【戸田恵子×明日海りおスペシャルトーク〈後編〉】まわりの人まで幸せにする、“美しく、強いひと”の正体

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戸田　本当の美しさとは？と聞かれたら、「大事なのは内面です！」とかっこよく答えたいけど、本音では、シワは少ないほうがいいし、もっときれいになりたいと思うし（笑）。でも、いくら美人でスタイルがよくても、人柄が悪かったら、がっかりするでしょう？　理想は、見た目も心も美しい人だけど、どちらをとるかといわれたら、私は“内面が美しい”ほうを選ぶと思います。

明日海　私は、その人がもつ雰囲気も含めて「美しさ」だと思うんです。皆さん自分を磨く努力をされていて、お会いする女優さんはきれいなかたばかりだけど、なかでも、「このかたは本当に多くの人に愛されている」と感じることがあって。共通するのが、愛らしくて素直で、気遣いがあるけど、ちょっと隙もあって親しみやすい雰囲気なんです。素敵だな、私もぜひ見習いたい、と思います。

戸田　明日海さんがおっしゃるとおりね。私は草笛光子さんと仲よくさせていただいていて、草笛さんは今年で90歳になります。キャリアや年齢を重ねると気むずかしくなってしまう人がいるけど、草笛さんは愛嬌や愛らしさを忘れないし、いつまでもチャーミングで本当に多くのかたに愛されているの。しかも、ぼんやりと考え事をしているとき、寝起きのすっぴん顔、どの表情をとってもお美しい。シワまでも美しいって、まさに草笛さんのことだなと思います。

明日海　どうしたらそんなに素敵な人になれるのでしょうか。おいしいものをたくさん食べて、リラックスできる時間を過ごすとか？　心と体を健康に保つことくらいしか、すぐには思い浮かびません（笑）。

戸田　そうねえ、心を磨くのはやはり人とのかかわりだと思います。すべての出会いがご縁で、深いご縁を感じるかたと、どれだけていねいにかかわっていけるか。面倒でもひと手間かけて物事を進めていくとか、目の前のことをきちんとやることじゃないかしら。

明日海　戸田さんのお話をうかがうのはすごく勉強になるし、楽しいです！　お仕事をご一緒するのは初めてですが、このご縁、長く続けさせてください！

戸田　もちろんです、ずっと仲よくしてくださいね。

『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』

●5/7～17、日生劇場　

問 ☎0570・068・489（TBSチケット）

※大阪、愛知、京都公演あり

’17年にブロードウェイで幕を開け、美しい世界観と華やかな楽曲が話題を呼んだミュージカルが日本に初上陸。20世紀前半の美容業界に革命を起こした美のカリスマ、ヘレナ・ルビンスタインとエリザベス・アーデンの、長年にわたるライバル関係と秘められた苦悩を描く。ふたりのヒロインを演じるのは、戸田恵子さんと明日海りおさん。共演は上原理生、吉野圭吾ほか。ミュージカルから歌舞伎まで幅広く手がけるG2が演出を担当。