新鮮な海や山の幸に恵まれ、総合芸術でもある料亭のもてなしや茶道も盛んな金沢。今、訪れるなら、伝統ある食文化を無理なく現代に昇華した、端正で軽やかな和食の店がいい! おすすめしたいのは、懐石仕立ての“小さい煮物”を主とする和食の店『竹千代』。
竹千代
地元の食通もひいきにする『竹千代』は、懐石仕立ての“小さい煮物” を主とする和食の店。味わい深い新竪町商店街に’25年4月移転。店主の竹内裕雄さんがひとりで切り盛りするスタイルはそのままに、以前より広くなり個室も設置。
まず始まりの胡麻豆腐がぐっと心をつかむ。これ以上は不可能なほどのなめらかな口当たりが五臓六腑にしみわたる。自家製こんにゃくの煮物やニシンと新じゃがの炊き合わせは、食材別にだしを選ぶ。カニそのものをダイレクトにいただく香箱ガニの美しさからは、この店の誠実さが伝わる。
絶品胡麻豆腐。店主は「特別なことはしていません」と事もなげ
右のこんにゃくはベストな食感のために、いもをサイズから吟味
11月初旬〜12月末限定の香箱ガニ。内子外子とみそとともに。細い脚は押しつぶして身を出す方法が多いが、この店では一本一本抜き身する。
お任せコースのみ。煮物のほかお造り、椀物、胡麻豆腐、季節の土鍋ごはんなど10品ほどで¥
13,200(香箱ガニは別料金)
金沢の匠による畳カウンター。日本酒は店主の地元、加賀・山中温泉の松浦酒造「獅子の里」一択。魯山人を生んだ金沢の文化人、細野燕台ゆかりの器など趣味のよさがうかがえる
Data
石川県金沢市新竪町3の15
☎076・262・3557
18:00〜 要予約
不定休