贅沢素材こそ、日常に。三ツ星料理人の“気分が上がる鍋”レシピ 五選

まだまだ冬の食材を堪能できる時期、「食材や調味料の組み合わせの新鮮味。うま味と香りをいかにうまく出すか。この2点に留意して、少しだけ贅沢な鍋を考えてみました」と話してくれたのは、「虎白」料理長の小泉瑚佑慈さん。三ツ星料理人の極意は、組み合わせの妙とうま味&香りにあり!

1.エビの辛味鍋
エビは必ず有頭殻つきを。殻ごと焼いて、香りをしっかり出すのがコツ。薬味は炒めることで風味がさらにアップ。

【材料(4人分)】 エビ(有頭殻つき) 8尾 長ねぎ 2本 厚揚げ 1枚 温泉卵(市販) 4個 A  しょうが(みじん切り) 小さじ1  にんにく(みじん切り) 小さじ1  赤とうがらし(小口切り) 1本分 ごま油 大さじ3 ラー油 適量 八方だし  だし 1ℓ  薄口しょうゆ 40㎖  みりん 35㎖ 【作り方】 ❶エビは背わたをとる。長ねぎは斜め薄切りにする。厚揚げはグリルまたはオーブントースターで焼き、8等分にする。 ❷鍋にごま油とAを入れて弱火にかける。香りがたったら、エビを入れてよく焼きつける。 ❸②に八方だしの材料を入れる。沸いたら、①の厚揚げと長ねぎを入れ、火が通ったら温泉卵を入れる。仕上げにラー油を回しかける。 【鍋奉行ポイント】 薬味の風味をしっかり引き出してから、エビをよく焼きつける。殻の香ばしさが出て、魚介のくさみが消える。うま味も出るので、必ず有頭殻つきのエビを使うこと。
2.金目鯛の姿鍋
金目鯛の華やかな姿を丸ごと鍋に。締めの雑炊や麵のかわりにしらたきを加えてボリュームアップ。

【材料(4人分)】 金目鯛 1尾(約600g) 長ねぎ 1½本 香菜 1束 しらたき 1袋 八方だし  だし 1ℓ  薄口しょうゆ 40㎖  みりん 35㎖ 【作り方】 ❶金目鯛を霜ふり(熱湯を全体にかける)にする。 ❷しらたきは熱湯にさっと通し、ザルに上げ、食べやすい長さに切る。 ❸長ねぎは芯をとり、白髪ねぎにする。香菜は根を切り、粗みじん切りにする。 ❹鍋に八方だしの材料を入れて沸かし、①の金目鯛、②のしらたきを加える。金目鯛に火が通ったら③をのせて火を止める。 【鍋奉行ポイント】 しらたきでボリュームアップ。これで、締めの雑炊や麵いらずに。しらたきは、細めのものを使ったほうがおいしい。金目のだしでいただくしらたきはおかわり必至!
3.海鮮鍋
にんにく、赤とうがらしを炒め、素材すべてに焼き目をつけてから鍋仕立てに。少量のトマトでコクを加えて。

【材料(4人分)】 ゆでダコ 2本 イカ 1/2杯 カキ 4個 ブロッコリー 1/2個 ズッキーニ 1½本 しいたけ 大2個 トマト 小1個 にんにく(みじん切り) 1片分 赤とうがらし 1本 白ワイン 大さじ3 オリーブオイル 大さじ3 八方だし  だし 1ℓ  薄口しょうゆ 40㎖  みりん 35㎖ 【作り方】 ❶ゆでダコはひと口大に切る。イカはわたをとり、ひと口大に切る。カキは流水でよく洗う。ブロッコリーは小房に分ける。ズッキーニはひと口大に切る。しいたけは石づきをとり、ひと口大に切る。トマトはサイの目に切る。 ❷鍋にオリーブオイル、にんにく、小口切りにした赤とうがらしを入れて、弱火にかける。香りがたったら、中火にし、①のトマト以外をすべて入れて表面に焼き色がつくまでひっくり返しながら炒める。 ❸白ワインを加え、八方だしの材料とトマトを入れて、具材に火を通す。 【鍋奉行ポイント】 南仏料理「ラタトゥイユ」の作り方にヒントを得た海鮮鍋。素材をすべてオリーブオイルで炒めてから、だしを加える。魚介のくさみが消え、香ばしさがアップ。
4.鶏肉とかぶのみぞれ鍋
鶏肉は皮目に焼き目をつけて香りを出して。柚子こしょうを最後に溶き入れ、各自で、塩ウニをのせるのが味の決め手。

【材料(4人分)】 鶏もも肉 1½枚 かぶ 5個 かぶの葉 3個分 A  だし 1ℓ  薄口しょうゆ 40㎖  みりん 35㎖ 水溶き片栗粉 小さじ2 柚子こしょう 適量 塩ウニ 1瓶(約60g) サラダ油 適量 【作り方】 ❶かぶは皮をむいて2個は4等分に切り、3個はすりおろす。葉は小口切りにする。 ❷フライパンにサラダ油を入れて中火にかけて熱し、鶏肉の皮目を焼き色がつくまで焼き、ひと口大に切る。 ❸鍋にAを入れ、①のかぶのすりおろしを加え、水溶き片栗粉を加えてとろみをつけたら、②の鶏肉と①の4等分に切ったかぶを入れる。火が通ったら、かぶの葉をのせ、さっと火を通す。 ❹③に柚子こしょうを溶き入れ、器に盛る。塩ウニを各自のせていただく。 【鍋奉行ポイント】 各自で取り分けたら、瓶詰めの塩ウニをたっぷりのせてどうぞ。ウニの風味が優しい味を引き締める。塩ウニは、スーパーで入手できるリーズナブルなもので十分。
5.和牛と花椒の香り鍋
牛肉は大ぶりに切ってうま味を味わう。花椒は煎って香りを出し、辛さとしびれる風味の大人味に。

【材料(4人分)】 和牛(シチュー用もしくはかたまり) 350g 好みのきのこ 3〜5種類×各1パック (写真は、ひら茸、舞茸、えのき茸、やなぎ茸、あわび茸各1パック) だし 1ℓ 赤味噌 120g 春菊 1/3束 花椒 小さじ2+2 サラダ油 適量 【作り方】 ❶牛肉はかたまりであれば、大きめのぶつ切りにする。きのこ類は石づきをとるものはとり、大きめに切る。春菊は細かく刻む。花椒はすり鉢でする。 ❷鍋にサラダ油と①の花椒小さじ2を入れて弱火にかける。香りがたったら、①の牛肉を入れて表面に焼き目をつける。 ❸②にきのこ類を入れてさっと炒め、だしを加える。沸いたら赤味噌を溶き入れる。 ❹仕上げに①の春菊と花椒の残り小さじ2をかける。 【鍋奉行ポイント】 花椒はつぶすか、すり鉢ですって、油で香りが出るまで炒める。そこに、牛肉を入れて、すべての表面に焼き目をつける。牛肉のうま味が閉じ込められ、花椒のさわやかな辛味が合わさって、パンチのある味に。シンプルな鍋だからこそ、下ごしらえで手抜きしないように!
eclat2月号掲載 撮影/合田昌弘 スタイリスト/肱岡香子 取材・文/北村美香

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