フランス在住の雨宮塔子さんが、気の置けない女友だちを自宅に招いて“のんびりランチ”。ロックダウン中はできなかったことだからなおさら、会えること自体が楽しい。「もてなす」というより、一緒にキッチンに立って準備するところから和気あいあいとした時間が始まる。
天井の高いアパルトマン。白い壁を優しく照らす日の光が満ちるころ、三々五々、友人たちが集まる。今日のランチのメンバーは、真帆さん、クリスティーナさん、純さん。雨宮さんがパリに暮らしはじめたころ、あるいは子育てを通して知り合った彼女らは、飾らずに心を開いて向き合える大切な友人。ドアを入ってみんなが最初に向かうのはキッチン。クリスティーナさんが抱えてきた大きなかごバッグには、マルシェで調達した野菜が入っていた。
「なによりも会うことが目的」と、雨宮さんはいう。
「みんなが頻繁に会いたいから、もてなすというよりも、ホスト役の人が重荷にならないように一緒に準備をしたり、持ち寄ることもあります。もちろん何品もの料理を作って“おもてなし”することもありますが、こういうラフな集いのほうが断然多い。フランスにいると、ラフでいいのだな、と思えるのです」
ゲストも一緒にキッチンに立って準備を。この日は、友人たちとサラダの盛りつけを完成。オープンキッチンだから、支度をしながらテーブルまわりにいるゲストとの会話を楽しんで。
緩急をつけながらトータルで考えた花飾り。この日雨宮さんが選んだのは、大好きなこっくりとした深みのある色合いのあじさい。それに合わせたユーカリとビバーナムは、テーブルにも流れるようにあしらった。
フレッシュなサラダの材料が入ったクリスティーナさんのかごバッグ。チコリ、ほうれん草の若芽の下には、ガラス瓶に入った2種類のお手製ドレッシングもしのばせてある。
花材は今日のメンバーのひとり、パリで活躍するフローリストの濱村純さんとプロの花市場で調達。日本で苔木とも呼ばれる「リケーヌ」は季節の森の風情さながら。ユーカリの枝をたわめてリースにするのも心憎い演出。