時に入れ替えるのでいずれも楽しめる
離れの「観月庵」は本間10畳、次ノ間の寝室が6畳。本間はテーブルと椅子のしつらえで、椅子は家具作家の般若芳行による石葉オリジナル。床には竹内栖鳳描く蜂の軸が
寝室のマットレスはマニフレックス製で心地いい
小浴場の横には見晴台があり、読書を楽しむこともできる。手前はハンス・ウェグナーのロッキングチェア
DATA
☎0465・62・3808
神奈川県足柄下郡湯河原町宮上749
料金/¥61,750~(サ・入湯税込)
客室/9室(温泉風呂つき4室、温泉風呂つき離れ2室)
IN15:00 OUT12:00
施設/大浴場、小浴場(ともに露天風呂あり)
アクセス/JR湯河原駅より車で約8分
長野県:THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田
自然と美食を味わう森のグラン・オーベルジュ
“森のグラン・オーベルジュ”をコンセプトに、焚(た)き火を囲み、屋外で食事をして、土地の恵みを味わいつくす「ターブル・ナチュール」の趣向や、思い思いの時間を過ごすためのコンシェルジュも充実。フランス料理のメインダイニングのほか、HIRAMATSU HOTELSでは初となるオールデイダイニングも設置している。客室は、ヴィラ9棟と本館28室からなり、すべての客室にテラスと半露天温泉風呂を完備。テラスから続くガーデンにドッグランを設けたドッグヴィラスイートなど、部屋タイプも多彩。自然の中に身を置いて、土地の魅力と美食とを存分に味わえる進化型のオーベルジュだ。
3階と4階に位置する眺望のよい「御代田スイート」。
館内でもすばらしい眺望を誇る5階のオールデイダイニング。テラスでは、高原のさわやかな空気に包まれてのアペリティフや食事も楽しめる。
ヴィラには、ミニキッチンやダイニングテーブルも設置。
森の中でのさまざまな食体験「ターブル・ナチュール」も充実。
浅間山のふもと、6万㎡を超える広大な敷地に、わずか37室を展開。
高原野菜からジビエまで数々の信州産食材を用いた美食を存分に。
長野県北佐久郡御代田町大字塩野375の723
☎0267・31・5680(開業までは平日9:00~18:00)
デラックスツイン ¥58,000
(2名1室利用の1泊1名料金、夕朝食つき)ほか
石川県:あらや滔々庵(とうとうあん)
800年の歴史とモダンな魅力をあわせもつ、山代温泉屈指の宿
「あらや滔々庵(とうとうあん)」は、前田家歴代の湯番頭として命を受けて以来十八代を数える老舗旅館。湯元ならではの豊富な湯量で、大浴場・露天風呂のほか、客室の半露天風呂でも源泉かけ流しの良質な源泉を味わえる。
刻字看板制作を生業(なりわい)としていた魯山人。あらやの看板は昔は屋外で使われており、今はフロントに飾られている
暖流と寒流が交わり栄養豊富な加賀沖の中でも、身の入りや質ともに最上とされる橋立漁港で水揚げされたズワイガニ。魯山人作の『志野焼四方皿』に香箱ガニを撮影用に特別に盛っていただいた
1階ロビーに飾られた魯山人作『網代漆額(あじろしつがく)』。「泉質が一番いい」との評判を聞き逗留したという
こまやかな気くばりと穏やかな笑顔が素敵な女将の永井朝子さん。ここには格式のあるお宿にふさわしい本物のおもてなしの心がある
朝食は永平寺でも使われている山中塗・応量器で。湯豆腐とともに。朝食、夕食ともに食事は個室が用意されている
代々の大聖寺藩主ゆかりの特別室「御陣の間」の二段式の半露天風呂。壁には魯山人好みのタイルを使用
離れの扉には今注目の現代画家、眞壁陸二さんの松林図が大胆に描かれている。眞壁さんの作品は露天風呂や個室食事処など、館内に多く飾られている
苔むしたスダジイを囲むように建てられた離れ
離れへと続く渡り廊下。ともる明かりが別世界へと誘ってくれる
寝室はモダンなローベッド。館内には現代アートがさりげなく飾られており、老舗の風格とモダンさのバランスが絶妙
100年以上たった主室は静かでゆったりとした時間が流れる
樹齢数百年の杉の木肌を眺めながら入る半露天風呂は唯一無二の存在感
魯山人も愛した静けさと湯が心と体をときほぐしてくれる
三十代の無名芸術家だった魯山人はこの山代の地で旦那衆と山海の珍味を味わいながら、芸術や美食、骨董の話を聞き過ごした。旦那衆が注文して支えた作品が多く残り、そのひとつが『あらや滔々庵』だ。
入口の山代温泉起源にゆかりのある八咫烏(やたがらす)の衝立(ついたて)から始まり、ロビーや廊下には書、器、篆刻(てんこく)などが日常の一部のように自然に置かれている。期間限定にはなるが、実際に魯山人の器でいただける特別なコースもあるという。それ以外にも、九谷焼や山中塗の地元作家の器を中心に、代々伝わる骨董や魯山人の器の写しなど、現代に生きる器をとりそろえ、恵まれた食材を目と舌、両方で楽しませてくれる。
明治天皇御幸行予定の際、釘一本も使わずに数年がかりで造られた離れを2022年に客室にリニューアル。部屋にいながらにして山代温泉の守神・服部神社の裏山の自然を感じることができる。魯山人作の額に「聞楽」(静けさを楽しむ)とあるように、この宿では「静けさ」がなによりの贅沢。心穏やかになると、美しいものもより敏感に響いてくるはず。
Data
石川県加賀市山代温泉18の119
☎0761・77・0010
全17室(露天風呂つき11室、数寄屋風和室・ツインなど)
チェックイン14:00 チェックアウト11:00
JR加賀温泉駅から送迎バス・タクシーで10分
沖縄県:One Suite THE GRAND(ワン スイート ザ グランド)
東シナ海の絶景に抱かれるスモールラグジュアリー
古宇利島は、本島北部の本部半島から、橋で渡れる離島。遠浅の美しい海に囲まれ、自然の浜が残る島は、近年、観光地としても人気が高くなった。島で最も優雅で贅沢な滞在をしたいなら、泊まるべきは『One Suite THE GRAND』。館内は、天然素材を用いたナチュラルなテイストでまとめられた、大人が安らげる上質な空間だ。22室ある客室は、すべてがオーシャンビュー。テラスやビューバスなどでは、自然を身近にリラックスできる。ガルニエ・チボーのバスローブや自分好みで作るバスソルトなど、部屋で快適に過ごすための多くのディテールも、ホテル好きの心の琴線に触れるはず。
滞在の大きな楽しみは、レストラン「La BOMBANCE 古宇利島」での食事。東京・西麻布の創作和食「La BOMBANCE」の料理長が監修する和食は、沖縄産素材を多く用い、見た目に麗しくほっと満たされるおいしさだ。美食にこだわるリピーターが多いのにも納得がいく。夜は、泣けるほどに星空が美しい。
海からの風が心地よく吹き抜けるプールサイドでは、空と海、そしてプールの青に身も心もゆだねてお昼寝したい。午後のハッピーアワーには、シャンパーニュもフリーフローで
最上級の「オーシャンビュー パノラマ スイート」。一面ガラス張りの広いリビングとテラスには屋外ジャクジーも備わる。記念日には特別なおもてなしも。4人まで宿泊できる客室
テラス部分にジャクジーを備える「プレミアオーシャンビュー」は3室のみ。直接インフィニティプールにアクセスできるので、プールとジャクジーとをたっぷりと満喫できる
水着などを持ち歩くのに便利な麻布製の袋バッグは持ち帰りもOK
ショップでは、沖縄の焼きもの「やちむん」も販売。山上學氏作の皿(下¥3,300)やエドメ陶房作の皿(上¥3,080)などはおみやげにしたい
美しい夕日を眺められる開放的なレストラン。宿泊者はディナーと朝食をここで
田芋から作る「ドゥルワカシー」を揚げ、フォアグラを合わせたひと皿。長命草のあんは、上品な島風味
朝食は和洋からセレクト。和食の技術に基づくていねいな仕事は、朝食にも生かされている
古宇利島へは、ターコイズブルーの遠浅の海を眺めながら、古宇利大橋を渡っていく
Data
沖縄県国頭郡今帰仁村古宇利2451
☎0980・51・5770
全22室 ¥124,686~(2名1室利用の1泊料金、2食つき、夕食ドリンクやルームサービスドリンクフリーフローなどオールインクルーシブ)※宿泊は中学生以上
IN15:00~19:00、OUT11:00
那覇空港より車で約100分
onesuite.thegrand.jp/