日本の有名な逸話が登場! 『ロマンスは別冊付録』の告白が文学的でロマンチック【韓国ドラマ:心に刺さる、あのセリフ vol.4】

人気韓国ドラマのセリフやタイトルに注目し、ドラマ鑑賞がもっと楽しくなる豆知識をご紹介。今回は、“新・韓流四天王”と称されるイ・ジョンソク主演の『ロマンスは別冊付録』の告白のセリフに注目。「好き」「愛してる」といった直接的な言葉を使わずに愛を伝える名シーンです。
ロマンスは別冊付録 イ・ジョンソク
Netflixシリーズ「ロマンスは別冊付録」独占配信中

私たちの日常をときめきや感動で彩ってくれる韓国ドラマ。昨今の韓国ブームによって「表情管理」「花道だけ歩こう」のように、韓国由来の表現が日本でも少しずつ浸透してきて、注釈なしでも伝わる言葉が増えています。外国語に触れる楽しさや、知識・視点が増える喜びを感じられるのも海外エンタメの魅力のひとつですよね。

この連載では、韓国ドラマのセリフやタイトルに注目し、ドラマ鑑賞がもっと楽しくなる豆知識をご紹介。韓国語能力試験(TOPIK)の最上級である6級を取得したライターが独自の視点からお届けします。

『ロマンスは別冊付録』

恋愛ドラマの醍醐味といえば、胸キュン必至な告白シーン。“新・韓流四天王”と称されるイ・ジョンソクが主演を務めた『ロマンスは別冊付録』は、出版社を舞台にしていて、“本が読みたくなるドラマ”とも言われています。作中の名シーンのセリフがとてもすてきなのですが、実は私たちにとってなじみの深いある名言が関係しているんです。

あらすじ

記録的な若さで編集長の座についた天才作家のチャ・ウノ(イ・ジョンソク)。採用面接の志願者として彼の前に現れたのは、5歳上の幼なじみで、かつて売れっ子コピーライターとして活躍したカン・ダニ(イ・ナヨン)。上司と部下として共に働くうちに、2人の関係性は少しずつ変化していく。

このフレーズに注目!

「지금도 말하잖아. 눈 내리는 거 아름답다고」(今も言ったよ、雪がきれいだねって)

ロマンスは別冊付録 イ・ナヨン
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本作は、弟のように思っていた幼なじみの年下男性と恋に落ちる“年の差ラブストーリー”であり、結婚・出産によってキャリアが断絶してしまったヒロインが、離婚を機に社会復帰を目指す“お仕事系ヒューマンドラマ”としても楽しめる作品。

胸キュンたっぷりな恋模様は、さすが韓国ドラマという出来栄え。それに加え、ダニが社会人として、ひとりの女性として直面する壁や葛藤なども繊細に描き、多くの視聴者から支持が寄せられました。

ロマンスは別冊付録 イ・ジョンソク
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イ・ジョンソクが演じるウノは、最年少編集長でありながら自身も売れっ子の作家で、さらには大学教授も務めるハイスペック男子。幼い頃からダニに密かに思いを寄せていましたが、ダニは他の男性と結婚。ウノも恋心を胸の奥底に閉まって、よき弟分として見守ってきたのでした。

ところが、ダニが夫に離婚されたことで事態は急変。住む家を失い、海外留学中の娘への仕送りに追われるダニの状況を知ったウノは、ダニを自分の家に住まわせることに。こうして、編集部では上司と部下として働きながら、内緒の同居生活がスタート。ダニと過ごすうちに、ウノの中であの頃の恋心が再び動き始めます。

ロマンスは別冊付録 イ・ジョンソク
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十分すぎるスペックを持ち、精神的にも成熟してるウノがなんとも頼もしいこと。一方で、2人でいる時は年下モード全開で、恋のライバルにも大人げなく嫉妬心する姿はギャップ萌え必至。こんな年下男子が近くにいたら、恋に落ちないほうがおかしいです。

鈍感なヒロインが愛の告白に気づけたワケ

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そんなウノをよそに、ご近所の年下男子といい感じになってウノをヤキモキさせるダニ。「지금도 말하잖아. 눈 내리는 거 아름답다고(今も言ったよ、雪がきれいだねって)」は、そんなダニにウノが伝えた告白の言葉です。

自宅での作業中、雪が降っていることに気づいたウノとダニは、テラスに出て一息つくことに。ダニは、はらはらと舞う雪を見ながら、以前ウノが「月がきれいだ」と言った夜を思い出します。その日の夜、ウノは自身のSNSに月の写真をアップし、「“愛しています”を“月がとてもきれいですね”と訳した夏目漱石を思い出す」とつづっていました。

「その逸話、私が教えてあげたのよ。覚えていたのね」と微笑むダニに、ウノは「今も言ったよ、雪がきれいだねって」と伝えるのです。高校生の頃にダニから夏目漱石の話を聞いたウノ。あの日の夜の「月がきれい」はダニに向けた言葉で、今も雪が舞う美しい情景に思いを託しているのだと。

根拠となる文献はないそうですが、夏目漱石が「I love you.」を「月がきれいですね」と訳したというのは、日本人には知られた有名な話。それが韓国ドラマに登場するとは。しかも、ダニがウノの恋心に初めて気づくという重要なシーンで! 

ロマンスは別冊付録 イ・ジョンソク イ・ナヨン
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出版社を舞台にしたドラマらしい言葉選び、そして本と言葉を愛する2人だから通じ合える告白がとてもロマンチック。「急に僕が男に見える?」という王道の胸キュンセリフも飛び出し、穏やかで甘い空気感に心がうるおいで満たされる名シーンとなっています。

ロマンスは別冊付録 ウィ・ハジュン
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ちなみに、ダニがちょっといい感じになるもうひとりの年下男子ソジュン役を、『イカゲーム』シリーズ、『卒業』などへの出演で知られるウィ・ハジュンが演じています。ウノ×ダニ×ソジュンの三角関係(!?)では、vol.3で紹介した「ラーメン食べていく?」にまつわるシーンも登場するので、そちらもぜひご注目を。

轟 友貴

轟 友貴

K-POPアイドル、俳優にインタビューを行うフリーランスライター。学生時代からライターとして活動、韓国在住経験もあり。TOPIK6級取得。
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