【エクラ世代が頼るべき「美容成分」の正解】安倍佐和子×貴子先生が考える、絶対大人が頼るべき美容成分とは?

肌悩みが重層化、化粧品の効きすら鈍くなったと嘆くエクラ世代が頼るべき美容成分とは? シワやシミなど目の前のエイジングサインはもちろん、未来への投資にもなる美容成分を徹底ガイド。

“口に入れるもの同様に、肌に与えるものを知ることは大人の新常識に”ーー安倍佐和子

美容ジャーナリスト 安倍佐和子

美容ジャーナリスト 安倍佐和子

出版社勤務を経て独立。先進のスキンサイエンスからホリスティックまで網羅。美容の最前線を取材しながら美容誌や女性誌、広告の分野まで幅広く活躍するグランエクラ世代。

“美容成分への理解、アップデートは、確実に肌の未来への投資になります”ーー貴子先生

松倉クリニック代官山院長 貴子先生

松倉クリニック代官山院長 貴子先生

美容皮膚科医・形成外科医。化粧品への深い造詣と医療の知識をわかりやすく伝えることで大人気のエクラ世代。美容成分にも詳しく、化粧品やサプリメントの開発も手がける。

エイジングケア効果で覚えておきたい美容成分トップ4は?

安倍 自分の肌に何が必要か知りたい、そんな欲求からか、年々美容成分への関心が高まりつつあります。シミやシワ、たるみなどエイジングサインが気になるエクラ世代が、知っておくべき成分にはどんなものがあがってきますか?

貴子 今回はエイジングケアに不可欠な上位4つの成分についてお話したいと思います。まずはヒアルロン酸。もともと肌に備わる構成成分で、ヒアルロン酸1gで最大6倍もの水を抱え込むことができるといわれる、ハリや弾力、潤いに欠かせないもの。保湿ケア成分No.1といえるメジャー成分です。

安倍 ヒアルロン酸は分子量の大きさの違いで効果が違うともいわれますが。

貴子 肌に深く速く浸透させるためには小さな分子を、肌の表面にとどまってほしいときは大きな分子のものを、とヒアルロン酸は分子の大きさで効果実感が異なることを覚えてください。最近は、肌に与える前後で分子の大きさを操作できるテクノロジーも誕生。製品を選ぶ際にチェックしておきたいポイントです。

安倍 小さければいいという、単純なものではないんですね。水をたたえ、ふっくらツヤ肌をもつ大女優のイメージです!

貴子 次はやはりレチノールでしょう。小ジワやハリの低下を改善する成分として、これ以上効果が期待できるものはないのでは? コラーゲンの合成を高め、ハリやツヤをアップ、ターンオーバーを正常化し、皮脂分泌抑制効果もあるという万能成分。肌荒れやニキビ、ニキビあと、開いた毛穴にも効果的なんですよ。

安倍 レチノールはビタミンAの一種で、メディカル系やドクター系コスメブランドが多く採用。実際にドクター受けのいい成分というイメージで、白衣の女性が思い浮かびます。でも、レチノールはパワフルなぶん、敏感肌やゆらぎやすい人には手を出しづらい印象も。

貴子 そういった背景から、最近はレチノール誘導体(酢酸レチノール・パルミチン酸レチノールなど)や、バクチオールやヒトデエキスなど、リスク軽減のための次世代レチノールという選択肢も増えているんです。

安倍 安倍 確かによく耳にするようになりました。でも、この数年で一番知名度が上がったのは、なんといってもナイアシンアミドでは?

シミやシワ、肌荒れにも。万能ナイアシンアミドが人気の理由

貴子 そうですね。ナイアシンアミドはビタミンB群の一種で、ニコチン酸アミドともいわれていますが、美白&シワ改善の両方で厚労省の認可を受けている安全性の高い成分。セラミドを増やして肌荒れや乾燥を改善する効果もあります。

安倍 ’07年に美白、’18年にシワ改善で認可取得以降、ナイアシンアミド配合の化粧品が急増しています。水溶性で扱いやすいのか、スキンケア製品以外のものに配合されるケースも。とにかく大人気で、優等生なのに国民的アイドルみたいなイメージですね。

貴子 ただしポピュラーになったぶん、純度のよしあしを見極める選択眼はもっておいたほうがよさそうです。そしてもうひとつ覚えておいてほしいのが、健やかな肌にとっての基本のキ、セラミド

安倍 セラミドと聞くと、バリア機能の低下した乾燥肌というイメージ。肌の基礎部分にかかわる大事な成分ですね。

貴子 セラミドは角層に存在する潤い成分ですが、バリア機能を正常に保つ3つの因子「皮脂・N

MF・細胞間脂質」のうち、細胞間脂質の主要成分。細胞間脂質は角質の潤いの8割を担い、乾燥だけでなく透明感や肌荒れ防止、メイクのりにも関係、地味な印象ですがセラミドはキーマンでもあるのです。

安倍 セラミドが不足すると敏感に傾きやすくなるとも。細胞間脂質の主成分を肌の土台と考えたら、イメージは家の基礎をつくる建築家みたいなものかも。

貴子 年齢とともに減少するセラミドを補うケアはスキンケアの要といえます。

安倍 今回は4成分をメインにお話しましたが、ほかにもスキンケアトレンドのカギを握る成分はたくさん。次の記事からは美容成分ごとにおすすめ製品もピックアップ。肌との相性や悩みに対してどう攻めるか、時間に余裕のない世代(笑)の新常識として押さえてほしいですね。

貴子 もはや、待ったなし(笑)ですから、美容成分を理解することでスキンエイジングも延命できると思います。

▶ヒアルロン酸は……ハリ弾力、潤いのカギ。保湿ケア成分No.1

▶ヒアルロン酸は……ハリ弾力、潤いのカギ。保湿ケア成分No.1

肌の全層にかかわり、高分子・中分子・低分子と大きさによって異なる顔を見せる、まるで女優のようなエイジングケア成分。どう演じさせるか、先進の研究力が注がれた製品も多い花形

▶レチノールは……シワの悩みに高い信頼。さらなる上を目ざす知性派

▶レチノールは……シワの悩みに高い信頼。さらなる上を目ざす知性派

欧米では古くからニキビ治療薬として使われ、日本でも’17年に厚労省でシワ改善が認証。パワフルな半面、赤みやかゆみなどをともなうケースもあり、プロならではの視点で研究されるキレもの

▶ナイアシンアミドは……シミ・シワ・肌荒れまで。人気絶頂のアイドル成分

▶ナイアシンアミドは……シミ・シワ・肌荒れまで。人気絶頂のアイドル成分

美白とシワ改善効果が認められている成分でありながら肌への刺激が少なく、敏感肌にも使える。優等生でありながらアイドル並みの人気者。ほかの美容成分との融和性にも注目

▶セラミドは……地味だけど縁の下の力持ち。角層の美をつかさどる堅実派

▶セラミドは……地味だけど縁の下の力持ち。角層の美をつかさどる堅実派

外的要因と戦いながら潤いを守るバリア機能をつかさどるセラミドは、敏感傾向の肌にとって特に補いたい成分。肌の土台を支える裏方の中では、最重要ポジションであることは間違いない

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