「時計は、新しい景色を重ねストーリーを紡いでくれる、灯台のような存在」ときっぱりと語る大草直子さん。譲り受けたもの、理想を重ねたもの……。大草さんの人生に寄り添ってきた愛用品にまつわるエピソードを聞いた。
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夫婦でシェアするからお互いの絆も深まる
呼吸もぴったりの大草さんご夫妻。ストラップの時計はシェアすることが多いのだそう。この日の大草さんは、咲き誇る花のような春らしさと美しい立体感のあるブラウスとデニムのカジュアルスタイル。どこかリッチで女性らしいコーディネートの手もとを飾るのは、20代のころから愛用しているジャガー・ルクルト。夫のチャーリーさんはミリタリージャケットに、IWCの時計を。マイルドなレッドゴールドが上品さをさりげなく添えて。
[大草さん]ブラウス¥59,400/エストネーション(レジーナ ピョウ) パンツ¥28,380/ショールーム セッション(サージ) ピアス¥46,200(アグメス)・リング〈右手薬指下〉¥315,700(キウナ)/以上エスケーパーズオンライン [チャーリーさん]ジャケット¥77,000/マディソンブルー Tシャツ¥9,350/インターブリッジ(マジェスティック フィラチュール) パンツ¥20,900/ゲストリスト(レッドカード トーキョー) メガネ¥36,300/モスコット トウキョウ(モスコット)
大草直子が語る、これまでに出会った時計たち
大草さんが初めて手にした、いわゆる名門時計ブランドの一本はジャガー・ルクルト。
「祖父から受け継いだのがちょうど20歳のころだったと思います。生前、70歳を過ぎてから北半球をひとり旅した祖父が、その途中にヨーロッパで購入したものだと聞いています」。大草さんにとってこの時計は、時を見るための道具というより、お爺さまの“記憶”。
「夫のチャーリーも愛用しています。夫と祖父は会っていませんが、この時計でふたりがつながるのもうれしいですね。高校生の息子にもこの時計のストーリーを伝えているので、いずれは彼に譲ろうと思っています」
それから30代後半までは自分のための時計が見つけられず、ようやく出会えたのがIWCの「ポルトギーゼ」。女性にはかなり大きめのフェイスだが、むしろそこが気に入って入手した。
「悩んでいたわけではないけれど、いろいろ考えていたころでしたね。仕事も、なりたい自分も。この時計はまさに“理想”で、少し先を灯台のように明るく照らしてくれました。私を引っぱり、導いてくれたんです。あのとき選んでいてよかったとつくづく思います」
ジャガー・ルクルトの「レベルソ」はその翌年に購入した。「白のカリッとした明るさが手もとに灯る感じが好きで、季節を問わず登場頻度の高い一本です」。スクエアのフェイスと、ホワイトとゴールドのコンビネーションが優雅な一本は、いずれお嬢さんにと考えているそう。
そんな大草さんが、今また新たなる時計を探したいという。
「年齢的な気持ちの変化もありますが、コロナ禍で自分への向き合い方、家族や、家にかける愛情も変わりました。バッドサイドもたくさんあった3年間ですが、グッドサイドもたくさんあったと思うんです。それもあって、これまでとは違う『時』を求めていますね。今の時間の流れ方、今の時をともに泳いでくれる、そんな時計に出会えたらいいなって。改めてそう思っているんです」
子供たちへとつないでいきたい、夫ともシェアする特別な3本
(右)ジャガー・ルクルトの「メモボックス・ワールドタイム」。「焼けたフェイスと新たにつけ替えたベルトのこの雰囲気がとても好き。夫も大切にしてくれてうれしいです」。(中)表と裏で表情が異なるジャガー・ルクルトの「レベルソ・デュエット・デュオ」。「昼と夜の異なる時間軸をスイッチできる感覚がロマンチックで素敵」。(左)IWCの「ポルトギーゼ・クロノグラフ」。「シャツやジャケットの日に頼ることが多いですね。全身がぐっとキマって、いい役割を果たしてくれます」
インスピレーションのままにコレクション入りする時計たちも
大きめのフェイスは優美なレッドゴールド。「地金のアクセサリーをつなぎ、手もともぐっと洗練されます」。時計(IWC)
右)白いスニーカー感覚というエルメスの「アップルウォッチ」。リラクシーなドレスにハイテク時計というギャップのあるパリマダムの着こなしに感化されたそう。(中)初めてのステンレスのブレスレットウォッチはジラール・ぺルゴの「ロレアート」。「八角形の優美なベゼルにダイヤモンドが女性らしくて。ブルーの文字盤もワードローブにマッチします」。(左)カルティエのヴィンテージ「クッサン」は、ドレスウォッチとしてきものの日にも
※時計および記事中の特記しないアイテムはすべて大草さんの私物です。ブランドへのお問い合わせはご遠慮ください ※エクラ2022年5月号掲載