上質なおしゃれ審美眼で一目置かれる業界人たち。彼女たちがプライベートで愛用しているのが、日本発ブランドが作る"こだわりと美学"がつまった服。確かな実力で知られる8つのブランドをご紹介しよう。
AURALEE
日本のものづくりに根づく誠実さこそがアイデンティティ
パリコレに参加し、海外でも評価を得ているオーラリー。特にこだわるのが素材。創作の大半の時間を生地づくりに費やし、世界中から厳選した上質な原料と、日本の高い技術を用いたオリジナルファブリックに定評がある。今回撮影したブルゾンは、経⽷にメリノウールを、緯⽷にメリノウールとキッドモヘヤを混紡したウールホップサック生地。軽やかでコシのある⾵合いを生かした、メリハリのあるシルエットが美しい。「ドメスティックブランドならではの素材へのこだわりと、日本人に似合うフォルムなどが魅力的。年齢を重ねてもモダンに、いい感じに着込めるところもいいなと思います」(スタイリスト・古田千晶さん)。
ブルゾン¥81,400・Tシャツ¥17,600・パンツ¥59,400・靴¥48,400/オーラリー ピアス(シングル)¥55,000・ブレスレット¥429,000 /シハラ トウキョウ(シハラ)
HARUNOBUMURATA
過度な装飾を抑えたミニマリズムで美意識を表現
「Luxury of Silence」というコンセプトのもと、静謐(せいひつ)で洗練された美しさを追求するハルノブムラタ。ボックスシルエットにウエストベルトを効かせ女性らしい美しさを引き立てるジャケットに、たっぷりとした贅沢なボリュームが優雅なスカートを合わせたセットアップには、「着たときの女性の姿」をデザインするという、ブランドのこだわりが見える。「立体的なフォルムでシンプルなのに存在感がある。着る人を華やかに見せてくれる服に出会えます」(スタイリスト・福田亜矢子さん)。
ジャケット¥115,500・スカート¥96,800/ザ・ウォール ショールーム(ハルノブムラタ) ピアス¥53,400 /トムウッド 青山店(トムウッド)靴¥145,200/ジャンヴィト ロッシ ジャパン(ジャンヴィト ロッシ)
HOSOO
伝統的な西陣織の技術を華麗でタイムレスなデザインに
元禄元年(1688年)創業という織屋としての長い歴史をもつホソオ。’10年に150㎝幅の西陣織を織ることができる織機を独自に開発したことを契機に、ファッション、インテリア、アートといったさまざまな分野とのコラボレーションを実現。今季注目のドレスは、デザイナーの吉武味早子氏のハンドドローイングによる羽毛を職人の高度な技術で再現したテキスタイルで仕立てたもの。「見事な西陣織の生地をモダンな洋服にする技術と華やかさはまさに唯一無二。着る人の気分を上げてくれるのは、間違いないです」(ファッションディレクター・高際香里さん)。
ドレス¥330,000・インナードレス¥198,000/ホソオ トウキョウ(ホソオ) ピアス¥192,500・ブレスレット(上から)¥35,200・¥37,400/シハラ トウキョウ(シハラ)
BOWTE
奥深さが問われる時代に寄り添う真摯なものづくり
デザイナー・靱江(うつぼえ)千草さんが生まれ育った東京のファッションカルチャーや幼少期の思い出。その時代とともに独自の感性から芽生えたリアルクロージングウエアを、ていねいかつ信頼のおける日本の縫製工場でつくり上げる。今回着用したシャツとスカートは、ともにsuper140sのウールを使用した上質なオリジナル素材で、絶妙なメランジ感を表現した特別なオリジナルカラー。「小柄な私でも、背の高いモデルでも、変わらず美しいバランスに。色出しも絶妙で、長く着たいと思えるブランドです」(スタイリスト・古田千晶さん)。「メンズライクな仕立てでシルエットがかっこいい。ほどよくモード感があり、コンサバすぎないところがお気に入りです」(スタイリスト・村山佳世子さん)。
シャツ¥48,400・ポロニット¥59,400・スカート¥38,500/バウト イヤカフ¥23,800・リング¥63,900/トムウッド 青山店(トムウッド) 靴/スタイリスト私物
POSTELEGANT
時代も世代も性別も超え 長く愛せるリアルクローズ
’17年秋冬シーズンにデビュー。時代や場所を超えて残っていくものを生み出すことをブランドスローガンとして、流行やテイスト、性別や世代にかかわらず愛されるモダンなデイリーウエアを発表しつづけている。自分のニュートラルな時間をよい状態に保てたら、という思いから定番的につくられているホールガーメントのニットは動きやすさや素材に包まれている安心感が秀逸。「着心地を徹底的に追求したニットは一度着たら虜(とりこ)に。きれいな赤に惹かれます」(スタイリスト・池田奈加子さん)。「私好みのマニッシュなテイスト。仕立てが本当にきれいで着ると気持ちが癒され、ご機嫌な一日に」(スタイリスト・村山佳世子さん)。ニットワンピース¥74,800・ニットトップス¥58,300/ポステレガント
UNION LAUNCH
"技術のつなぎ手"としての未来へ続くものづくり
日本のすばらしい伝統技術が途絶えようとしている中、その種火を残したいとの思いで、つくり手と消費者との「つなぎ手」になることをミッションに掲げる。ブランドを象徴する定番ブレザーはデッドストックの生地感の再現という新たな試みにトライしたもの。「シンプルで過度な主張がないのがまた魅力。そのディテールやつくりは、"本当にまじめにつくっている"ことがよくわかります。大のブレザー好きの私の好みにぴったりです」(スタイリスト・谷藤知可子さん)。
ジャケット¥94,600/リトルリーグ インク(ユニオン ランチ)
JUN ASHIDA
上質な仕立てがかなえる現代のエレガンスがここに
ジュンアシダは、’63年に創立された日本が誇るハイエンド・プレタポルテ。代官山本社の中にはアトリエが存在し、国内最大の規模を誇る製図と縫製の技術者を擁し、真摯なものづくりを続けている。極上の軽さとしなやかさが特徴のラメ入りスパンコールツイードのジャケットは、エクスクルーシブラインのもの。同ラインには、ジュンアシダの中でもさらにクオリティに特化したベーシックなアイテムがラインナップ。より上質なフォーマリティを意識している。「最上級の生地と縫製がすばらしいエクスクルーシブラインは、控えめだけど格別な美しさです」(スタイリスト・飯田珠緒さん)。
ジャケット¥275,000/ジュンアシダ
SAQUI
日本人にこそ似合うデザインと美しい縫製が心地いい
こだわりぬいた素材選びや立体的なフォルムなど、日本人にこそ似合う服づくりで知られるSAQUI(サキ)。着心地にこだわった体を締めつけないデザイン、国内のトップクラスの縫製工場での美しい縫製にも定評がある。今季の注目アイテムであるジョガーパンツは、たっぷりと生地を使いブラウジングさせることで、リラックス感を演出。足もとのすそ口は柔らかく見せるため、芯を接着せず、生地が浮いた状態にするフラシ芯の技法で仕立てている。「カジュアルなデザインなのに艶のある素材でエレガントに。そして小柄な私が着用してもスタイルアップをかなえてくれる。どんなトップスやアウターにも合うので、旅には必ず持っていきます」(スタイリスト・鈴木ひろ子さん)。
ジョガーパンツ¥35,200/SAQUI
撮影/熊谷勇樹(人物) 赤尾昌則(whiteSTOUT/静物) スタイリスト/谷藤知可子 ヘア/JUN GOTO(ota office) メイク/津田雅世(mod’s hair) モデル/山村紘未 取材・原文/大野智子 撮影協力/天野志穂 BACKGROUNDS FACTORY〈取材協力〉(五十音順) 飯田珠緒 池田奈加子 鈴木ひろ子 高際香里 谷藤知可子 福田亜矢子 古田千晶 村山佳世子