次の会食に予約したい店を厳選。今回は、料理人を志したときから洋食ひとすじ、浅草の名店「レストラン大宮」で6年半腕を磨いたシェフの店『洋食 レストラン marronnier(マロニエ)』を紹介。都市とローカルを交差させながら、次代の洋食を紡ぐ洗練された味わいが話題。
『洋食 レストラン marronnier(マロニエ)』
「タンシチュー~マデラソース~」¥4,510。バターでとろみをつけ、つややかに
店の歴史や味の継承に重きを置かれるあまり、イノベーションが起きにくい洋食業態に新星が現る。主は浅草の名店「レストラン大宮」で6年半腕を磨いた、阿久津正輝シェフだ。料理人を志したときから洋食ひとすじで、独立前にフレンチの店でも修業し、肉の火入れやソースに磨きをかけた。
カニクリームコロッケやハンバーグなど、なじみ深い料理がメニューに並ぶが、味わいはノスタルジーを飛び越えてくる。タン・シチューは箸で切り分けられる軟らかさで、マデイラの高貴な甘味の凝縮感がため息もの。
ふんわりと焼かれた卵とビターなデミグラスソースのコントラストにうなるオムライスは、たまらなく赤ワインが欲しくなる。白赤とも、軽め、重めと味わいのバランスを見てそろえられたワインがグラスで楽しめて、価格も明瞭。ボトルのリストには銘醸品も並ぶ。
阿久津シェフの故郷、栃木県の食材がふんだんに使われ、しつらえにも大谷石(おおやいし)を用いるなど、郷土愛もにじむ。伝統の継承と現代の洗練、都市とローカルを交差させながら、次代の洋食が紡がれる。
宇都宮市「卵明舎」の卵を生かした「磨宝卵のオムライス」。写真は7,700円のコースで供されるミニサイズ。フルポーションはアラカルトで¥2,420。野菜の食感を残したチキンライスにも洗練を感じる
「栃木県産 有機野菜のサラダ」¥2,200。季節の野菜約10種をたっぷりと。根菜のチップス(素揚げ)もアクセント
修業先のフレンチ、自由が丘「プティ マルシェ」が閉店する際に譲り受けたメニューブック。絵は森鴎外の孫で英文学者の森常治の作
阿久津シェフ。テレビドラマに影響を受け洋食の料理人を目ざした
東京都港区白金5の6の2 2F-B区画
☎︎03・6450・2606
11:30~13:30LO、17:00 ~ 21:00LO
定休日:水・木曜の昼(ほか不定休あり)
アラカルト中心(アミューズ¥550)、コース¥7,700、¥9,900
夜はサービス料別途5%
合わせて読みたい
photography:Jun Hasegawa text:Kei Sasaki ※エクラ2026年2・3月合併号掲載