江戸情緒、文明開化の名残、昭和の懐かしさ。そのミックス感を楽しめる街「上野」で、黒田知永子さんが名品をめぐる。伝統息づく帯締め、黄楊櫛、オーダーシューズ、千代紙をご紹介。
【有職組紐 道明】
見て美しく、つけ心地もいい帯締めならこちら
大陸から伝播し、日本に根づいた組紐の技術。昔と変わらない製法にこだわり、当地で360年にわたり組紐を手がけるのが『有職組紐道明』だ。店頭に並ぶ唐組、笹浪組などは法隆寺や正倉院の宝物にも見られると聞くと、遠い歴史も身近に感じられる。手組みの帯締めならではの締め心地のよさは折り紙付き。
十代目当主・道明葵一郎さんの応対で、帯締めを拝見。つい無地のものを選んでしまうという黒田さんに、「多色柄はひとつでも帯の色が入っていると合いますよ」とアドバイスが。
角組みと平組みの同系色をまとめて。無地の冠組が¥14,000。ほかには古の経巻の紐や料紙装飾の色使いに学んだものまで実に多彩。
左は組紐を組む道具。道明では技術継承のため、教室も開催している。
【十三や】
約60の工程を経て生まれる、職人技の鑑のような黄楊櫛
「九」と「四」を足した屋号で知られる、1736年創業の老舗。櫛に使うのは、年輪が均一になるよう定期的に植え替えて育てられた国産の黄楊(つげ)材。それを切り出してから寝かせ、歯立て、仕上げまで手作業で行う。少人数で型ごとに製作するため数カ月待つこともあるが、その美しさ、髪通りのよさは一生もの。
柄つきのものは明治時代に男性用につくられた。大きさのある黄楊櫛は、ほどよい重みで梳くのが楽。上2点 各¥12,250。下¥19,500。
峰を削る作業は小型の鉋で行う。ツヤ出しに使うのは木賊(とくさ)。
店内では作業風景が見られることも。
東京都台東区上野2の12の21
☎03・3831・3238
10:00~18:30㊡日曜、年末年始
【そのみつ】
デザインもサイズ感も、“自分らしい一足”がかなうお店
デザインから木型切削、製作まで自社で行う、1997年創業の靴店。オーダーゆえのフィット感と、直しながら長く愛用できるのが魅力。選べるデザインは60以上、パンプスで¥48,000~。採寸、木型製作(別途¥25,000)から仮合わせを経て、7カ月ほどで完成する。
東京都台東区谷中2の18の6
☎03・3823・7178
13:00~19:00(土・日曜は12:00~19:00)
㊡水・木曜、年末年始
【いせ辰谷中本店】
暁斎など有名絵師の図案も!伝統の千代紙に心ときめく
1864年創業の手摺木版の江戸千代紙、おもちゃ絵の老舗・版元。錦絵の系譜にある粋なものはもちろん、写真の竹久夢二作(大奉書千代紙¥1,500、大奉書ちりめん¥1,800)のように愛らしい図柄も。手摺のぽち袋や便箋も豊富で、思わず大人買いしてしまう。
東京都台東区谷中2の18の9
☎03・3823・1453 10:00~18:00
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