シンプルな鍋も、スパイシーな辛味やさわやかな香りなどで目新しい味わいに! 和だしをベースに、スパイス、香草や薬味を効かせた“香り豊かな、和み鍋”のレシピを料理家・冷水希三子さんがご提案。
香り豊かな、和み鍋
香草やスパイス、和の薬味使いに、目からウロコのアイデアが満載。「シンプルな鍋も、スパイシーな辛味やさわやかな香りなどで目新しい味わいに。最後のスープまでおいしくいただけることを心がけています」(冷水さん)。冷水さんのセルフスタイリングでご紹介。
【冷水さんの鍋THEORY1】ハーブやスパイスで味や香りにメリハリを
なんでもない鍋ほど、ハーブやスパイスで香りや辛味を加えると新しい味わいになる。慣れないうちは、複数のハーブやスパイスを合わせて使うのがおすすめ。カレーと同じで全体にバランスがとれて、メリハリもつく。
【冷水さんの鍋THEORY2】鍋中の味はシンプルにして辛味ダレや香りオイルで味わう
鍋自体に濃い味をつけると、食べすすむうちにだんだん辛くなってくることも。鍋中は控えめな味つけにして、辛味ダレや香りオイルをつけて食べると、好みの味にできるし、食べ飽きない。
【冷水さんの鍋THEORY3】少ない材料とていねいな下処理で最後のスープまでおいしく
材料の数は最小限にすることも可能。そのほうが素材のうま味がきわだつ。少ない材料のときは、下処理をていねいにするのがコツ。アクや雑味をきちんととると、澄んだスープになって味わいがよくなる。
鶏団子のおろしれんこん鍋
とろりとしたすりおろしれんこんに、柚子の香りがたって、体が芯まで温まる。ふわっとした鶏団子も優しい味わい。
【材料(2~3人分)】
鶏ひき肉..................300g
れんこん..................200g
長ねぎ....................15㎝
A
パン粉....................20g
牛乳......................大さじ4
塩.........................3g
しょうが汁、酒........各大さじ2
B
だし......................1ℓ
酒.........................50㎖
みりん...................大さじ2
塩.........................小さじ2/3
柚子の皮.................適量
【作り方】
1.長ねぎはみじん切りにする。Aは合わせておく。
2.ボウルに鶏ひき肉と塩を入れて練り、しょうが汁と酒を加えてさらに練り、1の長ねぎ、Aを加えて混ぜる。直径2〜3㎝に丸め、沸騰した湯で表面が白くな
るまで下ゆでする。
3.鍋にBを入れて温め、②を入れて10分ほど煮る。
4.れんこんは皮をむいてすりおろし、3に加えて3 〜4分煮る。仕上げに柚子の皮をすりおろして散らす。
【親奉行ポイント】
すりおろしたれんこんは、混ぜながら加えていくのがコツ。混ぜないとかたまりのまま加熱されて、ダマになってしまう。煮汁に加えるタイミングは、沸騰する直前に。
カリフラワーのチーズ蒸し鍋
ふたを開けた瞬間、わあっと歓声が上がる。甘味たっぷりのカリフラワーにとろけるチーズ。あつあつの瞬間を逃さず味わいたい。
【材料(2~3人分)】
カリフラワー..................................1個
水................................................200㎖
オリーブオイル...............................大さじ1
ラクレット(またはグリュイエール、
エメンタール、ピザ用チーズなど)......80g
【作り方】
1.カリフラワーを丸ごと鍋に入れ、分量の水を注いでオリーブオイルを回しかける。ふたをして弱火にかけ、沸騰してから30分ほど、カリフラワーが十分に軟らかくなるまで蒸し煮にする。竹串を刺してみて、抵抗なくすっと通ればOK。
2.ラクレットを細かく切ってカリフラワーの上にのせ、再びふたをして火を消し、5分ほど蒸らす。チーズが溶けたらできあがり。スプーンなどで切り分けていただく。
【親奉行ポイント】
少ない水とオリーブオイルで、カリフラワーを丸ごと蒸し煮にするのがポイント。軟らかめに火を通すと甘味が引き出される。鍋はフタがぴったり閉まる土鍋か厚手の鍋で。
豆腐とニラのスパイス湯豆腐
おなじみの湯豆腐に花椒と八角を効かせ、辛味と香りを楽しんで。ごまダレや腐乳をつけると味のアクセントに。
【材料(2~3人分)】
豆腐...........................1丁
ニラ.......................1/2束
塩............................. 少々
A
水....................400㎖
昆布.................10㎝角1枚
八角.................2 個
花椒.................小さじ1
ごまダレ
白ごまペースト ..大さじ3
砂糖.................小さじ2
薄口しょうゆ......小さじ2
長ねぎのみじん切り...小さじ2
腐乳.......................適量
【作り方】
1.鍋にA を入れて弱火にかけ、ゆっくり煮出す。ニラは5 〜 8㎜幅に切る。
2.ごまダレの材料をすべて混ぜ合わせ、腐乳とともに小さな器に入れる(好みで腐乳を溶かしても)。
3.1 の鍋に豆腐を丸ごと入れて塩を加え、ふたをして弱火で豆腐の中までよく温める。ニラを加えて再びふたをし、火を止めて蒸らす。
4.スプーンなどで豆腐をくずしながら取り分け、ごまダレ、腐乳をつけていただく。
【親奉行ポイント】
花椒は最近ブームの「しびれ鍋」に使われる、辛味とさわやかな香りをもつスパイス。エキゾチックな香りの八角と合わせて、湯豆腐の湯に加えて香りをつける。
大根といりこの鍋
歯ざわりのいいリボン状の大根を、ピリッとする花椒オイルで。煮干しはそのまま食べるので、上質なものを。
【材料(2~3人分)】
大根........................................1/2本
煮干し(いりこ).......................15g
A
水...........................................600㎖
酒...........................................50㎖
薄口しょうゆ.............................大さじ1
花椒オイル
花椒........................................大さじ1
太白ごま油(またはサラダ油)......大さじ4
【作り方】
1.煮干しの頭と内臓を取り除き、Aとともに鍋に入れ、弱火でゆっくり煮出す。
2.花椒オイルの材料を小鍋に入れて弱火にかけ、花椒が赤黒くなって香りがたつまで加熱する。火から下ろして冷ます(冷蔵庫で1カ月保存可)。
3.大根は皮をむいて縦に4等分に切り、スライサーでリボン状に薄くスライスする。
4.1 の鍋に薄口しょうゆを加えて味をととのえる。各自が大根を入れて好みの硬さまで煮て、煮干しとともに器に取り分けて花椒オイルをたらしていただく。
【親奉行ポイント】
大根の切り方は縦に4枚に切る感じ。両端は写真のような形になるけれど、スライスすればリボン状になる。スライサーがない場合は、ピーラーでリボン状にしても。
アオサの金目鯛しゃぶしゃぶ
脂ののった金目鯛にさっと火を通し、香りのいいアオサ、つるんとしたとろろと。魚のうま味が出ただしが絶品!
【材料(2 ~ 3人分)】
金目鯛(しゃぶしゃぶ用スライス).......半身分
アオ(乾燥)......................................4g
大和いも...........................................10㎝
A
だし................................................800㎖
酒...................................................100㎖
薄口しょうゆ.....................................大さじ2/3
塩...................................................小さじ1/2
ポン酢............................................ 適量
【作り方】
1.鍋にA を入れて温める。大和いもは皮をむいてすりおろす。
2.1 の鍋にアオサを加え、各自が金目鯛をしゃぶしゃぶして、ポン酢をつけていただく。途中、すりおろした大和いもをスプーンなどですくって落とし入れ、軽くかたまったらいただく。
【親奉行ポイント】
締めはにゅうめんがおすすめ! だしに金目鯛のうま味が加わり、アオサやとろろもからんでおいしい。そうめんをゆでて冷水で締め、鍋に加えて温め、だしとともに器に。
鶏肉とかぶの牛乳鍋
骨つきの鶏肉から出たうま味をかぶに吸わせ、牛乳でマイルドに包み込んだ鍋。隠し味はナンプラー! 黒こしょうでキリッとした辛味と香りを。
【材料(2 ~ 3人分)】
骨つき鶏もも肉(ぶつ切り)....................350g
かぶ...................................................2 個
A
水......................................................400㎖
昆布...................................................10㎝角1枚
しょうが(薄切り)...............................1片分
B
牛乳..................................................200㎖
ナンプラー.........................................小さじ2 〜大さじ1
粗挽き黒こしょう.................................少々
【作り方】
1.鶏肉は熱湯にさっとくぐらせる。かぶは皮をむいて6等分のくし形に切る。
2.鍋にAと1を入れて火にかけ、沸騰したら弱めの中火にしてふたをし、かぶが軟らかくなるまで煮る。
3.Bを加えてさらに5分ほど煮て、仕上げに粗挽き黒こしょうをふる。
【親奉行ポイント】
エスニック料理によく使うナンプラーを、牛乳に合わせる離れ技レシピ。ナンプラーのうま味や塩気、香りを活用する。ナンプラーは酸化しやすいので、小瓶がおすすめ。
ラムときのこの香草しゃぶしゃぶ
体が温まるラム肉を、ハーブの香りあふれるしゃぶしゃぶに。さわやかなピリ辛ダレで箸が止まらないおいしさ。
【材料(2 ~ 3人分)】
ラム肉(しゃぶしゃぶ用).........................300g
しいたけ...............................................6個
舞茸....................................................1パック
好みのハーブ(ミント、香菜、ディルなど)..適量
エスニックダレ
香菜(みじん切り)................................3株分
しょうが(みじん切り)..........................1片分
青とうがらし(みじん切り)....................1本分
ナンプラー、水.....................................各大さじ2
酢、ライム汁 .......................................各大さじ1
砂糖...................................................小さじ2
A
水.....................................................1ℓ
酒.....................................................100㎖
レモングラス(小口切り)......................2本分
しょうが(薄切り) .............................1片分
香菜の根(あれば)..............................3株分
【作り方】
1.しいたけは石づきをとって厚めにスライスし、舞茸はほぐす。ハーブ類は食べやすい大きさにちぎる。
2.エスニックダレの材料をすべて混ぜ合わせる。
3.鍋にAを入れて火にかける。煮立ったら各自が1を適宜入れながらラム肉をしゃぶしゃぶし、エスニックダレにつけていただく。
【親奉行ポイント】
数種類のハーブ使いがポイント。レモングラスや香菜の根などでベースのハーブだしを作り、香菜、ミント、ディルは具として使う。具に使うハーブは好みのものでOK。
撮影/伊藤徹也 取材・文/海出正子 ※エクラ2019年2月号別冊掲載
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