キャリアを重ねるほど、装いには品格だけではなく、さまざまな立場からの目線を考えた配慮が求められるもの。そんなNEOエグゼクティブの相棒には、素材感やフォルムの完成度で静かにラグジュアリーを語るバッグがふさわしい。
THE ROW
しなやかに凛とした気品をたたえる王道的存在
30×43×16㎝、カーフレザー
アイコンバッグ「マルゴー」のエレガントなスタイルと実用性はそのままに、金具は省きよりシンプルに進化したトートバッグ「マルロ」。90年以上続くフランスの工房で製作された、ムダのない美しい仕上がりが格別。大きめながらしなやかで持ちやすく、内側にはダブルポケットつき。ステッチを正確に施した丸い形状の長めのハンドルは肩かけもでき、底面はわき下に収まりやすい仕様となっている。
バッグ「マルロ」¥971,300/ザ・ロウ・ジャパン(ザ・ロウ)
JIL SANDER
クリーンなたたずまいにモダンな感性を携えて
29×41×13㎝、カーフレザー
’18年、春夏に誕生した「TANGLE」は、”もつれ”や”絡まり”を意味する名前のとおり、職人の手作業で編み込まれたストラップがアイコン。当初はスマートフォンケースなどのミニサイズから始まったが、パソコンも入るビッグトートが仲間入り。トスカーナ産のパルメラートレザーは、上品な光沢とキメの細かいシボに加え、オイルをたっぷり含ませた耐久性の高さも魅力。
バッグ「タングル ショッピング バッグ」¥316,800・チャーム¥60,500/ジルサンダージャパン(ジル サンダー)
Chloé
上品クラシカルに見せて、実はユニークな2WAY仕様
39×35×16㎝、シャイニーグレイン カーフスキン
’25年スプリングコレクションで登場した「クロエ スピン」は、肩かけできる縦型トートバッグとしてだけでなく、付属するクロエの刻印入りリングに2本のハンドルを通すことで、ワンハンドルの巾着風のバッグとしてまた違った表情を楽しめる。やや光沢のあるボディに斜めに入ったグラフィカルなラインと、象徴的なホースメダルつきのチェーンが、さりげなくスタイリッシュな個性を表現。
バッグ「クロエ スピン」(チェーンつき)¥290,400/クロエ カスタマーリレーションズ(クロエ)
TOD’S
構築的な美フォルムと頼れる収納力の両立
29×57×23㎝、カーフレザー
控えめに輝く"T" のモチーフは、ブランド名の頭文字を意味すると同時に、「Tradition(伝統)」「Talen(t 才能)」「Time(時)」というメゾンの価値観を体現。柔らかさと張りをあわせもつ上質なカーフレザーが、美しい構築的シルエットを保ち、装いにクラス感を添えてくれる。両サイドのスナップボタンをはずすと間口がぐっと大きく広がり、フォルムの変化と収納力アップが同時にかなう。
バッグ「トッズ T タイムレス」¥366,300/トッズ・ジャパン(トッズ)
WAKO
細部まで使い勝手に配慮した実用的エレガンス
35×27×13㎝、牛革
つややかな光沢のあるレザーに、ゴールド金具のコンビネーションが優美な新作バッグコレクション「SUIHA」。すっきり小わきに収まる縦長フォルムに加え、肩かけしやすいハンドル設計やしっかり自立する安定感のある底面構造など、毎日の使い勝手への細やかな工夫が施されている。パソコンも楽々入る収納力に加え、ストラップで着脱可能なフラットポーチつきで、荷物の仕分けもスマートに。
バッグ「SUIHA(スイハ)」(ポーチつき)¥346,500/和光
AGCF
理念までもがラグジュアリー。端正さが光る注目ブランド
23.5×30×14㎝、羊革
GUCCI創業者のひ孫にあたるアレクサンドラ・グッチ・ザリーニが設立したバッグブランド。「女性や子供たちの保護と幸福」を目的とし、利益の20%を関連する慈善活動に寄付している。卓越した職人技が光るバッグは、見ただけで上質感が伝わる。サイドはマグネットでスムーズに開閉し、内側には広いジッパーつきのポケットつき。
バッグ「アウレリア」(ショルダーストラップ・ポーチつき)¥385,000/日本橋髙島屋 サロン ル シック(AGCF)
PIERRE HARDY
直線と曲線が交錯するアーティなステディバッグ
28×40×14㎝、やぎ革
裏地のない軽やかな仕立てながら、安定感のある底面デザインでしっかり自立する設計。主張が強すぎない幾何学柄が、装いにモダンなアクセントを添える。フロントはシンプルなトートバッグに見えて、実は横から見るとラウンドフォルムとスクエアフォルムの両方を兼ね備えた遊び心のあるデザイン。内側にポケットつきで使い勝手も優秀。
バッグ「キャブ トート」(ロゴ入りネームタグつき)¥145,200/ピエール アルディ 東京(ピエール アルディ)
BONAVENTURA
シーンレスかつタイムレス。しなやかにたたずむベーシック
28×33×19㎝、牛革
「Tempo Incantato=魅了された時間」がテーマのコレクションは、イタリア建築からインスパイアされたというナルチャームリングがワンポイント。サイドを内側に折り込めば、台形バッグとしても楽しめる。しっかり重厚感がありながら柔らかいレザーはボディフレンドリーで、長時間の使用でも疲れにくい。
バッグ「アリーナ2WAY トートバッグ」(ポーチ・チャームリングつき)¥264,000・チャーム(パンダ)¥19,800/ボナベンチュラ
エクラ世代の働く女性にとって、通勤バッグは単なる実用品ではない。自分の信頼と美意識をさりげなく映す存在だ。さまざまな社会的立場の人の目に触れるビジネスシーンにおいて、ひと目でブランドがわかる主張の強いデザインよりも、どこのものかはわからなくても、明らかに“いいもの”と感じるたたずまいのバッグは、持ち主を品格のある思慮深い人に見せてくれるだろう。
とはいえ、上質なベーシックを知る大人には、機能一点張りの無機質なバッグはもの足りない。経験を重ねた今だからこそ、堅実さの中にほんのりしのばせた遊び心や芸術性が、働く毎日の装いを少し豊かにしてくれる。
NEOエグゼクティブの物選びは“引き算の美学”。声高に語らないけれど、質のよさがにじみ、卓越したセンスが香る──その静かに伝わるラグジュアリーの迫力が、働く女性を最も凛として美しく見せるのだ。
●NEOエグゼスタイルとは?
ふわりと時代の風にのって、自分軸でたおやかに働く「新しい(=NEO)エグゼクティブ」のための新しいワーキングスタイル
撮影/赤尾昌則(whiteSTOUT) スタイリスト/古田千晶 取材・文/東原妙子
※バッグのサイズは、縦×横×マチを表します。 ※エクラ2026年5月号掲載