【アートに触れる1日】山本容子さんご本人の解説による版画展へ行ってきました

現在、早稲田大学で開催中の銅版画家・山本容子さんの版画展に、エクラ華組&Jマダムの皆さんと参加してきました。夢のような時間をレポートします。
早稲田大学国際文学館
エクラでもおなじみの銅版画家・山本容子さんは
今年デビュー50周年!

50年にわたる膨大な作品の中から、
エクラ世代にもファンが多い
「赤毛のアン」や「白雪姫」「不思議の国のアリス」といった
世界の文学をテーマに構成した企画展(第II期)を
ご本人による解説を聞きながら巡るという
夢のようなツアーに参加してきました。

会場は早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)ということで
ワクワクが止まりません!
エクラ華組&Jマダムの案内板
当日は華組&チームJマダムのメンバー約20人が参加。
会場は2階のラボ・展示室です。
モダンな雰囲気の早稲田大学国際文学館 村上春樹ライブラリー
どなたと会えるかな、なんて
楽しみと同時に緊張感もありつつ迎えた当日。

早稲田駅で同期のRU美ちゃんと待ち合わせをしたので
とても心強かったです。
文学館のシンボル「階段本棚」
建物の中に入ると、文学館のシンボル「階段本棚」が。
本棚が両側に広がり、その蔵書数はなんと1500冊!

気軽に手に取ることができる、本好きにはたまらない
文学に囲まれた空間です。

これから始まるアートな時間に
期待はさらに膨らみます〜。

いよいよ会場へ

  • 山本容子版画展「世界の文学と出会う〜カポーティから村上春樹まで」。

  • 山本容子版画展「世界の文学と出会う〜カポーティから村上春樹まで」。

山本容子版画展「世界の文学と出会う〜カポーティから村上春樹まで」。
山本容子版画展「世界の文学と出会う〜カポーティから村上春樹まで」。
受付を済ませて、少し座って待っていると
山本容子さんが登場!
制作した作品の秘話を熱く語る山本容子氏
颯爽と登場された山本さん。
笑顔がとても素敵です。
さあ、
いよいよ始まりますよ〜。
カポーティ作品を解説する山本容子氏
山本さんが初めて文学をテーマにしたのは27歳の時。
とにかく小説を読み込み
自分が感じたままを絵にするという
創作スタイルを追求したそうです。

絵の上手・下手は関係なく
読書感想文を書くように、
作品を生み出していったというお話が、とても印象的でした。
トルーマン・カポーティの小説を描いた 「CAPOTE SUITE」シリーズの中から 「From Noon to Moon」
こちらは、トルーマン・カポーティの小説を描いた
「CAPOTE SUITE」シリーズの中から
「From Noon to Moon」(1979年)。

山本さんにとって、特に思い入れのある作品で
今回の版画展のチラシにも採用されています。

この作品が後に、村上春樹さんの目に留まり
村上さんの翻訳本に抜擢!
その後、多くのコラボレーションが生まれていくのですから
縁というのは、本当に不思議です。
世界の文学シリーズ
次は集英社ギャラリー「世界の文学シリーズ」。
サン=デグジュベリの「夜間飛行」をはじめ
全20巻の装丁用に創作された銅版画がずらりと並びます。

こちらも本を丁寧に、何度も読み込んで
ストーリーを頭に入れ、物語から受けた自分なりのイメージを
絵に落とし込む作業だったそうです。

そこに「正解はないと信じていたので、自分なりに描けていけた」
という言葉が、とても深く
唯一無二の作品を生む核に触れた気がしました。

世界の文学シリーズ全20巻
全20巻が揃うと圧巻ですね〜。

後から伺ったのですが
山本さんは、制作中に感じたことを
よく口に出して、アトリエでも常に喋っておられるのだとか。

頭にインプットしたイメージを
言語化することが、良いアイデアにつながるのかもしれません。

作品ができあがる秘話に
ただ、ただ感動しました。
美しい装丁
こうして生まれた装丁のなんと美しいこと!
世界の文学シリーズの装丁
これは、全て揃えたくなりますね。
シェークスピアを題材とした作品
こちらは「シェイクスピアのソネット」シリーズ。
当時の自分にはまだシェイクスピアを
完全に理解することはできない。

そんな不確かさを、
壁や床など、いろいろな形の銅板を作り
「穴から覗いた世界」として表現するというのも
山本さんならではのユニークな発想ですね。

そういうお話を聞いた後に作品を見ると
また見る目が変わってきます。
山本先生の解説に聞き入る華組&Jマダムメンバー
制作過程について、熱く
ユーモアを交えながらお話くださるので
みんな話に夢中です。
  • 制作過程のデッサン

  • 制作過程のデッサン2

使用する道具や、赤と青の2色のデッサン画など
アトリエを再現した展示もあります。
【アートに触れる1日】山本容子さんご本人の解説による版画展へ行ってきました_1_17
最新作を制作するアトリエを再現
最新作「哀しいカフェのバラード」(カーソン・マッカラーズ作、村上春樹訳)を制作するアトリエを再現
実際に使用している道具
実際に使用されている道具
銅版

白雪姫や赤毛のアンの制作秘話も

白雪姫の制作秘話を語る山本容子氏
着想に苦労したというのが、白雪姫の制作でした。
あまりにも有名な児童文学なだけに、逆に悩んだとおっしゃっていました。

独自性を追求するために、最初に取り組んだのは
脇役ながら、白雪姫を助ける重要な役どころの「狩人」だったそうです。
山本氏が描いた7人の小人
山本さんが描いた「7人の小人たち」。

狩人を描き上げ、方向性が定まったと言います。
先にそれぞれの帽子を決め、
個性あふれる小人たちを、描いていったそうです。
豊かなイメージで彩られた
他にはない、山本さんらしさが溢れています!
  • 【アートに触れる1日】山本容子さんご本人の解説による版画展へ行ってきました_1_23-1

  • 【アートに触れる1日】山本容子さんご本人の解説による版画展へ行ってきました_1_23-2

小さい頃大好きだった「赤毛のアン」を題材にした作品も。

山本さんの描くアンは、最初は「あまり可愛くない」と言われたそうですが
「人間は正面から見た、すまし顔ばかりではない。
気を抜いている時や、横から見た時の顔にハッとすることは、
誰だってあるはず。それもまた自分の顔でしょう」と
説明すると、みんな納得されたそうです。

多面性があってこそ人間だし、アンらしいな、と思いました。
山本さんのお話は、とにかくおもしろくて
話に引き込まれます。

児童書は手に取って見てOK

  • 児童書コーナー

  • 子供が手に取れるように低い位置に配置されている児童書

今回の版画展は子どもも入場可能です。
「にんじん」の本を手にとる女性
子どもたちが手を伸ばしやすいようにと
児童書のコーナーは
低い位置に本が並べられています。

そうした配慮も嬉しいですね。
色合いもとても美しい「にんじん」
色合いもとても美しい「にんじん」
不識の国のアリスの銅版画
「不思議の国のアリス」のコーナーも充実していました。
既に、他の方のブログで紹介されているように
先生がこだわって描かれた
トカゲのビルが失神している絵も、
ぜひ会場で探してみてくださいね。
ストーリーに合わせた仕掛けが施された「鏡の国のアリス」のコーナー
ストーリーに合わせた仕掛けが施された「鏡の国のアリス」のコーナー
「鏡の国のアリス」の仕掛けにも注目です!

直筆のサインをいただきました!

山本容子氏にサインをもらう女性
先生から「お名前は入れなくていいの?」と
聞いてくださり
しっかり入れていただきました(笑)
感激です〜。
サイン会で記念撮影

ギャラリーツアー後はお茶会

山本容子氏を囲んでのお茶会
コーヒーとドーナツを食べながら山本先生のお話を伺います。
ギャラリーツアー後は、
山本先生を交えてのお茶会が開かれました。

幼少期のお話や、多様性を認めてもらえた大家族の暮らし
山本先生の制作哲学などに触れ
ますますファンになってしまいました。

山本先生の言葉にはとても力があります。
人生の先輩として、今日は数々のパワーワードをいただきました。

私も、想いを漠然と思い描くだけでなく
自分の考えや想いがしっかりと人に届く
言葉をもちたいと思いました。
まだまだ、努力が必要ですが。。。
ツアーに参加したエクラ華組&Jマダムで記念写真
当日ご一緒した華組さんとJマダムメンバーで
写真を撮ることができました。

一緒に撮ってくださった皆様
ありがとうございました。

お茶会終了後は、村上春樹ライブラリーの中を散策。

村上春樹ライブラリーで本を手に取る女性
舞台「海辺のカフカ」で使用された美術装置
地下1階にはカフェもあります。
そして舞台「海辺のカフカ」で使われた
舞台美術装置もさりげなく飾られています。
地下1階から1階へ 階段本棚
本日は中に入れませでしたが、
文学館には、北欧デザインのソファに座り
村上さんが愛したレコードを聴きながら
読書が楽しめるオーディオルームもあり、
またゆっくり訪れたくなりました。
階段本棚に立つ女性

最後はJマダム4人で記念撮影

早稲田大学国際文学館前で記念写真
建築家の隈研吾氏が、村上作品からインスピレーションを受けてデザインしたという、しなやな曲線を描く木のひさしがシンボリックで印象に残ります。
大学内とは思えない、洗練された建物は、隈研吾さんによる設計だそうです。
国際文学館の前で
チームJマダムのRU美ちゃん、ぶんかちゃん、キャリゆかさんの4人で
記念写真を撮りました〜。
  • 早稲田大学キャンパス

  • 早稲田大学キャンパス2

早稲田大学のキャンパスを歩いていると
大学時代にタイムスリップするような
不思議な感覚がありました。

【アートに触れる1日】山本容子さんご本人の解説による版画展へ行ってきました_1_39
早咲きのサクラがキレイに咲いていました。
入学式も、もうすぐです。
山本容子氏のサイン入りポストカード
Jマダム4人でお茶をした後、自宅に戻って
サインを見返しながら、学びの多かった1日の振り返りを。

以前読んだ本を、今もう一度読み返すと
また違った発見があるという
山本先生のお言葉が心に響いた私。

まずは、今日のイベントにちなんで
村上春樹さんの「ノルウェイの森」や
「海辺のカフカ」を読んでみようと思っています。

このような機会をくださった
エクラ編集部の皆さま、本当にありがとうございました。

版画展は5月27日まで開催。
入場は無料です。
途中、作品の入れ替えもあるようですので
詳細は、早稲田大学のHPでご確認ください。
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CHIKAO

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東京都在住。ライター兼ディレクター。夫と社会人の息子の3人家族です。旅、食、インテリア、コーヒー、映画、神社巡りに興味津々!自分の楽しみや新しい挑戦、日々の気づきなどを楽しく発信していきたいです。

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