北海道・ニセコ町に誕生した宿『SHIGUCHI(シグチ)』。さまざまなものに触れ、新たな視座を得ることで、自分自身を変えるかもしれない何かに出会う。『SHIGUCHI』の哲学は、食の時間、空間にも貫かれている。舞台は、敷地内に立つ『そもざ』。茶室とアートの展示室、器を中心とした工芸品を扱うショップを備えたギャラリーレストランだ。
Jomon food & French
卓上から自然、歴史へ。思考も刺激する食体験
「先人の知恵や自然への敬意。ショウヤの考えに触れ、料理の幅が広がり、なにより料理が楽しくなった」と、小関達弥シェフ。フランスの名門で修業し、『ミシェル・ブラス・トーヤ・ジャポン』等で活躍した経験豊かな料理人で、『そもざ』の料理長を務める。約10品のディナーコースは、味わいの凝縮感がメインディッシュ級の野菜のひと皿、水のように軽いソースをまとうクリアな魚介料理と、緩急自在だ。土地の食文化を紐解き、大豆や雑穀で作った「縄文パン」や、手製の塩釜で焼く羊など、プリミティブ回帰によるイノベーティブは『そもざ』だから生まれた皿だろう。
しつらえや器の見立ては、もちろんショウヤさんが手がける。器は作家の作品に木の板や葉、縄文土器などもちりばめ、内と外、時代の枠を超えた卓上の景色が、思考を解き放っていく。渓流は、すぐそば。大きく開かれた窓からの青々とした景色とともに、せせらぎの清涼感が室内を満たす。美味とともに、さまざまな音や色、木のテーブルの手ざわりまでが余韻を残すのだ。
アミューズは、天然きのこのテリーヌ、グジェール、ニシンのマリネなどを敷地内で摘(つ)むイタドリの葉にのせて。料理は時期替わり。
前菜「雪の下人参のチーズクレームブリュレ 足寄・石田めん羊牧場のサウスダウン羊のコンフィ 山葡萄のチュイル」。黒松内町『アンジュ・ド・フロマージュ』のチーズを使用。
「石田めん羊牧場のサウスダウン羊の塩釜焼き」。塩に卵白を混ぜ、稲わらを練り込んだ塩釜ごとオーブンに入れて火を通す。アイヌの伝統料理イモモチを添えて。ソムリエによるペアリングコースも。
『そもざ』は栃木県の大田原市から移築した古民家を活用。直径3mの丸テーブルも圧巻。
塩釜焼きをテーブルでプレゼンする小関シェフ。『ルレ・ベルナール・ロワゾー』のパリ店等で修業した経験をもつ。
朝食。エッグベネディクトをメインに自家製パン、チキンブイヨンなど。
SHIGUCHI
Data
北海道虻田郡倶知安町花園7の8の5
☎︎0136・55・5235
チェックイン15:00、チェックアウト11:00
1泊2食つき1人¥70,400~(2名1室利用時)
レストラン『そもざ』のビジター利用は要事前予約。
『SHIGUCHI』は’22年4月開業。
https://shiguchi.com/