素敵な人の「自宅の花あしらい」 五選

花上手な人はプライベートではどんなふうに飾っているの? フローリスト、スタイリストなどセンスがいいと評判の5名の自宅をルポ。くつろぎの空間だからこそ、〝がんばりすぎず、シンプル〟が共通のキーワード!

1.自宅での花あしらいは余白を生かしてシンプルに

 花のアレンジメントも、庭に面した大きな窓のあるリビングのインテリアも、好きなファッションも、すっきりシンプルがフラワースタイリストの増田由希子さん流。花への向き合い方も自然体で「仕事柄、いつもたくさんの花に囲まれていると思われがちですが、自宅では1種類の花をシンプルに飾ることが多いですね。庭で育てている季節ごとに咲く花やハーブ、グリーンを少しずつ。そのくらいのほうが私自身、落ち着けるんです(笑)」。
 花を飾る場所を決めておくのもセオリーのひとつ。「わが家では玄関をはじめ、コンソールテーブルやキッチンなど4カ所ほど。定位置があることで掃除の習慣がつき、なによりも花がパッと視界に入ってくると幸せで心が満たされるのを感じます」

“1輪、1種類でも十分。フッとした瞬間、花を目にすることで心が癒されます”

花やグリーンを水に浮かべ初夏のティータイムを演出
高台が高く口の広い和食器を水盤に見立て、水面をのぞかせると目にも涼やか。クレマチスのつるをリース状に配したら「存在感のあるバラは茎を短く切ってローズマリーやタイムと一緒に浮かべ、小ぶりのバラは器の縁にもたせかけて。どちらか一方に寄せて余白をつくるのがコツ」。

茎を見せず傾けることで大輪の魅力を最大限に
大輪のシャクヤクは増田さんの好きな花のひとつ。「茎が見えない長さに切り、花器の縁にもたせかけるように。形のいい葉を添えることで自然に咲くシャクヤクの様子を表現します」。ダリヤやバラにも生かせる簡単で存在感のあるアレンジ。モダンなコントラストをつくるターコイズブルーの花器は、藤本羊子さんの作品。

異なる花材と花器ののびやかさを楽しんで
好きな花を1本ずつ、形の違うガラスベースに生けるだけで、肩肘張らない自由な花合わせと色合わせが楽しめる。「ポイントは花の配置。ビバーナムを主役に決めたら中央に置き、手前には背の低いアリウム、奥には高いデルフィニュームやワックスフラワーを。花の形状をあえて違えてグリーンを加えると動きが出てまとまります」。チェスト上など広めの場所に間隔をあけて飾りたい。

アジサイと北欧花器とのモダンなコラボレーション
ヌメ革で包まれたガラスの花器はスウェーデンのブランド、スモーランズ スキンマニュファクチャー。高低差を生かして壁際のコーナーに。「場所に対して密に並べず余裕をもたせて」。飲料水やジャムの瓶でも代用できる。

フラワースタイリスト 増田由希子さん
ますだ ゆきこ●繊細さと大胆さをあわせもつアレンジメントと、自ら撮影するストーリーを感じさせる写真がインスタグラム(@nonihana_)で大好評。雑誌や花教室を主宰するほか、花器や照明の制作も手がける。著書も多数。

2.気取りのないアレンジには花器の趣と安定感も大切

素敵な人の「自宅の花あしらい」 五選の画像_1

花びらを幾重もまとうクレマチスが、おおらかな大鉢のスモーキーな色調としっくり。つる草は円を描くようにあしらい、クレマチスの茎を挿し込めば吸水フォームいらず。

 壱岐ゆかりさんのお店『THE LITTLE SHOP OF FLOWERS』では色とりどりの花に囲まれていますが、家で飾るのは1種類が多く、混ぜても種類は控えめとか。
「仕事と子育ての慌ただしさもありますが、もともとシンプルなものが好きなんです。茎や枝はほぼ買ったときのまま長く残し、生けるのも無造作な感じに。整えすぎないほうがいきいき見えて、まわりの空気や気分をがらりと変えるパワーを感じますね」
 花器もシンプルフォルムで味わいがある、作家ものやアンティークがお気に入り。「出会いはタイミングですし、長く付き合えるところにも惹かれます。そして、華奢な花にも枝ものにも合い、アンバランスにあしらっても揺らがない安定感といった使いやすさも意識して選びます」。

“花の姿を整えすぎないほうがいきいき見えて、空気も気分も一新”

趣ある花器にのびやかな一輪を
愛らしい小花が集まって咲くアリウム シルバースプリングは、宙吹きガラスの柔らかなフォルムや揺らぎが美しい一輪挿しへ。並べると、リズムが出てますます様に。

ノーブルなシャクヤクを、ユニークな花姿のオンシジウムやドライアンドラ、アリウム スネークボールと。重厚なガラス器で、躍動感のあるアレンジを受け止めて
『THE LITTLE SHOP OF FLOWERS』オーナー 壱岐ゆかりさん
いき ゆかり●インテリアのPR業を経て、’10年に花店『THE LITTLE SHOP OF FLOWERS』をオープン。草花の個性と向き合ったアレンジに定評があり、商業施設やパーティなどのプランニングも手がける。http://www.thelittleshopofflowers.jp/

3.フェミニンになりすぎないよう花の色や種類、花器でバランスを

素敵な人の「自宅の花あしらい」 五選の画像_2

大ぶりのガラスの花器に、紫系のライラック、千鳥草、クレマチス、赤系のスカビオサの花、ミントなどのハーブや葉ものを。リョウブでベースをつくり、大きなアジサイはあえて正面を避け、横向きに。

 フラワー・グリーンスタイリストのさとうゆみこさんが好んで生けるのは紫系の花。「紫が入ると大人っぽくなり、シックな印象に。さらにボルドー、赤系の花を少し足すと、色がつながって陰影ができ、より奥行きが感じられます」。
そこにハーブや葉ものをたっぷりとあしらうことが多いとか。生けるときに心がけているのは、なにかしら男っぽさや毒っぽさ、大人っぽい要素を加えること。
「花ってそれ自体がとても可憐でフェミニンなもの。花材から花器まで、すべてをふんわりと柔らかくまとめるよりも、どこかピリッとさせたほうが、大人の女性にはしっくりくると思います」。エクラ世代が参考にしたい極意である。

“紫系の花とたっぷりのハーブや葉。少し辛口な要素を加えるのがコツ”

庭のハーブや葉でスワッグも
リースより簡単な壁飾り・スワッグが人気。今回はラムズイヤー、カレックス、ティーツリー、セルリアなど主に庭の葉や花で作った。硬めで、水分の少ない葉ものを選ぶと長く楽しめる。

小さな花器をリズミカルに並べ、卓上にさりげなく。可憐なヤマアジサイやクレマチスに、真紅のパフィオペディラムで大人っぽさ、毒っぽさをプラス
ラベンダー、矢車草、ニゲラなどにミント、ローズマリー、フェンネルなどハーブ類を。こちらはあえて男っぽい陶製の器に生けた
フラワー・グリーンスタイリスト さとうゆみこさん
さとう ゆみこ●フラワー・グリーンスタイリスト。『green&knot』(http://malus.exblog.jp/)主宰。フラワーショップやイデーなどを経て、フラワーコーディネート、グリーンアドバイザーと植物にまつわる多方面で活躍。自宅ほかで教室も開催中。

4.居間のチェストで折々の草花を楽しみます

 スタイリストの千葉美枝子さんは無類の草花好きで「小さいころから植物図鑑に首ったけだった」という筋金入り。横山美恵子さんの花の教室にも長年通い、花あしらいに磨きをかけている。
「ところがうちは狭いので、居間のチェストの上しか飾る場所がなくて。この上で、季節の草花やいろいろな花器のしつらいを楽しんでいます」
 食まわりのスタイリストとして、陶芸家、ガラス作家の展示会や工房を訪ねることが多いが、「花器も必ずチェックします。花器を作っていないと知ると、がっかりするほど(笑)」。
 花はもちろんコップや雑器にも生けられる、でも……と千葉さん。
「花瓶として完成した器は、草をざっくり入れても絵になってくれる。花を生けるのが楽しくなります。いい花器を持つことはおすすめです」

“花瓶に力があれば、無造作に生けても素敵なんです”

勝間田千恵子の花瓶の魅力!そこに自然に育ったバラを
「フランスで陶芸を学んだ勝間田さんの花瓶は、それだけでも絵になる存在感。この2つは違う個展で見つけて、『兄弟ね』と思って買いました。並べて使うと、さらに花の空間にスケールが出て素敵です」。バラは滋賀県守山市にあるバラ作家、國枝啓司のばら園「Rose Farm KEIJI」(☎077・585・1133)から取り寄せた「和ばら」。

福森雅武の花瓶に茶花の気分で和蘭を
詫びた風情の小さな和蘭は、伊賀の陶芸家の野趣めいた花瓶に。「茶花の気分で。花瓶の下に板を敷きたいところだけれど、うちは和風の家ではないので、羽生野亜さんの木の敷板との組み合わせです」。

黒田泰蔵の白磁の鉢にグリーンやハーブを盛って
「梅雨が明けて、強い日射しの中を水蒸気がワーッと上がる野原に茂る夏の植物が好き。そんなイメージで、シダ、クレマチスの葉、カラマツソウ、ディルなどを、水盤に見立てた大ぶりの白磁の鉢に盛り込みました」

木村硝子店の花器に月桃を「素直に」生ける
初夏に白い花をつける月桃は「大好きな植物。咲き始めの一輪を生けてみました」。生命力にあふれる南国の植物は、木村硝子店 三枝静代さんの宙吹きの花器に「これはもう素直に生けます」。

スタイリスト 千葉美枝子さん
ちば みえこ●フードスタイリスト。有元葉子さんをはじめ多くの料理家の書籍や雑誌のスタイリングを手がける。5月31日~6月2日に東京・湯島の木村硝子店で、横山美恵子がガラスに花を生けるイベントを企画。

5.あの手この手で、花のある暮らしを味わっています

 スタイリスト・城 素穂さん宅で、まず目をひかれるのは、ペンギンの形(?)の花器。
「陶芸家の小前洋子さんのものです。ほかにも持っているのですが、小前さんの花器はすごくいい! 枝ものも、シャクヤクやユリも、どんな花材も受け止めてくれる包容力があります」
 城さんは花そのものも「容れもの」も好きな人。海外のアンティークや日本の作家ものなどのピッチャー、試験管形のガラスが宙づりになった花器に「今日はどう生けようか」と草花をあしらうことを楽しんでいる。
「でも、花瓶いらずの壁かけのスワッグも大好きです。植物の香りが部屋に漂って、しだいにドライになっていく姿もきれいで長く楽しめます」

“ピッチャーや試験管形の花器、好きな容れものに生けるのが楽しい”

ピッチャーは花を素敵に見せてくれる"花器"
「形のかわいらしいピッチャーは、花を放り込むだけで様になります」。ノルマンディのシードル入れなどのアンティーク、スティーブ・ハリスや辻野剛、一柳京子といった作家ものなど多数。

オブジェのような花器にはランダムに生けて
「個人的にとても好きな花器です。初夏にはクレマチスやアスチルベ、パクチーといった、ピンク系で細くてしなやかな草花をランダムに生けてさわやかに」

もはや「家の一部」。小前洋子の花器で
城さんお気に入りの小前洋子の花器は、かなり大ぶりで居間の本棚の上が定位置。そこへマグノリアの枝を高く生けると、たちまち部屋がアーティスティックなムードに。

スワッグは香りも長く楽しめる
「スワッグはドロップ形のリースで、水をあげなくてもいいのでラク(笑)。ユーカリなどで作られたスワッグは、いつもお願いしているお花屋さんNOBILISの作」

スタイリスト 城 素穂さん
じょう もとほ●’08年よりベルギーのレストランで食ともてなしを学び、帰国後、さらに磨きのかかった食とインテリアのスタイリングを。『大人のもてなし とっておきの時間 素敵な食卓』(講談社)の著書あり。
eclat7月号掲載 撮影/増田由希子(増田さん分) 田上 隆(壱岐さん分) 緒方亜衣(さとうさん、千葉さん分) 白石和弘(城さん分)
取材・文/向井真樹(増田さん分) 高井法子(壱岐さん分) 鈴木奈代(さとうさん分) 白江亜古(千葉さん、城さん分)

ranking

what's new

pick up

recommend

feature

recommend

人気のヘルスケア記事がWebエクラにお引越し! ウェルビーエクラSTART! eclat Gourmet&Voyage eclat Maison
洗練アウター&おでかけ着で始める春支度 スタイリスト・村山佳世子×RED CARDTOKYOの大人気コラボ、第6弾! Room no.8 for E by éclat 大人のための「春レース」誕生! クリーンカラーの春スニーカー