【戸田恵子×明日海りおスペシャルトーク〈前編〉】ミュージカル『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン』主演の二人が考える本当の美しさとは?

ミュージカル『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン』で美のカリスマを舞台で演じる戸田恵子さんと明日海りおさんが、本当の美しさとは何か?について熱くトーク。世代を超えて彼女たちが導き出した答えとは……?
戸田恵子 明日海りお

本当に強いのは、いつも穏やかで明るい人だと思う

エクラ 女性の肌に科学的にアプローチしたヘレナ・ルビンスタインと、メイクで女性を華やかに彩ることに力を注いだエリザベス・アーデン。20世紀前半の化粧品業界に革命を起こした美の賢者を、おふたりはミュージカル『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン』で演じます。今日はぜひ、本当の美しさについておふたりの考えを聞かせてください。

戸田恵子さん(以下、戸田) 私はヘレナを演じさせていただきます。女性の社会進出さえむずかしかった時代に、化粧品会社を設立して次々と新しい製品を開発するのは並大抵の努力ではなかったはずです。ヘレナのイメージをひと言でいうなら、タフでとても強い人。ただ、富や名声を得たかわりに私生活では失ったものも多かったようで、その光と影についても表現できたらと思っています。

明日海りおさん(以下、明日海) 私が演じるエリザベスも、ヘレナに負けないくらい(笑)強い人です。農家に生まれ、まだ男女格差の激しい時代にもかかわらず、大きな夢と意志を貫き、都会へ出て事業を発展させます。一方、その華やかな成功の裏には、手放さなければならなかったもの、蓋をしなければいけなかった思いもあります。それでも悩みながら、選択を繰り返し、思いきり生きぬいたエリザベスの生き様は、とても好きです。

戸田 昔も今も、仕事をしていると、「もっと強くならなきゃ」って自分を奮い立たせることがありますよね。だから、若いころは「強くて仕事ができる女性がかっこいい!」と思ってました。でも、年を重ねた今は、明るい人こそ最強だと思うんです。いつお会いしても感情の波がなくて、周囲の人たちの心を包み、癒してくれる人。私はいやなことがあると引きずるタイプなので、明るい人は偉大だって思います。

明日海 えっ!? 戸田さんにそんな一面があるなんて、意外です!


戸田 でしょう? サバサバしてそうだとよくいわれるけど、実はけっこうイジイジしているの(笑)。


明日海 私も自分からパーッと明るく振る舞うタイプではないので、いつも明るく笑顔でいる人を見ると、素敵だなと思います。無理に楽しそうにしている感じでもなく、「気を使ってます」アピールをすることもなく、自然体で、ほがらかな人。そういう人が現場にいると、まわりの人の気持ちも明るく前向きになりますよね。


戸田 例えば「侍ジャパン」で大活躍したヌートバー選手。彼がいるとベンチにいい風が吹いて、みんながポジティブになる感じでしたよね。


明日海 今回の舞台のメンバーにも、きっと“ヌートバー選手”がいますよね。


戸田 誰がムードメーカーになってくださるのか、お稽古が始まるのが楽しみになってきました(笑)。

無理して流行に合わせるより自分らしさを大事にしたい

エクラ 物語の後半、新しい化粧品メーカーが台頭して、化粧品業界は大きな変化を求められます。時代の変化に合わせることも必要だけど、自分らしさも大事にしたいと悩む読者は多いのですが、おふたりはどう思いますか。


明日海 私はわりとガンコで(笑)、新しさに流されすぎず、自分らしさを大事にしたいタイプです。例えば、おしゃれに関しては流行に敏感でいたいけど、自分に合わない服、これは私のウイークポイントが出てしまうなと思ったら、飛びつくことはしません。先輩から「昔はこんなふうにやってたんだよ」とか、お仕事の流儀についてうかがうのも勉強になるし、大好きです。


戸田 明日海さん、熱い! 体育会系ですね(笑)。私は若い世代の人たちの間で流行しているもので気になることがあれば、「それは何?」と突っ込んで聞きますが、興味がなければ無理に手をのばそうとは思いません。今まで十分がんばってきたと思うし、今回の舞台のように、自分をアップデートしてチャレンジすることが必要なときもあるけど、そろそろ、自分にゆる~く、ゴムのパンツはきます!みたいな、ラクな感じで生きていこうと思います。明日海さんはお若いから、まだまだガンガンやっていかないとね。


明日海 ストイックにがんばるのは大好きなので(笑)、今の倍くらい力を出せるようになりたいです。

後編へ続く

戸田恵子

戸田恵子

とだ けいこ●’57年、愛知県生まれ。小学生のころから児童劇団に在籍。’77年に劇団薔薇座に入団し、本格的に演技を学ぶ。以降、ドラマ、映画、舞台など幅広いジャンルで活躍。『それいけ!アンパンマン』のアンパンマンほか、アニメや洋画の声優としても知られる。日々のできことや思いをつづるオフィシャルブログ『Show Must Go On』も好評。
明日海りお

明日海りお

あすみ りお●’85年、静岡県生まれ。宝塚歌劇団花組のトップスターとして活躍。’19年『A Fairy Tale―青い薔薇の精―』『シャルム!』(東京千秋楽)で同劇団を退団。以降、ドラマではNHK連続テレビ小説『おちょやん』『コントが始まる』『大病院占拠』などの話題作に次々と出演。’23年7月からは音楽劇『精霊の守り人』にも出演し、連続して日生劇場で主演を務める。
『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』

『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』

●5/7~17、日生劇場 

問 ☎0570・068・489(TBSチケット)

※大阪、愛知、京都公演あり

’17年にブロードウェイで幕を開け、美しい世界観と華やかな楽曲が話題を呼んだミュージカルが日本に初上陸。20世紀前半の美容業界に革命を起こした美のカリスマ、ヘレナ・ルビンスタインとエリザベス・アーデンの、長年にわたるライバル関係と秘められた苦悩を描く。ふたりのヒロインを演じるのは、戸田恵子さんと明日海りおさん。共演は上原理生、吉野圭吾ほか。ミュージカルから歌舞伎まで幅広く手がけるG2が演出を担当。

[明日海さん]ブラウス¥42,900/エム(ウジョー) イヤリング¥33,000・リング¥28,600/ブランイリス トーキョー(ブランイリス)
[戸田さん]ワンピース¥36,300/チェルキ(クイリシア) ピアス¥759,000・ネックレス¥1,747,900/ダミアーニ銀座タワー
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