ものと出会い、手仕事のすばらしさに魅せられた女性たちが営む、旬の5軒をご紹介。旬な目線をもつ彼女たちが生み出す仕事の感性に触れてみてください。
1.P O N T E
料理人たちも認める 華やかで使いよいガラス
京都・山科の工房で宙吹(ちゅうぶき)ガラスを製作する佐藤聡さんのショップ。店頭には奥さまの貴美子さんが毎日立ち、作品と季節の花をコーディネートした空間で客を迎えている。グラスやお皿、ピッチャーなど、使える器を主に扱い、「吹きガラスはひとつとして同じものがなく、サイズや形、色、柄違いのご希望があればおつくりすることもできます。プロの料理人さんからオーダーをいただくこともあり、器づくりをするうえで祇園にあることがとてもいい刺激になっています」。同じ建物内にある、しゃれたカフェやアンティークショップも必見。
オリジナル品だけを扱い、オーダーも対応。ガラスピッチャー(クリア)¥13,000、(黒)¥15, 000
店の花のアレンジやディスプレイも手がける佐藤貴美子さん
レース模様のお皿¥20,000、一輪挿し¥10,000~。レース模様や柄ゆき、色違いなどはオーダーで対応してくれる
京都市東山区祇園町南側570の210 ZEN 1F
11:30~18:00 ㊡月・火曜
2.二十日
名前や時代にとらわれない 無垢で自由な骨董たち
下鴨本通りから下鴨神社の糺(ただす)の森に向かう小さな道にひっそりとたたずむセレクトショップ。北欧のヴィンテージ雑貨や日本やアジアの古道具、器、かご、布、銀製品など、さまざまな国の古いものを扱っている。しかし雑然とした印象はなく、店主のぶれないもの選びの目線があり、ディスプレイは暮らしの一角を切り取ったかのよう。土壁と木を基調とした空間に大きな木のテーブルを置き、庭に植えられた山野草やグリーンにも目が和む。「もの自体の価値や用途がなくても暮らしの中においてみると素敵なものに心が動かされます」。
(右から)王地焼膾¥15,800、一輪挿し¥19,800、チークディナープレート¥6,500
大学時代に学んだ染織に関心が深く、今後は現代のものにも目を向けたいと語る栗山葉子さん
小さな庭が見える空間に古今東西のヴィンテージものが並ぶ店内。なかにはミッドセンチュリーにつくられたデンマークのアクセサリーも
京都市左京区下鴨森本町13の6
11:00~18:00 ㊡月〜水曜
3.日日(にちにち)
職人の手仕事に出会える ギャラリー&ティールーム
東京から京都・御所東にある築100年を超えるお屋敷に移転し、昨年11月にオープンしたギャラリー&ティールーム。かつて京都の自宅に予約制のギャラリーを始めたオーナーのエルマー・ヴァインマイヤーさんが、東京・富ヶ谷に移転し、再び京都に戻り始まった。今は奥さまの奥村文絵さんがエルマーさんのポリシーを受け継ぎ、常時30名ほどのつくり手のものを扱っている。いずれも使い勝手がよく、職人の手仕事が感じられるもの、時間をかけて成熟した、むだな装飾がなく美しいものをそろえ、「良質なものをつくり続けている工房や作家たちと時間をかけ、信頼関係をつくりながらものを手に入れてきました」と奥村さん。店頭に並ぶ作品は限られているが、欲しいものを伝えれば、奥からいろいろなものが運ばれ、つくり手の思いを伝えながら見せてくれる。
建物の一角にはティールーム「冬夏」を併設。栽培から仕上げまでこだわったオーガニックのカカオや煎茶などが楽しめる
古い建具や庭を残しつつ、照明や欄らん間ま が斬新なギャラリースペース
『日日』を運営しつつ、フードディレクターとしても活躍する奥村文絵さん
バウハウスの影響を受け、1924年ドイツに開設されたマルガレーテンヘーエ工房の陶器。急須¥29,000、皿¥6,000~、カップ¥6,000
京都市上京区信富町298
10:00~18:00 ㊡火曜
4.ギャラリーやなせ
食卓を豊かにしてくれる 日々の漆に出会う
京都で漆というと工芸品を思いがちだが、こちらはふだん使いできる現代の漆器をセレクト。建築家・中村好文氏が改修した町家の一角に店を設け、白を基調とした空間に漆が映える。「器ひとつで暮らしが変わり、自分が変わる。そんな経験をできるかぎりたくさんのかたと直に共有できる場でありたい」と店主の柳瀬佳代さん。店内に並ぶ作品は少ないが、奥にストックしている器も見せてくれ、個展では70~80アイテム、500点近い器を展示。使って、よいと実感したものを産地にこだわらず常設。次回個展は10/1〜11 小林慎二 漆展。
漆器に魅了されるきっかけとなった赤木明登作・正法寺椀。柳を描いたやなせ文様の椀はオリジナル。¥12,000~
大手広告代理店を早期退職し、夢をかなえた柳瀬佳代さん
塗りものだけでなく、買い求めやすい拭き漆など、自分が使ってよかったものをセレクト。やなせ文様天廣皿 3.5寸 ¥12,000、高田晴之作・銀杏酒杯¥4,000
京都市北区南舟岡町61の28
12:00~18:00 ㊡火・水曜、毎月28日以降(不定休あり)
5.緙室(かわむろ) s e n
日本人の所作に添い心を包む革小物
ヨーロッパで収集した上質の皮革を使用し、日本の美意識と熟練を極めた職人の技で仕立てられた風呂敷や茶箱。長年レザーデザイナーとして活躍する千原けいこさんのオリジナルであり、強靭でしなやかな革の特性が作品ひとつひとつに生かされている。革を用いることで用途やシーンを広げ、洋服にも合わせられる寛容さやモード感もある。「大切なものを慈しみしまう所作や、それを美しく見せようとする日本人らしい思いも感じてもらいたい」。京都で培ったセンスや目線で今までにないものづくりに挑戦している。
使うほどに柔らかくなる最高級品のスペインラムの風呂敷。2色を組み合わせ、色違いが3種類。収納用の巾着つき。各¥55,000
和の趣漂う空間にそっと置かれた茶箱。メッシュの革をボディに使い、くくり部分のラムで柔らかさを出している。各¥80,000
京都を拠点に東京や海外でも活躍している千原けいこさん。女性目線の商品企画のセンスに定評がある
京都市東山区祇園町南側570の210 ZEN 2F
12:00~18:30 ㊡月・火曜