謎の鮨フェチ・グルメマダム、N山K子が厳選! 東京「イケてるお鮨」 五選

東京は今まさに、"鮨バブル"。実力店が群雄割拠する時代。あらゆる美食に通じながら「今、自腹で行きたいと思うのは、一も二もなくお鮨!」と話すN山さんに、大人の女性が心から満足できる店を指南いただきます。

1.何もかもが極上! 唯一無二の初音劇場『初音鮨』

カウンターはウォールナット材のL字形。インテリアは鮨屋らしからぬモダンさである。大将の中治勝さんが登場しゲストの前で酢めしをきり終えると、超豪華素材のオンパレード、「初音劇場」の始まりだ。
「大将と女将さんのかけ合いから、一貫ずつの出し方まで、すべてが唯一無二のエンターテインメント。お鮨を食べ慣れた目上のかたをお連れしても必ず喜ばれます」と、N山さん。マグロは下田産や銚子産、その日の一番をかたまりから切り出し、約35℃のしょうゆでヅケに。松葉ガニや伊勢エビは生きたままの姿を見せてから調理し、ウニは産地もブランドもわかる箱ごと、まずカウンターへ。「嘘偽りいっさいなし」とすべてをゲストの前で行うのがスタイル。中治さんの軽妙な口上に終始ゲストがわき、女将のみえ子さんのおっとりした合いの手に、また笑いが起こる。
 極上素材と真心のもてなしが織りなす“鮨ライブ”は、「満足感」をはるかに超えた感動体験だ。

’18年11月、改装を経てリニューアルオープン。内装設計は『大浦比呂志創作デザイン研究所』による。現在、勝さんとみえ子さんの愛娘、睦さんも若女将として活躍
松葉ガニのほぐし身とカニ味噌のリゾット。生きた状態を見せてから15分蒸し、スタッフ総がかりでカウンターでほぐし身に
エゾバフンウニ、紫ウニの小丼
スミイカと自家製カラスミは、塩気と甘味、食感の妙を味わう一品
天然トラフグの白子の炙り
東京都大田区西蒲田5の20の2
☎03・3731・2403
15:00~、17:00~、19:00~(3部制)
㊡水・木・日曜、祝日
※コース¥48,600(税込)~
(事前決済または現金のみ)

2.ウニにマグロは鮨の華。銘醸ワインとともに『鮨 尚充』

毎日営業直前に剃り上げるピカピカの坊主頭に、エルメスのスカーフのねじり鉢巻き。カウンターにはルイ・ヴィトンのネタケースが鎮座する。ムードはかなりイケイケだが、店主の安田尚充さんは16歳から自由が丘『鮨幸』一軒で14年間もの長きにわたり修業。親方も公認の独立時からのゲストに愛され続け、「お陰さまで、開業から8年、毎日満席です」と、話す笑顔はすこぶるさわやかだ。
「華やかさがあり、スタッフも充実していて大将を筆頭にサービスもきめこまやか。プライベートではもちろん、接待にもいい店です」と、N山さん。
 鮨だねで力を入れるのは、一も二もなくウニ、そしてマグロ。逸品つまみとにぎりを織り交ぜたコースのハイライトとしてそれぞれを2、3貫ずつ出し、味の違いを楽しませる。ワインはシャンパーニュ、ブルゴーニュを中心に自然派からグランヴァンまで、ツボを押さえたセレクト。
 気分がアガる、そしてご主人と鮨から確実にパワーをもらえる。心から楽しめる上質なワクワクがある鮨店である。

ゴージャスなアイテムを配しつつ、品のある空間。器や花のしつらえにもセンスがにじむ
熊本県天草産の紫ウニ。小粒でしっかりとした磯の香りがある
赤身のヅケ。マグロは高級鮨店、割烹御用達の仲卸『やま幸』から
大トロ。脂の甘味がまろやかな酸味とうま味のある酢めしと引き立て合う。酢めしは水分量や粒の大きさを考慮した3種の米を合わせて炊き、酢も赤酢、米酢3種をブレンド
長崎県小長井産のカキ、シャンパーニュとともに。
山口県下関産天然トラフグの白子を炙り、オシェトラキャビアをのせて。クリーミーな甘さとうま味たっぷりの塩気が溶け合う
東京都目黒区青葉台1の28の2
☎03・3712・6999
18:00~、21:00~(2回制)、土曜のみ昼営業12:00~
㊡日曜、祝日
※コース¥23,000~。予約は予約サイト「OMAKASE」で

3.基礎と発想力で勝負。人気沸騰中の新店『鮨 由う』

「にぎりの一貫目は春子(カスゴ)と決めています」と、尾崎淳さん。春子は鯛の稚魚の総称だが、身が軟らかい血鯛の稚魚を使用。軽い昆布締めで、みずみずしいうま味を存分に楽しませる。脂ののった高級魚は鮨の花形だが、「小さな魚に手間をかけて味をつくる」のが身上。長く修業した鎌倉『以ず美』で覚えた仕事だ。そんな職人気質のきまじめさは内に秘め、ゲストの前では徹底したエンターテイナーに。
オリジナルの「プリン巻き」は、提供時のパフォーマンスも含めた“名物”。N山さんも「個室もあり、鮨ビギナーの友人たちとの女子会にもよさそう」と、次の訪問の機会をねらっているところ。

4名までの個室あり
対馬産のブランドのどぐろ「紅瞳」は脂のりが段違い。焼いて酢めしの上にのせて
ペースト状にしたあん肝を酢めしと合わせ、すいかの奈良漬け、きゅうりと巻いた「プリン巻き」。尾崎さんのパフォーマンスは、店を訪れてのお楽しみ
右からコハダ、中トロ、春子鯛。マグロは国産にこだわらずいいものを、コハダはふっくらした仕上がりに。酢めしは山形県産「つや姫」を約1年「蔵寝かせ」で熟成させて使用。赤酢と塩だけでキレのある味に
東京都港区六本木4の5の11 ランド六本木ビルB1
☎03・3404・1134
17:30~、20:15~(2部制)
㊡日曜、祝日 ※おまかせコース
¥20,000~。5月、系列店が広尾に

4.知識と技で極める味。春は貝もいろいろ『すし匠まさ』

つまみとにぎりが交互に出るスタイルは、修業先『すし匠』を踏襲するが、驚くのは50を軽く超えるという品数。数もさることながら、ひと口の酒肴にいたるまでこまやかな仕事が施されていて、扱う魚種も幅広い。ふだんは鮨屋でも「食事と会話を楽しむ派」のN山さんだが、ここでは岡正勝さんの熱に引き込まれ、ついつい魚の話に没頭してしまうのだとか。「知識や経験値にかかわらず誰にでもわかりやすい説明で、カウンターに一体感が生まれるんです」とも。
 酢締めや塩締めは、魚の状態に応じて1分刻みで時間を決め、ほかの職人が使わないような部位も、炙るなどして酒好きが喜ぶ一品に。春はツブに北寄と、貝類にも力を入れ、卵巣や白子つきの希少なものも登場する。食後はさすがにおなかいっぱいになるが、メリハリのある鮨だねとまろやかなうま味のある酢めしが一体になった小ぶりなにぎりは、永遠に食べ続けられそうな錯覚に陥るほど!

7席のみの、こぢんまりとした店で「隣のお客との会話も自然に始まる」と、N山さん。白木のカウンターがすがすがしい
カワハギと肝のにぎり。肝の味の安定感を求め、カワハギだけはあえて養殖を使う
和辛子をのせたカツオのヅケ
アオヤギ。貝類は今が旬
サワラの昆布締め。冊ではなく、切り身にして短時間締めることでみずみずしさと風味をあわせもつ仕上がりに
のどぐろの炙り
コハダ
煮アナゴ。煮汁の中で冷まし、ピンセットでていねいに骨を抜く
ブリ。より脂の多い背側の部位でわさびを巻いたつまみを添えて
東京都港区西麻布4の1の15 セブン西麻布B1
☎03・3499・9178
18:00~24:00
(日曜・祝日~23:00)
㊡月曜(不定休あり)
※コース¥25,000~

5.職人の人柄が表れた、誠実で食べ疲れない鮨『鮨 てる』

価格で鮨店を選ばないN山さんだが、「味と居心地に満足した店が、結果的にリーズナブルだった」と絶賛するのが『鮨 てる』。食材の派手さやパフォーマンス勝負ではなく、魚は定番を中心に、つまみで季節感を添えて。奇をてらわないぶん、仕事がまっすぐ味に出る。薬味の香りの効かせ方が秀逸なつまみ、粒の立ったまろやかな酢めしと鮨だねの食感が織りなす、咀嚼してうまいにぎり。宮﨑智弘さんが夫婦ふたりで切り盛りする店だが、アットホームとは一線を画す、凛とした空気も心地よい。
ちまたの鮨バブルなどどこ吹く風、路地裏で静かに味を知る大人を引き寄せている。

カウンターにはハンス・ウェグナーの椅子。器使いにも夫妻のセンスを感じる
お造り。鯛は2日間寝かせて落ち着かせ、アイナメは食感を損なわないよう朝締めのものを提供
コースはつまみに始まり、にぎりに移行するスタイル。にぎりは約10貫。アナゴは、口の中で酢めしの粒の間に溶け入り、一体になるような軟らかさ
香り、甘味を引き出したエビが酢めしの熟れたうま味と合う
春子鯛。みずみずしさを残した締めかげんで
東京都新宿区荒木町7
☎03・5379・8138
17:30~23:00 ㊡日曜、祝日
※予算¥15,000~¥20,000。
予約は2カ月先までの分を常時受け付けている
eclat5月号掲載 撮影/海老原俊之 牧田健太郎 取材・文/佐々木ケイ

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