冬の京都は美食の宝庫! 海老いも、金時にんじん、冬大根。ほっこり温まる根菜が充実した京の野菜に、一度は食べたい冬の牛肉鍋と、いのしし肉を堪能する極上鍋。どれをとっても滋味深く、そのおいしさは格別のもの。旅行客の少ない冬こそ、美味を求めて、京都へ。
1.地元農家の根菜で作るシンプルで滋味深い野菜料理
『おが和』
京都屈指の人気割烹『祇園さゝ木』で長年煮方を務め、’10年に独立した小川洋輔さん。師匠譲りの旬の魚を大胆に使う一方、必ずコースで野菜料理を1、2品出し、素材本来のおいしさでサプライズを誘う。「2年前に修学院の農家・音川さんが作る野菜に出会ってから野菜料理がぐんとシンプルになりました。根菜は身も皮も軟らかいので炊くか焼くだけ、葉野菜はおひたしにするだけでおいしいんです」と自身の料理の変化を語る。堀川ごぼうや百合根は生から焼き、丸大根や金時にんじんはだしで炊いて粕汁仕立てに。海老いもはから揚げをれんこんのすり流しと合わせるなど、どれも取り合わせの妙とひと手間がある。
☎075・525・3327
12:00スタート、18:00~20:00(入店)
㊡日曜、不定休あり、12/31~1/5
カウンター7席 ※要予約
昼のコース¥6,000、¥9,000、夜のコース¥18,000~(ともに税・サ込)
2.丹後から届く野菜の野趣味を、一棟を貸し切り、味わいつくす
『丹』
朝と昼は大テーブルを囲んでお客同士で料理を取り分け、夜は暖炉のある空間をひと組で貸し切り。いずれも野菜主体の料理が楽しめる。「食材そのものの持ち味や鮮度を生かしつつ、繊細で美しい仕立てにするのがテーマ。夜はお客さまおひと組だけなのでご要望に応じて肉を焼いたり鍋をご用意することもできます」と話すのは店を任されている北嶋靖憲さん。15年勤める『和久傳』の発祥の地・丹後の食材を厳選し、野菜は無肥料無農薬の自然農法で育てられたものを使っている。どれも見た目はシンプルだが、水分をほどよく残したり、だしを含ませるなど、絶妙の加減でおいしさを引き出している。
☎075・533・7744
8:00/9:00(二部制)、12:00~14:00(LO)、18:00~21:00(LO)
㊡月曜(祝日の場合は火曜休)、1/1 1階テーブル10席~14席、2階カウンター6席、テーブル7席
※予約がベター、夜は完全予約制
カード不可 朝の献立¥2,500、昼の定食¥3,000~、夜のコース(貸し切り5名~)¥10,000~(すべて税込)
3.個々に仕込んだタネをひと鍋に。炊き合わせのような洗練のおでん
『蛸長』
「タネはおでん鍋に入れる前にそれぞれ調味して味を完成させています。鍋の中ではタネを温めるだけ。だしでできた共同浴場のようなもんです」とご主人の河合達也さん。美しい銅鍋に20~25種類のタネを並べ、冬になると大根や堀川ごぼう、海老いもなど、京都ならではの滋味豊かな根菜が登場する。仕込みはどれも工夫と手間があり、丸2日かけてだしを含ませた大根は食す直前に生の大根を乾燥させたパウダーをひとふり。堀川ごぼうは素揚げにしてから昆布を巻いて品のよい味に仕立てている。たっぷりと添えられる九条ねぎもうれしい。寒空の下、並んででも味わいたい逸品がそろう。
☎075・525・0170
10月~3月は17:30~21:30(LO)、4月~9月は18:00~21:30(LO)
㊡水曜、12/31~1/5
※予約不可 カード不可
カウンター14席
予算1人¥7,000~
4.かぶらの甘味をまとわせた絶品牛肉。5代目考案のヘルシー鍋
『三嶋亭』
誰もが知るすき焼きの名店『三嶋亭』の「みぞれ鍋」は、牛肉をヘルシーに味わえるように、と5代目・三嶋太郎さんが考案した鍋。「おろしたかぶらをたっぷり加えただしで味わっていただくしゃぶしゃぶです。肉のうま味とかぶらの独特の甘味を感じていただけ、煮るにつれてだしにコクが増し、野菜もおいしく召し上がっていただけます」。牛肉は主人自らが肉と脂の質、飼育環境を見ながら厳選した黒毛和牛を用い、通常のしゃぶしゃぶより厚い3㎜前後にスライス。まずはみぞれと、次に柚子こしょうや黒七味をかけて食すと味に変化が生まれ、肉のうま味が口いっぱいに広がる。
☎075・221・0003 11:30~20:00(入店)
㊡水曜、1/1 ※要予約
座敷11室、掘りごたつ座敷7室、広間1室、大広間1室
みぞれ鍋は¥14,850(11月~2月、2日前までに要予約)、通常のコースは昼¥7,722~、夜¥14,850~(すべて税・サ込)。
12/28~1/4は夜のコースのみ
5.すっぽん、いのしし肉、冬野菜。おいしさと美しさの源を味わう
『右源太』
川床や紅葉の名所のイメージがある貴船で、冬だけ味わえる名物の「氣生根鍋」。「メニューにするつもりはなかったのですが、試行錯誤の末、料理人の集まりの席で出したら評判がよく、寒い冬の間だけお出しするようになりました」とは当代主人・鳥居宏行さん。特徴は、贅沢な食材使いと食べすすむうちに生まれる味の変化。すっぽん、いのしし肉、冬野菜、雑炊がひと鍋でコースのように楽しめる。まずはすっぽんのスープで身やエンペラを味わい、次にいのしし肉を投入。野菜、雑炊まで食材を加えるごとにスープのうま味が増し、体はポカポカ、おなかはいっぱいに。その名のとおりいい気が生まれそうだ。
※お店はすべて京都市内です。