エルメスを象徴するモチーフのひとつ、シェーヌ・ダンクルに想を得たハイジュエリーウォッチが誕生。「自由」をコンセプトに据えたピースが、メゾンのエスプリを再構築し、新境地へ誘ってくれる。
エルメスのマイヨン リーブル ウォッチ
エルメスがハイジュエリーウォッチの分野に新たな一歩を踏み出した。クリエイティブ・ディレクターのフィリップ・デロタルは「マイヨン リーブルは従来の時計の概念にとらわれず、自由を目ざすコレクションです」と語る。これまでにないピースをつくるにあたってモチーフに選んだのは、数々の名作を生み出してきたシェーヌ・ダンクルだ。
このモチーフが誕生したのは1938年。エルメスは1837年の創業以来馬具の製作を通して、さまざまなチェーン加工のノウハウを培っていた。それをジュエリーに昇華したのは、エルメス4代目のロベール・デュマ。彼はフランスのノルマンディー地方を散策中に、船の錨鎖(シェーヌ・ダンクル)に目をとめた。強さとしなやかさを兼ね備えたチェーンは、エルメスにとって美と実用性の完璧な調和を意味する。その条件を満たす錨鎖こそ、ジュエリーにふさわしいと考えたのだ。彼のフレキシブルな発想が、現在のマイヨン リーブル誕生につながっている。
独創的なハイジュエリーウォッチになった、シェーヌ・ダンクル。パーツどうしが交差してからみ合い、複雑なフォルムを形づくる。すき間から肌がのぞくデザインには、遊び心が。「オケージョンを決めつけずに気軽につけられる、軽やかなデザインです。ハイジュエリーウォッチも、もっと自由に!」と、デロタル。最上の素材とテクニックでつくられた、ドレスにもデニムにも似合う時計が、ラグジュアリーの新しいあり方を予感させる。
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シェーヌ・ダンクルのルーツであるノルマンディー地方は、フランス北西部にあって、英仏海峡に臨み、豊かな自然とその恵みで知られる。写真はエトルタの断崖の上から奇岩と海を一望する風景。この一帯は切り立った崖が続き、その下に白砂の海岸が広がって、港が点在している。
物語の先にある自由を求めて。アイコニックなチェーンが生まれ変わった
シェーヌ・ダンクルのチェーンとトグルクラスプを抽象的に表現したデザインは、肌に溶け込むようなセンシュアルな雰囲気が魅力。ポリッシュ仕上げのピンクゴールドにみずみずしいテラコッタトルマリンが輝き、艶つややかな存在感を放つ。緻密にセッティングされたダイヤモンドが連なってできた光のリンクも、高度なテクニックを凝縮したクラフツマンシップの証し。
マイヨン リーブルウォッチ(16.5×27.7mm /K18PG、ダイヤモンド、テラコッタトルマリン、クォーツ、’26年2月より順次発売予定)¥27,390,000(予定価格)/エルメスジャポン(エルメス)