素材は上質で、手間は最小限。ちょっと贅沢なものを、少しだけいただく「大人のごちそう鍋」。ご飯もお酒も進む韓国鍋は、家族で囲む食卓や、気の置けない友人を招いた日にもぴったり。
教えてくれたのは
料理研究家 重信初江さん
「韓国は汁物文化で“汁”をつまみにお酒を飲む人も多いほど。日本の鍋との違いは、どれもしっかり煮込むこと。いろいろな具材が渾然一体となったおいしさをよしとするんです。韓国鍋のおもしろさは味変。洗ったキムチを入れたり、タレの配合を途中で変えたり。ひとつの鍋を飽きずに食べる工夫があります」。
カムジャタン
「ボリュームある豚スペアリブと、じゃがいもを丸ごと煮込んだ辛めの鍋です。韓国産粉とうがらしは日本のものよりはずっとマイルドなので、この量でも大丈夫。現地感ある味わいに仕上げる秘訣は、ほのかに香ばしいエゴマ油と仕上げに大きくちぎって加え、香りを立たせるエゴマの葉です」
材料(2~3人分)
豚スペアリブ…8本(800g)
じゃがいも…小4個(350g)
玉ねぎ…1/2個
長ねぎ…1本
にんにく…4〜5片
エゴマの葉…10 枚
●A
韓国焼酎(なければ酒)…1/3カップ
黒粒こしょう…15〜20粒
ローリエ…1 枚
●B
韓国産粉とうがらし(粗挽き)…大さじ1〜2
みりん、しょうゆ…各大さじ1と1/2
エゴマ油(なければごま油)…大さじ1
にんにくのすりおろし、味噌…各大さじ1
塩…小さじ1/4
下準備:スペアリブはたっぷりの水に1時間ほどつけ、血抜きする。
\ 韓国料理にはこれ /
「韓国の人は健康志向が強く、甘味をオリゴ糖でつけるのが好き。やや多めの砂糖で代用できます。また、とうがらしは韓国産のものを。穏やかな辛味でうま味も強いんです」
作り方
❶玉ねぎは半分に切る。長ねぎはぶつ切りにする。にんにくは半分に切る。
❷鍋に5〜6カップの水を入れて沸かす。血抜きしたスペアリブを水気をきって入れ、5分ほど下ゆでし、ザルに上げて水洗いする。
❸再び鍋に新たに水6カップを入れ、Aと①を入れて中火にかける。煮立ったら②を加え、ふたなしで弱めの中火で40〜50分煮る。途中、気になるようならアクを取り除く。
❹③のスペアリブを取り出し、煮汁を漉こす。4カップ分の煮汁を鍋に戻す(足りなければ水を足して4カップにする)。
❺④の煮汁にスペアリブを戻し入れて中火にかけ、混ぜ合わせたBを溶き入れる。皮をむいたじゃがいもを加え、じゃがいもが軟らかくなるまで15〜20分煮る。味をみて、足りなければ塩(分量外)でととのえる。仕上げにザク切りにしたエゴマの葉をのせる。
現地感ある締めなら、インスタント麵で決まり
「韓国人はインスタントラーメンが大好き。もちろん鍋の締めにも登場します。こちらの麵は鍋に直接入れてものびにくく、汁となじんでもちっとした食感が味わえますよ」
ナッコプセ
「新鮮な海の幸と牛モツを合わせて煮込む、韓国・釜山の人気鍋。“ナッ”は手長ダコ、“コプ”はコプチャン(牛の小腸)、“セ”はエビです。現地の人はこの鍋を、ごはんにのせて食べるのが大好きなんです」
材料(2〜3人分)
タコ足(刺身用ゆでダコ)…200g
エビ…大4〜5尾(約200g)
牛モツ(モツ鍋用白モツ)…200g
韓国春雨…60g
長ねぎ…1本
玉ねぎ…1個
キャベツ…150g
●ヤンニョム
韓国産粉とうがらし(粗挽き)…大さじ3〜4
にんにくのすりおろし、しょうゆ…各大さじ2
オリゴ糖、ナンプラー…各大さじ1
こしょう…少々
作り方
❶韓国春雨はたっぷりの水に30分ほどつけて軟らかくし、ザルに上げて水気をきって食べやすく切る。
❷長ねぎはみじん切り大さじ2を作り、ヤンニョムの材料と混ぜ合わせる。残りは幅1cmの小口切りにする。玉ねぎとキャベツは1.5cm角に切る。
❸タコは小さめの乱切りに、エビは殻をむいて背わたを取り除いてぶつ切りに、モツは大きければひと口大に切る。
❹鍋に①、②の玉ねぎ、キャベツ、小口切りにした長ねぎ、③を彩りよく盛る。②のヤンニョム3/4量を中央にのせる。鍋のフチから水1と1/2カップを注ぐ。
❺④を中火にかける。ヤンニョムをくずして煮込み、火の通ったものから味わう。野菜の水分で味が薄くなってきたら残ったヤンニョムで味を調節する。
煮込む前の美しさを愛でるのも恒例です
「煮込むと“ひとつの色”になってしまうから、韓国料理店ではよく、“火にかける前の鍋”を披露してくれます。ヤンニョムは1週間ほど冷蔵保存できるので、作りおき推奨」
タッカンマリ
「タッカンマリは、韓国語で“鶏一羽”の意味。丸鶏とほっくり甘いじゃがいもなどを、ヤンニョムをベースにしたタレで楽しみます。シンプルに味わったあとは、さっと水洗いしたあっさりキムチを加えて、味変してどうぞ」
材料(2〜3人分)
丸鶏(内臓などを取り除いた処理ずみのもの)…1羽(1.5kg前後)
じゃがいも…大2個
長ねぎ…1本
にんにく…2〜3片
トッポキ…150g
白菜キムチ…適量(200gほど)
●A
水…2L
韓国焼酎(なければ酒)…1/2カップ
塩…大さじ1/2
●ヤンニョム
韓国産粉とうがらし(粗挽き)…大さじ3〜4
にんにくのすりおろし、しょうゆ…各大さじ2
オリゴ糖、ナンプラー…各大さじ1
こしょう…少々
アメリカンマスタード、しょうゆ、酢…各適量
作り方
❶長ねぎはみじん切り大さじ2を作り、ヤンニョムの材料と混ぜ合わせる。残りは縦半分に切り、4cm幅に切る。
❷じゃがいもは皮をむき、1.5cm幅の輪切りにする。にんにくは半分に切る。トッポキ、キムチはそれぞれ水でさっと洗って水気をきる。
❸丸鶏は表面、おなかの中の水気をペーパータオルでふき取る。大鍋にたっぷりの湯を沸かして3〜4分ほどゆで、取り出して水で洗う。
❹空になった鍋にAを入れ、強火にかけて煮立てる。③の丸鶏と②のにんにくを入れ、弱めの中火で30分ほど煮る(この時点でゆで汁の表面から丸鶏が出るようであれば、縦半分に切って煮る)。②のじゃがいもをすき間に入れるように加えて3〜4分、トッポキと①の4cm幅に切った長ねぎの半量を入れてさらに4〜5分煮る。
❺丸鶏は、キッチンバサミで縦半分に切ってから食べやすくバラす。それぞれの碗にヤンニョムとマスタード、しょうゆ、酢を適量混ぜてタレを作り、具材をつけて食べる。途中、②のキムチや残りのトッポキ、長ねぎを加え、味を変えながら楽しむ。
自分好みのタレを作って楽しむ
そのまま食べても、ヤンニョム、しょうゆ、酢、マスタードを好みで混ぜ合わせたタレをつけても。「マスタードは、左のタイプのアメリカンマスタードを使うのが現地流」。