いつでも一番好きな色は? 好きな家具の質感は? 飾りたいアートは?eclat8月号では、大好きな空間を手に入れた和央ようかさんの空間づくりをご紹介。
窓から自然光がたっぷり入り訪ねる友人たちもハッピーに
玄関に入ると、そこには、川を望む大きな窓から射し込む明るい日の光に満ちた、優しさあふれるエレガントなブルーの空間が広がる。
「この部屋、好きだな〜」
旅行の多い和央さんが自宅に戻ったときに、しみじみそう思えるという。そしてご主人も「ここはいい住まいだね」と。和央さんが作曲家でミュージカルの脚本家でもあるフランク・ワイルドホーン氏と結婚し、ニューヨークに住むようになって2年。住まいは「心地よくありたい」と願ってインテリア・デザイナーに依頼し、新婚早々から理想の住まいを目ざして内装をデザインした。最初に考えたのは「明るい住まい。人が訪ねてきてハッピーになれる住まい」。まず窓からの自然光が部屋にたっぷり注がれるように、あえてカーテンはつけなかった。そしてこだわったのがブルーを基調にしたインテリア。
「私と彼の共通点は水が好きなこと。彼はニューヨークだったら川沿いに住みたい人。私は海が好きで、ブルーという色も好き。ブルーに囲まれると心地いいので、インテリアもブルーを基調にしたらどうかしら?と。すごくいい感じになったと思います」
和央さんがブルーという色の魅力に強く惹かれるようになったきっかけは、宝塚の舞台に立つようになって5年ほどたったときに始めたダイビング。根っからの研究熱心が高じて、四六時中舞台のことばかり考えて頭が休まらない日常。そんな中で、海に潜り、海水の中で光によってさまざまに変化するブルーの世界にいるときだけは、舞台のことを忘れられ、落ち着いて物事が考えられる……、だんだんと、そんな自分に気づいていったのだという。
「私にとってブルーは心を沈静化させてくれる色。落ち着きを与えてくれてリラックスさせてくれるだけでなく、集中力も高めてくれる色なのです」
色のほかにもうひとつ、「ニューヨークに住まうこと」で考えたのは、トラディショナルな家具や調度品でインテリアを完成させることだった。
モダンとトラディショナル、そして和の融合
「ニューヨークはモダンでシックなデザインと、重厚でトラディショナルなものがうまく融合している街。それがとても素敵に思えました。私自身、無機質でモダンなものはかっこいいし好きですけど、トラディショナルな家具を使ったインテリアのホテルに泊まると心地よさを感じていました。だからニューヨークなら、トラディショナルないい家具がそろうのでは?と思って海のブルーとの融合を考えました」
また、融合という点では「日本では買うことがなかった」屏風や書など、和のものを飾っているところもおもしろいアクセントになっている。
実際に家具などを探しはじめると、自分のアイデアを実現させるのにかなり苦労したという。
「私はインテリアのプロではないので、例えば生地を見ても、それをソファや椅子に張ったときのイメージがわからない。理想を求めて想像するのは楽しいけれど、実現するのには時間もかかるし、思った以上に大変でしたね」
リビングルームやダイニングルームのソファや椅子はすべてベルベットやジャカード織りの布を張ったカスタムメイドだが、山のようなサンプルの中から好みの布を選んだり、ブルー系のラグを探すのに20件以上の店を見てまわったり、煙突がつけられないマンションなので、リビングルームの壁を壊さずにしつらえられるよう大理石の暖炉を造り直したり、苦労の連続だった。
「待てない性格なので、時間をかけて探せば、もっと好きな家具を見つけられたかもしれないけれど、それでも、理想としていた心地よい住空間に、ニューヨークでめぐりあえたと思えます」
教えてくれたのは
女優 和央ようかさん
わお ようか●大阪府生まれ。’88年に宝塚歌劇団で初舞台に立ち、’00には宙組トップスターに。退団後は映画やテレビでも活躍。’15年に作曲家のフランク・ワイルドホーン氏と結婚、NYに居を移した。