素材は上質で、手間は最小限。ちょっと贅沢なものを、少しだけいただく。家ごはんならではの自由なレシピを、大人の本当の贅沢を知っている料理店の店主や料理家に、教わった。
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神楽坂『石かわ』店主 石川秀樹さん
「わが家にお客さまをお招きしたときの鍋をご紹介しましょう。牛肉や蛤の鍋は、肉や貝を楽しんだ後、そのうま味を野菜にまとわせるのがコツ。酒粕の鍋は私の故郷・新潟の味。どれも素材の味を満喫できるようシンプルな仕立てです」。
牛肉と香り野菜のしゃぶしゃぶ
だしは上品で洗練された万能合わせだし“八方地”で。さわやかな酸味の“酢じょうゆ”で味変を。
「厚め(すき焼き用くらい)の上質な牛肉を用意すれば、食べ応えがあり、充足の食後感に。野菜は全部そろえなくても、あるもの数種類でも。同じサイズに切れば、見た目も美しく食べやすいです」
材料(2人分)
牛肉(薄切り)…300〜400g
●八方地
だし…600mL
薄口しょうゆ…大さじ1強
みりん…小さじ2弱
酒…小さじ2
塩…2つまみ
●香り野菜
せり(根つき)…適量
長ねぎ…適量
みょうが…適量
ごぼう…適量
三つ葉…適量
牛肉は脂身の少ない赤身がおすすめ
厚みのある牛肉に、野菜はたっぷり、追い野菜も用意して。せりだけ、ごぼうだけといった超シンプル仕立てにしてもよい。せりは根つきのものをぜひ! 味変に柚子こしょうもおすすめ。
作り方
❶せり、三つ葉は5㎝ほどの長さに、長ねぎは斜め薄切りに、みょうがは縦に切ってから斜め薄切りに、ごぼうはささがきにして水にさらし、水気をきる。
❷八方地の材料を鍋に合わせ、強火で沸かす。
❸火を弱め、牛肉と香り野菜をしゃぶしゃぶしていただく。そのままでも、味変に酢じょうゆでも。
Memo
八方地のかわりに、「いったつみとらどう」の「万能極み出汁」を使用してもよい。
味変は「酢じょうゆ」で
しょうゆ、みりん…各20mL
酢…15mL
柚子の皮のすりおろし…適量
タラと白子の酒粕鍋
新潟では、酒粕+白身魚の組み合わせが定番。
「酒粕を溶き入れ、素材に火が入ったら火を止めてしばらくおくのがおいしく仕上げるこつです。素材と酒粕がなじんで味に深みが生まれます」。
寒さ厳しい夜、酒粕の鍋で体を温めつつ一献を。
材料(2〜3人分)
タラ…2 切れ
白子…200g
かぶ…2 個
だし…130mL
酒粕…60g
塩…2つまみ
柚子…適量
作り方
❶タラはひと口大に切る。白子は水で洗い、すじを取り除く。かぶは皮をむき、食べやすい大きさのくし形に切る。
❷鍋にだしを入れて沸かし、酒粕を溶き入れる。塩を加える。
❸①を入れ、具材に火が通ったら火を止めて、しばらくおいておく。食べるときに温め直し、柚子の皮の細切りを散らす。好みで七味とうがらしをふっても。
Memo
隠し味として、酒粕を溶くときに白味噌、田舎味噌などを少し加えるのもおすすめ。
蛤の鍋
この鍋の食べ方の極意は「蛤の殻がパカンと開いたら間髪入れずにすくって食べます」。
ひとり20個くらいは食べられるとか。蛤だけを楽しんだあと、貝のうま味が溶け出しただしで軟らかく煮た白菜をどうぞ。
材料(2〜3人分)
蛤…40〜60個
昆布…5×5cm 1〜2枚
白菜…適量
作り方
鍋に水適量と昆布を入れて沸かし、蛤を3〜4個ずつ入れて、殻が開いたらスープごといただく。蛤を全部食べ終わったら、スープの味をみて、足りなければ塩(材料外)を加えて調整する。食べやすく切った白菜を入れ、火が通ったらスープと一緒にいただく。
Memo
締めのおすすめはラーメン、卵雑炊など。
用意するのは、蛤と白菜だけ
蛤は小粒のほうがおいしい。鍋に入れ、殻が開いたらすぐに食べること。まずは蛤だけ食べてしまい、そのスープと白菜をくたくたになるまで煮てゆっくり楽しむ。
東京都新宿区神楽坂5の37高村ビル 1F ☎03・5225・0173
『松濤 爛缶(らんぷ)』店主 柿木信浩さん
「お酒と楽しむ冬の鍋を考えました。豚肉にはロゼワインがとてもよく合い、日本酒は魚の産地のものを選ぶと失敗しません」
イベリコ豚ときのこのとろろ鍋
イベリコ豚ときのこの深いうま味を楽しむ鍋。
「きのこは2〜3種類を取り合わせれば、より味わい深くなります。プラムや梅の風味が漂うナチュラル系ロゼワインの甘やかな酸味はきのこのうま味が溶け込んだだしに、よく合います」
材料(2人分)
イベリコ豚の薄切り 肩ロース、バラ肉…各100g
ほうれん草…2株
白髪ねぎ…2本分
きのこ(好みのもの)…両手2 杯分くらい
(写真は舞茸1パック、しめじ1パック、生なめこ1パック)
長いも(すりおろし)…300g
●A
だし…600mL
みりん…50mL
薄口しょうゆ…50mL
柚子の皮のすりおろし…1 個分
一味とうがらし…適量
作り方
❶Aときのこを鍋に入れて強火にかける。沸いたら食べやすく切ったほうれん草を加え、長いもを入れる。
❷長いもに柚子の皮のすりおろし、一味とうがらしをふる。
❸豚肉と白髪ねぎを一緒にしゃぶしゃぶし、長いもとろろとからめていただく。
Memo
長いものすりおろしは火入れしすぎると固まってしまうので、さっと火入れすること。
ごまとしょうがのぶりしゃぶ
ごまはすりたてを、しょうがは最後に加えて。濃厚なぶりは万能薬味でさっぱりと。
「魚にはその産地のお酒がぴったり合います。おすすめの日本酒はぶりの名産地である佐渡島で生まれた加藤酒造店の『金鶴 風和』」
材料(2人分)
ぶり(刺身用)…1さく
かぶ…2 個
白菜…1/4個
ざる豆腐…1パック
だし…700mL
酒…50mL
みりん…50mL
薄口しょうゆ…50mL
白ごまペースト…50g
しょうが(すりおろし)…好みの量
すり白ごま…大さじ2
作り方
❶ぶりは薄切りにし、塩(材料外)をふって10分ほどおき、水分をキッチンペーパーでふく。かぶの皮をむき、5㎜ほどの薄切りにする。
❷だし、酒、みりん、薄口しょうゆを鍋に入れ、強火にかける。沸いたら弱火にし、白ごまペーストを溶き入れ、すりごまとしょうがを加える。
❸火を強めて②を沸かし、ぶりとかぶを一緒にしゃぶしゃぶしていただく。万能薬味といただいても。
❹ぶりのうま味がだしに移ったら、細切りにした白菜、レンゲなどでざっくりすくったざる豆腐を入れる。
Memo
だしに加えるしょうがは煮込むと苦味が出るので、最後に加えること。すりごまは市販のものでもいいが、直前にごまをすって加えるといっそう香りがよくなる。
味変は「万能薬味」で
みょうが1パックは縦半分に切り、薄切りに。しょうが1片はせん切りに。貝割れ菜は長さ半分に切る。大葉はせん切りに。すべて一緒に水にさらし、水気をきっておく。
東京都渋谷区松濤2の14の5 1F ☎03・5738・7019
料理研究家 上田淳子さん
「今回は、東西のクラシックを。長く愛される鍋にはやはり、“入るべくして、この具材と組み合わせ”と納得します。とはいえ、うどんすきはここまで豪勢にしなくても十分ですし、ねぎま鍋はもっと削ぎ落とし、マグロとねぎだけというのも粋」
ねぎま鍋
「具材は潔く3種。江戸の粋を楽しむ鍋です。わが家では夫とふたり、『肉ではない気分、でもいい鍋を楽しみたい』ときの鍋として登場。マグロはすじの多い部位のほうが、火を通すととろんとしたおいしさになるのでおすすめです」
材料(2~3人分)
マグロの刺身…300g
長ねぎ(白い部分)…3〜4 本
せり…1束
粉山椒、黒七味など好みの薬味…各適量
●A
かつおだし…3カップ
みりん、しょうゆ…各70mL
砂糖…大さじ1 1/2
作り方
❶長ねぎは4cm幅に切る。せりは食べやすい長さに切る。マグロは2〜3cm角に切る。
❷魚焼きグリルを中火で熱し、①の長ねぎを並べる。ときどき転がしながら、焼き色がつくまで焼く。魚焼きグリルがない場合は、油をひかずにフライパンでこんがりと焼く。
❸鍋にAと②を入れ、中火にかける。沸いたらごく弱火にし、長ねぎが軟らかくなるまで5分ほど煮る。
❹③に①のせりを加え、マグロを食べる分ずつ鍋に入れてさっと火を通す。それぞれ器にとり、粉山椒、黒七味などをふって食べる。
うどんすき
「華やかな、まさに贅をつくした大阪の鍋。焼き穴子や車エビ、蛤などの豪華な具材は、すべておいしいだしを味わうためなんです。主役は、あくまでだし。うどんもだしを楽しむためなので、ふわふわのゆでうどんがおすすめ」
材料(2~3人分)
鶏もも肉…1枚(250g)
焼き穴子…1 尾
車エビ…3〜4尾
蛤(砂抜きしたもの)…3〜4個
白菜…350g(3〜4枚)
ほうれん草…150g
長ねぎ(白い部分)…1 本
しいたけ…4 個
生麩(あれば)…適量
ゆでうどん…2玉
好みの柑橘(すだち、かぼすなど)…適量
かつお昆布だし…1L
みりん、薄口しょうゆ…各90mL
作り方
❶白菜はさっとゆでて、水にとらずそのまま冷ます。粗熱がとれたら軽く絞る。ほうれん草はさっとゆでて水にさらし、長さをそろえて水気をしっかり絞る。根元を切り落とす。
❷巻きす(またはラップ)に白菜を少し重ねながら横向きに並べる。手前にほうれん草を横向きに置き、ほうれん草を芯にしてのり巻きのように巻く(白菜は軸と葉が左右交互になるように置くと、巻いたとき太さが均等になる)。そのまましばらくおいてなじませ、食べやすい幅に切る。
❸長ねぎは3〜4㎝幅の斜め切りにする。しいたけは石づきを切り落とし、かさに十字に包丁を入れる。生麩は食べやすく切る。
❹鶏肉はひと口大に切る。焼き穴子は食べやすく切る。エビは殻の間から竹串などを使って背わたを抜きとる。
❺だしを鍋に入れ、中火にかける。沸いたらみりんと薄口しょうゆを加える。
❻⑤の鍋に②、③を入れて軽く煮る。蛤、④、うどんを加える。火が通ったものから器にとり、好みで柑橘を搾って食べる。
料理研究家 重信初江さん
「韓国は汁物文化で“汁”をつまみにお酒を飲む人も多いほど。日本の鍋との違いは、どれもしっかり煮込むこと。いろいろな具材が渾然一体となったおいしさをよしとするんです。韓国鍋のおもしろさは味変。洗ったキムチを入れたり、タレの配合を途中で変えたり。ひとつの鍋を飽きずに食べる工夫があります」。
カムジャタン
「ボリュームある豚スペアリブと、じゃがいもを丸ごと煮込んだ辛めの鍋です。韓国産粉とうがらしは日本のものよりはずっとマイルドなので、この量でも大丈夫。現地感ある味わいに仕上げる秘訣は、ほのかに香ばしいエゴマ油と仕上げに大きくちぎって加え、香りを立たせるエゴマの葉です」
材料(2~3人分)
豚スペアリブ…8本(800g)
じゃがいも…小4個(350g)
玉ねぎ…1/2個
長ねぎ…1本
にんにく…4〜5片
エゴマの葉…10 枚
●A
韓国焼酎(なければ酒)…1/3カップ
黒粒こしょう…15〜20粒
ローリエ…1 枚
●B
韓国産粉とうがらし(粗挽き)…大さじ1〜2
みりん、しょうゆ…各大さじ1と1/2
エゴマ油(なければごま油)…大さじ1
にんにくのすりおろし、味噌…各大さじ1
塩…小さじ1/4
下準備:スペアリブはたっぷりの水に1時間ほどつけ、血抜きする。
\ 韓国料理にはこれ /
「韓国の人は健康志向が強く、甘味をオリゴ糖でつけるのが好き。やや多めの砂糖で代用できます。また、とうがらしは韓国産のものを。穏やかな辛味でうま味も強いんです」
作り方
❶玉ねぎは半分に切る。長ねぎはぶつ切りにする。にんにくは半分に切る。
❷鍋に5〜6カップの水を入れて沸かす。血抜きしたスペアリブを水気をきって入れ、5分ほど下ゆでし、ザルに上げて水洗いする。
❸再び鍋に新たに水6カップを入れ、Aと①を入れて中火にかける。煮立ったら②を加え、ふたなしで弱めの中火で40〜50分煮る。途中、気になるようならアクを取り除く。
❹③のスペアリブを取り出し、煮汁を漉こす。4カップ分の煮汁を鍋に戻す(足りなければ水を足して4カップにする)。
❺④の煮汁にスペアリブを戻し入れて中火にかけ、混ぜ合わせたBを溶き入れる。皮をむいたじゃがいもを加え、じゃがいもが軟らかくなるまで15〜20分煮る。味をみて、足りなければ塩(分量外)でととのえる。仕上げにザク切りにしたエゴマの葉をのせる。
現地感ある締めなら、インスタント麵で決まり
「韓国人はインスタントラーメンが大好き。もちろん鍋の締めにも登場します。こちらの麵は鍋に直接入れてものびにくく、汁となじんでもちっとした食感が味わえますよ」
ナッコプセ
「新鮮な海の幸と牛モツを合わせて煮込む、韓国・釜山の人気鍋。“ナッ”は手長ダコ、“コプ”はコプチャン(牛の小腸)、“セ”はエビです。現地の人はこの鍋を、ごはんにのせて食べるのが大好きなんです」
材料(2〜3人分)
タコ足(刺身用ゆでダコ)…200g
エビ…大4〜5尾(約200g)
牛モツ(モツ鍋用白モツ)…200g
韓国春雨…60g
長ねぎ…1本
玉ねぎ…1個
キャベツ…150g
●ヤンニョム
韓国産粉とうがらし(粗挽き)…大さじ3〜4
にんにくのすりおろし、しょうゆ…各大さじ2
オリゴ糖、ナンプラー…各大さじ1
こしょう…少々
作り方
❶韓国春雨はたっぷりの水に30分ほどつけて軟らかくし、ザルに上げて水気をきって食べやすく切る。
❷長ねぎはみじん切り大さじ2を作り、ヤンニョムの材料と混ぜ合わせる。残りは幅1cmの小口切りにする。玉ねぎとキャベツは1.5cm角に切る。
❸タコは小さめの乱切りに、エビは殻をむいて背わたを取り除いてぶつ切りに、モツは大きければひと口大に切る。
❹鍋に①、②の玉ねぎ、キャベツ、小口切りにした長ねぎ、③を彩りよく盛る。②のヤンニョム3/4量を中央にのせる。鍋のフチから水1と1/2カップを注ぐ。
❺④を中火にかける。ヤンニョムをくずして煮込み、火の通ったものから味わう。野菜の水分で味が薄くなってきたら残ったヤンニョムで味を調節する。
煮込む前の美しさを愛でるのも恒例です
「煮込むと“ひとつの色”になってしまうから、韓国料理店ではよく、“火にかける前の鍋”を披露してくれます。ヤンニョムは1週間ほど冷蔵保存できるので、作りおき推奨」
タッカンマリ
「タッカンマリは、韓国語で“鶏一羽”の意味。丸鶏とほっくり甘いじゃがいもなどを、ヤンニョムをベースにしたタレで楽しみます。シンプルに味わったあとは、さっと水洗いしたあっさりキムチを加えて、味変してどうぞ」
材料(2〜3人分)
丸鶏(内臓などを取り除いた処理ずみのもの)…1羽(1.5kg前後)
じゃがいも…大2個
長ねぎ…1本
にんにく…2〜3片
トッポキ…150g
白菜キムチ…適量(200gほど)
●A
水…2L
韓国焼酎(なければ酒)…1/2カップ
塩…大さじ1/2
●ヤンニョム
韓国産粉とうがらし(粗挽き)…大さじ3〜4
にんにくのすりおろし、しょうゆ…各大さじ2
オリゴ糖、ナンプラー…各大さじ1
こしょう…少々
アメリカンマスタード、しょうゆ、酢…各適量
作り方
❶長ねぎはみじん切り大さじ2を作り、ヤンニョムの材料と混ぜ合わせる。残りは縦半分に切り、4cm幅に切る。
❷じゃがいもは皮をむき、1.5cm幅の輪切りにする。にんにくは半分に切る。トッポキ、キムチはそれぞれ水でさっと洗って水気をきる。
❸丸鶏は表面、おなかの中の水気をペーパータオルでふき取る。大鍋にたっぷりの湯を沸かして3〜4分ほどゆで、取り出して水で洗う。
❹空になった鍋にAを入れ、強火にかけて煮立てる。③の丸鶏と②のにんにくを入れ、弱めの中火で30分ほど煮る(この時点でゆで汁の表面から丸鶏が出るようであれば、縦半分に切って煮る)。②のじゃがいもをすき間に入れるように加えて3〜4分、トッポキと①の4cm幅に切った長ねぎの半量を入れてさらに4〜5分煮る。
❺丸鶏は、キッチンバサミで縦半分に切ってから食べやすくバラす。それぞれの碗にヤンニョムとマスタード、しょうゆ、酢を適量混ぜてタレを作り、具材をつけて食べる。途中、②のキムチや残りのトッポキ、長ねぎを加え、味を変えながら楽しむ。
自分好みのタレを作って楽しむ
そのまま食べても、ヤンニョム、しょうゆ、酢、マスタードを好みで混ぜ合わせたタレをつけても。「マスタードは、左のタイプのアメリカンマスタードを使うのが現地流」。
料理家 平野由希子さん
「今回は、ワインに合うお鍋2種。しゃぶしゃぶは必ず、ワインを煮立ててからだしを入れて。これはフレンチでも使われる手法で、アルコールを飛ばし、風味を凝縮させます。オイルフォンデュの油は米油を使うとクセがなく、カリッと揚がります」。
赤ワインしゃぶしゃぶ
「赤ワインの華やかな香りとほのかな酸味で、お肉がさっぱり味わえます。スープ用ワインは手ごろなもので十分ですが、煮詰まったらぜひ、食卓にあるとっておきのワインを足してみて。香りが少し変わるだけで、より格別に」
材料(2~3人分)
牛肉(しゃぶしゃぶ用)…300g
クレソン…2束
トレヴィス…4〜6 枚
しいたけ…2〜3個
好みのきのこ(今回は花びらたけ)…適量
九条ねぎ…5〜6本
赤ワイン…1カップ
●A
かつお昆布だし…2カップ
しょうゆ…大さじ1
みりん…大さじ1/2
タイム…2〜3 枝ほど
ローリエ…1 枚
●バルサミコしょうゆ
しょうゆ、バルサミコ酢…各大さじ2
粒マスタード…小さじ2
●オイル塩
塩(フルール・ド・セルなど)…小さじ1
オリーブオイル…大さじ1
ティムールペッパーなどピリッとしたスパイス(好みで)…適量
作り方
❶鍋に赤ワインを入れ、煮立てる。Aを加えて再度煮立てる。
❷クレソンは長さを半分に切る。しいたけは石づきを切り落として軸とかさに分け、かさは半分に切る。軸は縦に割いて①の鍋に加える。好みのきのこは小房に分ける。九条ねぎは食べやすい幅の斜め薄切りにする。
❸バルサミコしょうゆ、オイル塩の材料をそれぞれ合わせる。
❹①のだしに②の具材や牛肉、トレヴィスをさっとくぐらせ、③のタレにつけながら食べる。
佳境に入ったころに、風味に華やかさを添える
今回は途中で、「シャンボール・ミュジニー」を少し足して。「入れた途端、一気に香りが華やかに立ちのぼります。ブルゴーニュのワインは、だしの味わいと相性がいいんです」。
オイルフォンデュ
「わが家で好評のおもてなしメニューのひとつ。お肉は赤身のステーキ肉を2種用意すると豪華に。
油にくぐらせるので、焼くよりしっとりした味わい。素揚げしたブロッコリーはチリチリと香ばしく、いんげんは甘味が強くなり、すごくおいしいんです」
材料(2〜3人分)
牛ステーキ肉(ヒレ、ランプなど)…400g
じゃがいも…2〜3個
マッシュルーム…1パック
さやいんげん…10本
ブロッコリー…1/2株
ゆり根…1 個
ローズマリー…1 枝
●スパイス塩
好みの塩、クミンシード、クミンパウダー、黒こしょう、ボッタルガパウダー、山わさびのすりおろし…各適量
好みの油(米油、オリーブオイルなど)…適量
作り方
❶牛肉はひと口大に切り、室温にもどしておく。
❷じゃがいもは丸ごと蒸すか、ゆでる。熱いうちに皮をむいてひと口大に切る。さやいんげんはヘタを切り落とす。ブロッコリーは小房に分ける。ゆり根は1枚ずつはがす。
❸径が小さく深さのある鍋にローズマリーを入れ、米油など好みの油を鍋の高さ半分程度まで注ぐ。中火にかけて熱し、具材をフォンデュ用フォークに刺して好みのかげんまで揚げる。スパイス塩の材料を適宜組み合わせて、好みの味をつけながら食べる。
※牛肉は低めの温度(120〜150℃)、野菜は中温(160〜170℃)で揚げるとよい。
塩やスパイスで、素材をさまざまに楽しむ
味わいや香りの違うものを少しずつ。「私の場合、お肉はフランスのフルール・ド・セルで味わうのが好き。野菜にはティムールペッパーやボッタルガパウダーもいいですよ」。
料理家 野口真紀さん
「お鍋は具材を絞ると、それぞれのおいしさがきわだちます。わが家の鍋は多くても3種類かな。鴨肉は自宅で薄く美しく切るのはむずかしいので、お肉屋さんにお任せするのがおすすめ。牛スネ肉の煮込みは、牛スジで作ってもとろりとおいしいです」。
鴨ねぎ鍋
「冷凍ものでなく、生の鴨肉が出回る冬。薄切りにした鴨とねぎを、かつお香る鍋つゆにさっとくぐらせ、煮えばなをいただきます。シンプルなだけに、だしで味が決まる鍋。花がつおをたっぷり使い、贅沢にとって」
材料(2~3人分)
鴨ロース肉(ブロックの薄切り)…1ブロック分(300〜400g)
九条ねぎ…3本
粉山椒、柚子こしょうなど(好みで)…適量
●A
かつお昆布だし…4カップ
みりん、酒、しょうゆ…各1/4カップ
作り方
❶九条ねぎは斜め薄切りにする。
❷鍋にAと鴨肉の脂の多い部分(あれば)を入れて煮立てる。ふつふつと沸く程度に火を弱め、①と鴨肉を入れ、さっと火を通して食べる。好みで粉山椒や柚子こしょうを添える。
牛スネ肉、大根、昆布の煮込み鍋
「煮込む時間の長さが、そのままおいしさに。手順はとても簡単なので、ぜひ作ってみてください。ほろっとくずれる、スネ肉の味わいは絶品。そして、べっ甲色に煮上がった大根の味わいと、とろんとろんの昆布のおいしさといったら!」
材料(2〜3人分)
牛スネ肉…400g
大根…1/2本
昆布…30×5㎝ 1枚
●A
かつおだし…4カップ
酒、しょうゆ…各1/3カップ
砂糖…大さじ2
作り方
❶牛肉は4㎝角に切る。大根は2㎝幅の輪切りにし、できれば面取りをする。昆布は4㎝幅程度に切る。
❷鍋に湯を沸かして①の牛肉を入れ、表面の色が変わるまでさっと湯通しする。ザルに上げて水気をきる。
❸鍋にAを入れて煮立てる。②の牛肉と①の昆布を入れてふたをして1時間ほど煮る。大根を加えてさらに1時間ほど煮る。そのまま冷まして味をなじませる。
料亭&割烹の味を、自宅でゆっくりと味わう「豪華取り寄せ鍋」4選
お鍋さえ準備すれば、あとは具材とおだしを入れるだけ! 至れり尽くせりの名店鍋、全国から選りすぐりの4つをご紹介。
『紫野和久傳』京のひめ苞 福かさね
ふぐ、おたふく豆(そら豆)、白味噌と酒粕を合わせたふくさ仕立てのだし。「ふく」にちなむ素材を重ねる、京都の名店の祝い鍋。京都の伝統野菜・聖護院大根や海老いも、金時人参も入って、まろやかに。カラスミ、せり、柚子を合わせた薬味が味を引き締める。
2人前¥16,200
紫野和久傳
●京都府京都市中京区堺町通御池下ル丸木材木町679
☎075・223・3600
https://shop.wakuden.kyoto/shop/c/c1220/
(お届け不可の日、地域あり。詳しくはwebサイトでご確認ください)
『京懐石 美濃吉本店 竹茂楼』 特選うなぎ鍋 すっぽんスープ仕立
うなぎ料理の名店としても名を馳せている京都の料亭・美濃吉本店「竹茂楼」。自慢の鍋は、すっぽんスープ入りのだし、白焼きのうなぎ、うなぎのつみれ。野菜と湯葉、薬味もたっぷり。すっぽん+うなぎのダブルパワーで疲れを吹き飛ばして!
3〜4人前¥21,200
『紀尾井町 福田家』とまとすき焼き
北大路魯山人の薫陶を受けた初代が、彼の考え方と美意識を大切に育んできた料亭のすき焼きのお取り寄せ。凝縮したトマトのうま味たっぷりの割下、和牛の特選サーロイン、湯むきしたトマト、産みたて卵、山菜などを合わせ、贅をつくした取り合わせに。
3〜4人前¥35,640
『じき宮ざわ』クエと車海老の養生鍋
素材の持ち味を引き出した洗練された料理が評判の京都割烹の一品。山椒、しょうが、にんにく、ねぎ、炒り米を加えた白味噌ベースのだし。これに脂ののったクエや車海老、鶏つくね、粟麩、野菜類と具だくさん。締めのうどんはうま味を吸って至福の味わい。
2〜3人前¥23,200
撮影/合田昌弘 宮濱祐美子 馬場わかな 邑口京一郎 木村拓 スタイリスト/朴 玲愛 西崎弥沙 取材・原文/北村美香 福山雅美 石塚晶子 ※エクラ2026年2・3月合併号掲載