離婚するまで10数年セックスレス状態…「なんでセックスしてくれないの?」夫の驚きの反応とは【50代 セックスレスのお悩み #1】

10万部を越える大ヒットになった『ちつのトリセツ 劣化はとまる』の著者 原田純さん。膣ケアの重要性や、60代になって取り組んでいるセックスライフの充実について語った記事が今年2月に配信されると大反響!そこで今回は、原田さんと新たなパートナーとの間で始まった27年ぶりのセックスライフのリアルと、膣ケアの最新事情について伺ってみた。まずは、原田さんが十数年苦しんだというセックスレスのお話から。
セックスについて悩む女性
(写真はイメージです)

「なぜセックスしてくれないの!?」と泣く私に返ってきた夫の答えは、「君をかわいいと思えないから」でした

――ある調査によると、「50代夫婦の約7割がセックスレスになっている」とか。実際、「毎日、忙しくてセックスをする気分にならない」、「夫に性欲を感じない」といった読者の声を耳にすることがあるし、セックスレスについてモヤッとしながらも、大きな問題にはなっていないからスルーしている、という夫婦が多いようです。そんな状況の中、原田さんが「60代で人生最高のセックスを目ざす!」と、著書(『人生最高のセックスは60歳からやってくる』)で宣言されたのは、衝撃でした。
「私がセックスレスについて悩みを抱えるようになったのは、もっと若い、30代半ばのころからです。20代でした最初の結婚生活が破綻し、娘を連れて再婚したのが31歳のとき。相手の男性は穏やかな性格で子ぼんのう、家事も進んでやってくれる、夫としては申し分のない人でした。ところが、一緒に暮しはじめて4年くらい経ったころから、夫が、セックスを求めてこなくなったのです。当時の私にとって、夫から体を求められる=愛されていることのバロメーターでしたから、とても不安でした。なぜ?どうして!?もう私を愛してないの?と聞いてみたい。でも、『セックスについてあけすけに語るのは、はしたない』といわれて育った世代だから、なかなか思いを口にできない。そんなモヤモヤが2年近く続いたある日、全身の勇気を振りしぼって彼にたずねてみたんです、『なぜ、セックスをしてくれないの!?』って」
セックスについて悩む女性
(写真はイメージです)
―彼はどんな反応をして、なんと答えたのですか?
「私がセックスレスで悩んでいることに、気づいていなかったのかもしれません。えっ!?なぜそんなことを聞くの!?みたいな顔をして、ほんとうに驚いていました。そして言われたんです、『君のことがかわいいと思えなくなったから』って……。これは推測なんですが、私たちは同じ(出版)業界で働いていたのですが、私や私を取り巻く人たちの言動で、彼のプライドを無意識に傷つけてしまうようなことがあったのかもしれません。でも、ほんとうのところはよくわからないんです。私がいろいろ聞いても、彼は『君をかわいいと思えなくなった』以上のことをいってくれなかったので。結局、セックスレスの状態は、もろもろの問題からふたりが離婚するまで、10数年続きました」
―当時を振りかえって、「なぜ、もっと早く離婚しなかったんだろう!」と思ったりしませんか。
「そうですね……、これは私が育った時代背景によるものなのか、家庭環境に起因するものかはわかりませんが、当時は『人間が生きていくうえで、セックスはそれほど重要なものではない』と、思いこもうとしていました。セックスレスのことをのぞけば家庭は順調だったし、セックスレスが原因で離婚するなんて間違っている、だから、セックスについて考えるのはもうやめようって。でも実際は、セックスは私の人生にとって、とても貴重な存在でした。だって、セックスがどうでもいいことなら、60代になって人生最高のセックスを追い求めようなんてしないはずですから」
『ちつのトリセツ 劣化はとまる』の著者、原田純さん
―性生活の悩みについて、信頼できる誰かに打ち明けたり、相談したことはなかったんですか?
「実は一度だけ、ごく親しい女ともだち数人と旅行をしたときに、酔っぱらってセックスレスの悩みをぶちまけたことがあるんです。みんな、黙って私のグチを聞いてくれるだけで、『うちも同じよ~』とか、『こうしたらセックスレスを解消できるよ』みたいな話は、誰もしてくれませんでした。それで、『彼女たちは夫といいセックスをしてるんだな』、『セックスレスのことで悩むなんて、私は最低な女だ』と、ますます落ち込んでしまって……、こじらせてますよね(笑)。その後、『ちつのトリセツ』を書いたことがきっかけで、もう一度彼女たちとセックスの話をしてみたら、『実はうちもセックスレスだったの』と、打ち明けてくれました。親しい間柄とはいえ、まだまだ女友だちと夫婦の性生活について語り合えるような時代ではなかったんですね」
『ちつのトリセツ 劣化はとまる』の著者 原田純さんの50代からのリアルセックスライフインタビュー。「セックスレスのお悩み #2」に続きます。お楽しみに。
原田純

原田純

はらだじゅん●1954年、東京都生まれ。径書房代表取締役として経営と編集を兼務。取材を通じて知り合った助産師のアドバイスで膣ケアに取り組み、その効果を実感したことから、10万部を越えるベストセラーになった『ちつのトリセツ 劣化は止まる』を執筆する。現在は、『ペニスのトリセツ』(仮)の取材・執筆を手がけるかたわら、老後の人生と性についての講演を行うなど、活躍の場を広げている。YouTubeチャンネル【ちつのトリセツ】原田純も好評。

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    年齢とともに性欲が衰えたり、夫婦や恋人との間で「セックスがめんどくさい」と感じるようになっても、日本人は「しかたがない」と諦めてしまいがち。けれども海外では、オーバー60の夫婦が積極的に性生活を楽しんでいるし、何歳になっても愛し合う男女の姿は色っぽくてステキだ。原田さんの新たなテーマは、27年ぶりに再入門を果たしたセックスで、すばらしいオーガズムを得ること。新著『人生最高のセックスは60歳からやってくる』では、64歳で知り合った恋人とともに「人生最高のセックス」を目ざす姿が、赤裸々に綴られている。 *前編、後編、Q&A編の3回にわけてお送りします。

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