持つ人のアイデンティティを物語り、さらにその人の代名詞にもなりうるステディバッグ。各ブランドの新アイコンバッグから、今、大人が選ぶべきものを厳選。そのデザインの背景と使いやすさの秘密をご紹介。
1.グッチの「シルヴィ」
ネイビー×レッド×ホワイトのトリコロールのショルダーストラップがクラシカルさの中に華やかさを醸し出す個性的なデザイン。本体は丈夫なスムースレザーで、内側はベージュのスエードライニング。
ディテールに宿るアーカイブへのリスペクト
クリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレによるグッチの’17年春夏コレクションは、すべてのハンドバッグに、さまざまなモチーフ、マテリアル、グラフィックの融合による折衷主義的な装飾が施され、グッチ独自の世界観を表現。世界中のファッショニスタから熱い視線が集まっている。なかでもクラシカルスタイルのバッグはさらに進化。注目したいのは、トップハンドルフォルムの「シルヴィ」だ。コンパクトなミニバッグは、レザーに埋め込まれたウェブ ストライプをゴールドチェーンとバックルが飾り、ぐっとエレガントな雰囲気に。ラグジュアリーな印象を醸し出す要因となっているメタル バックル クロージャーは、グッチのアーカイブにヒントを得たもので、ウェブ ストライプとの組み合わせで大人の心をつかむ個性を演出。レザーショルダーストラップと、それとは趣の違うトリコロール ショルダーストラップがついていて、3つの表情を楽しめるのもうれしい。
2.シャネルの「ガブリエル ドゥ シャネル」
ストラップはゴールドとシルバーのメタルを編み込んだ2連チェーンで、ワンショルダー、クロスボディ、両肩に1本ずつでリュック風にと、幾通りもの持ち方が可能。本体はエイジド加工を施した、軽くしなやかなキルティング。
こなれたヴィンテージ感と体に添う快適さが最大の魅力
ガブリエル シャネル、通称ココ シャネルは、ハンドバッグが主流だった時代、両手が使えず不自由だった女性たちのために、ショルダーバッグを提案。女性の動きを解放する、機能的かつ美しいシルエットのバッグで、ファッションとアクセサリーの世界に革命を起こした。そんな彼女の精神を継承したのが、カール ラガーフェルド。30年以上にわたってこのメゾンの伝統を継承し、その歴史に輝きを与え続けてきた彼が、’17年春夏プレタポルテ コレクションショーで発表した新しいハンドバッグが「ガブリエル ドゥ シャネル」。ガブリエル シャネルの哲学にのっとり、快適さを追求したデザインは、体や足どりに自然に添い、持つ人の動きを妨げない。さらにボトム部分はかっちりした硬い革、本体にはソフトなカーフを合わせ抜群の安定感を実現。実用性と美しさ、力強さとエレガンス、相反する特徴を見事に融合させた。女性の快適さと自由を第一に考えていたガブリエルへのオマージュともいえる、今一番の注目バッグだ。
3.セリーヌの「クラスプ」
シャープなラインと伝統的なダブルガセット構造で、きちんとしたデザインはキープしながらも抜群の収納力を実現。レッドは内側がブラック、ブラックは内側がレッドと、ナッパラムスキンによるコントラストの効いたライニングもしゃれっ気たっぷり。
ヴィンテージ風のデザインでふだんの装いを格上げ
次々と魅力的なバッグを発表しているセリーヌ。その快進撃のスタートは、フィービー・ファイロがクリエイティブ・ディレクターに就任した’08年。’14年には、タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出され、さらにエリザベス女王から大英帝国勲章"オフィサー"を受章した彼女が、35歳の若さで発表した「ラゲージバッグ」は、そのインパクトあるデザインが話題になり、世界中で一大ブームに。就任10年目の今季、ランウェイの視線を釘付けにしたのが「クラスプ」だ。ヴィンテージ風のクラシカルなデザインに、シンプルな真ちゅうのとめ金がエレガントなバッグで、ディテールはすべて精密な手仕事から生み出されているのが特徴。例えば、トップハンドルは気の遠くなるような時間と数多くの工程を経て洗練の曲線美を描き、光沢のあるスリークカーフスキンは透明なワックスを表面にていねいに施すことで控えめなツヤを実現。大人のための新アイコンは、カジュアルな装いに合わせても新鮮だ。
4.フェンディの「ピーカブー エッセンシャル」
写真のブラック×ベージュのほか、ダークブラウン×グリーン、ペールブルー×ダークブルーといった、いずれもエレガントなカラーパレット。「一生もののバッグ」を求める、クールで洗練された女性のためのまさに極上のバッグ。
時とともに美しさを極める、時代を超越するバッグ
1925年に毛皮工房併設の皮革製品店として創設されたフェンディは、世界のハイブランドに先駆けてステッチ技法やエナメルレザーを取り入れるなど、新しい技術と確かな伝統、その両方をあわせもつ。その歴史の中には、世界的なブームを引き起こしたバッグはいくつもあるが、’09年にコレクションデビューして以来、ブランドのアイコンとして不動の地位を占めているのが「ピーカブー」。その「ピーカブー」が進化し、よりシンプルに洗練されたコレクションとして昨年発表されたのが「ピーカブー エッセンシャル」だ。同コレクションは、まさに"引き算による"ラグジュアリーが最大の魅力。中央のバーなど、「ピーカブー」を象徴する構造上の特徴を軽量化し、外側にも内側にも最高級のレザーを使用。はぎ目のない一枚革を使い、非常にソフトなバッグに仕上げられていて、なめらかでうっとりするような触感はまさに絶品。「ピーカブー」愛用者も「ピーカブー」初心者も、間違いなく虜になる逸品だ。
5.プラダの「ビブリオテークバッグ」
ホワイトにピンクのアクセントが効いた遊び心あふれるカラーリング。フラップつきのポケットはかわいらしさと防犯性も兼ね備えた心憎いデザイン。
キュートなカラーリングと驚きの使いやすさに注目
エクラ世代にはおなじみの、ミウッチャ・プラダが生み出したシルクのように軽く丈夫で撥水性のあるプラダを代表する素材のひとつ、ナイロン素材のバッグのほか、いくつもの魅力的なバッグをヒットさせてきたプラダ。’17年の今、私たちを虜にするアイコンバッグは、クリーンで直線的なデザインと、"図書館の棚に並ぶ貴重な書籍"を思わせるサイドに施されたプリーツが特徴の「プラダ ビブリオテークバッグ」。正面顔は、シンプルで上品な印象だが、サイドのたっぷりしたプリーツで開口部が大きく開き、驚くほど使いやすく収納しやすい。ボディには、独特の細かいすじ模様の型押し加工を施した牛革「サフィアーノレザー」を使用。独特のラグジュアリー感をもちながらも、キズや汚れがつきにくく撥水性も高く丈夫なのが特徴。大人の日常使いにふさわしい才色兼備バッグの登場だ。
※この特集内のサイズ表記は、H=高さ、W=幅、D=マチ、単位は㎝です。