その"文化"を買いたい! 京都で買う「一生ものの名品」五選

京都の文化を支える職人技の仕事には、ハイブランドにも負けない美意識と存在感が。eclat世代こそ持っていたい逸品が手に入る京の名店5店舗をご紹介。

1.伝統の技術と洗練の感性が生むオンリーワンの逸品 坂田文助商店

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モダンな扇子

文化5(1808)年に扇子の輸出入商として創業した『坂田文助商店』。コンクリート打ちっぱなしのビルの1階に店を構え、凛とした美しさを放つ扇子と空間が迎えてくれる。伝統的な扇子のつくり方をベースに、90を超える工程を経て完成する扇子はすべて熟練した職人による手作業。扇子というと茶事や舞い用、装飾品などを思うが、きものにかぎらず洋装にも合わせられるモダンさがこちらの魅力。’15年にはエルメスとのコラボレーション扇子を製作するなど、店主の横山夫紀子さんとスタッフの息の合った仕事で常に新しい挑戦を続けている。ニュアンスのある色や繊細な絵付け、竹と紙の組み合わせだけでなく皮革や黒檀なども素材として使用。親骨をくるむフランスのアンティークリネンやレザー、要(かなめ)につける房や扇子入れは好きな色が選べ、誂(あつら)えてスペシャル仕様のマイ扇子を手に入れることも。

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親骨にリネンを巻き込んだ扇子¥25,000

新作の革扇子は各¥38,000 

工房には革や布見本を展示。扇子に合わせて好みのものが選べる房は組み紐まですべて手づくり

工程ごとに専門の職人が担当

☎075・351・7689 
京都市下京区五条通柳馬場西入ル塩竈町379
11:00~19:00 ㊡水曜

2.好みと用途で選ぶ、人柄を表す履きもの ない藤

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最上の足もと

花街の芸舞妓さんをはじめ、きもの好きの間でつとに有名な履きもののお店『ない藤』。「その人に合ったものしかつくらない」を信条として貫き、好みと用途に合うものを見立て、顔の肌映りのよい草履を選んでくれる。古風なウインドーに並ぶ品物はすべて見本で、お客一人ひとりとじっくり話をし、足型の寸法から鼻緒や台を選び、仕立てるまでの注文生産のかたちをとる。盛装ならば白、ふだんならば黒をひとつの目安に、色がそろっているほうが静かに見えるとのこと。控えめな組み合わせに京都らしいわきまえた静かな美がある。

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鼻緒の先の紅が粋な白丹頂草履¥90,000

ひと味違った京履きものが求められる、明治8(1875)年創業の履きもの店。肌映りがよく、履き心地のよい一生ものが手に入る

鼻緒ひとつをとっても布や革などの異なる素材があり、台の形もさまざま 

☎075・541・7110 
京都市東山区祇園縄手四条下ル
10:00~18:30 不定休

3.粋筋の人から支持されるはんなりとした色使いと柄 ゑり萬

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たしなみの風呂敷

和装にかぎらず、バッグにもしのばせておくと、出先でものを包んだり、バッグの中をさりげなく隠したりとなにかと重宝する風呂敷。もし一点持つとすれば、やはり正絹。美しい光沢、包んだときの美しさは別格だ。縄手通りに看板だけをあげるここ『ゑり萬』は染めのきものと和小物ひととおりを扱い、風呂敷は白生地から加工し、独特の染めの色が特徴。派手な色合いのものから洋服にも合わせやすい落ち着いた色合いのものまでそろえ、サイズは3種。花や楓を模(かたど)った絞り模様がなんとも品よく、愛らしい。大人のたしなみとしてそろえておきたい。

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万寿菊と楓の柄の風呂敷。名前を入れればより愛着が増す。大¥35,000~、中¥25,000~、小¥12,000~

古いきものの絞りはしぼの向きや大きさが統一され、より美しい

商品の陳列はなく、希望を伝えるといろいろ見せてくれる

☎075・525・0529 
京都市東山区縄手通新橋角
9:30~18:00 ㊡日曜、祝日不定休(営業する場合は12:00〜17:00)

4.京都で磨かれた目利きと手仕事が生む木の逸品 泰山堂

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上質な折敷

気負いなく使いたい木の道具……なかでも毎日使う折敷(おしき)やお盆はいい素材でつくられた美しい姿のものが欲しくなる。全国各地で選りすぐった銘木を扱う『泰山堂』では好みと用途に合う木をセレクトするところから始め、完成度の高いものに仕上げてくれる。いずれの木も最低5年は寝かせて落ち着かせてから製作。上の入り隅盆は栗の柾目(まさめ)の部分だけを使い、くりぬいているので継ぎ目がなく、立ち上がりの縁や隅の仕上げは凛とした美しさ。つくり込みすぎず、少し引いた仕事に京都らしい気品と風格が感じられる。

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ご主人・村尾泰助さんの木への愛情と見極め、職人の手仕事によって生まれた栗拭き漆入隅盆¥60,000~

黒柿、桑、屋久杉、朴、神代杉でつくった名刺箱¥20,000~ 

木の名品が置かれた店内

☎075・213・0355
京都市上京区新烏丸通丸太町上ル新富町304
来店の予約に合わせ営業。事前に電話にて予約を
不定休 カード不可

5.器文化の発信地京都で洗練の品に出会う 梶古美術

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美しき古い器

骨董好き、器好きにとって京都はとても魅力的な街。茶道具や古道具などいろいろあるが、飾ってよし、使ってよしの器が京都には目移りするほどある。ここ『梶古美術』は京焼をはじめ全国で目利きした時代ものを扱う、地元の料理人にも一目置かれ、信頼を寄せられている古美術商。歴代の樂家や永樂家の器、仁清(にんせい)、乾山(けんざん)、中国の古染付、比較的新しい時代のものであれば北大路魯山人や河井寛次郎もコレクションし、分け隔てなく扱っている。さらに店内に並ぶ器にはすべて時代やつくり手、値段が表記されているので、器の情報が把握でき、点数も豊富。「文化の発信地として多様な作品が生み出され、それはまるで最先端のファッションのようです」と主人の梶高明さん。アドバイスを受け見直すと、交趾(こうち) の気品立つ紫、粉引の肌合い、古九谷の余白の美にすっと目がとまる。更紗や古木を使ったセンスいいディスプレイも必見。

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紫交趾菱形菓子器(永樂即全作)¥160,000

赤楽丸向付5客組(樂宗入作)¥270,000

古染付山水図中皿5客組¥80,000 

(手前)色絵古九谷蔦文皿¥105,000、(奥)色絵古九谷甘手花蝶文皿¥95,000

粉引平皿¥55,000

☎075・561・4114
京都市東山区新門前通東大路西入ル梅本町260 
10:00~18:00 無休
eclat10月号掲載 撮影/内藤貞保 福森クニヒロ エディ大村 取材・文/西村晶子 天野準子 さとうあきこ

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